< 10月1日 8時30分 枕元に置かれた手紙>
ステラ・フラートンは《機械種》としてではなく『人』として、”友”――押領司・則之さんにこの手紙を送る事にした。
直接、言葉を交わす事ができないのは、『自分』が少しだけ『恥ずかしい』と思っているから。
押領司・則之さんの気持ちを私は考えたことがなかった。
貴方は、近親者の死を見ても、私の保有していた『死』をどうにかしようとしてくれていた。
今では、少しだけ貴方の苦しみが分かる気がする。
同時に私がどうして死を望んでいたのか。詳細がない『衝動』的な行動を行おうとした事、はとても軽率だった、とは思う。
『人』はふとした時に思いつめるというけれど――、私にはまだそこまでの理解力はない。
それでも、貴方の気持ちを『考える』事が本当ならばできたのだろう。
自分だけだった、という事が恥ずかしい。
きっと貴方は、そんなことないと言うでしょう。
だから、顔を合わせての言葉は、今回は遠慮したい。
心の整理ができたら、『兄』と『姉』とイギリスで待っているから、ガールフレンドと遊びに来て。
Thank you. My Knight.
by Stella Fullerton.