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【1話完結!超短編】ラジオ品川『クリス米村のGO!GO!レインボー!』#マンション強盗の話

作者: 薫 サバタイス

挿絵(By みてみん)



「こんばんは、クリス米村です。


コロナのせいかな。


たまに物騒な話を聞く。


オレのマンションの近くじゃないが、強盗が入ったって話だ。


被害のあったのがタワーマンションだっていうから、てっきりスパイダーマンみたいに60階まで壁をよじ登ったのかと思ったよ。


どうやら違うらしい。


宅配便でーす、のパターンか。


マンションのエントランスを、うっかり開けちゃうのはわかる。


オレが住んでるマンションみたいに、口やかましいガードマンがいてくれりゃ、泥棒が入ってくる心配はないが。


たとえ入ってきても、荷物の受け取りはコンシェルジュがやってくれるから、オレが泥棒に会うことはない。


100歩ゆずって?


ああ、100歩ゆずって、強盗がうちの玄関まで来たとしようか。


その場合でも、やっぱり泥棒ってのは、体のどこかに緊張があるものなんだ。


顔が固いっていうかさ。


オレはそれで見破ることができる。


インターホンごしにな。


で、即、通報だ。


マスク?


いや、だから、マスクしててもさ、目とか体の動きが固いんだって。


すぐわかるわけ。


インターホンごしに、相手の動きを見るだろ。


即、通報だよ。


でも、実際は危ないときもあるかもな。


ウーバーイーツとか、アマゾンとか、頼みまくってるし。


変なヤツが1人ぐらい、オレの階まで上がってくる可能性もないわけじゃない。


そんで、うっかりドアを開けてしまうんだ。


インターホンごしだと、見破ることができなくて。


危険だよ。


命の危機といってもいい。


部屋には大金ってほどじゃないが、そこそこの金は置いてる。


なんかあったときのために。


ヤバいよ。


でも、オレには格闘技の心得もあるんだ。


一応な。


だけど、この番組のリスナーならわかると思うが、オレは暴力的な男じゃない。


ドアを開けちまって、さあ相手が強盗だってわかったら、まずは話し合うよ。


いきなりこらしめる、なんてことはしない。


やりすぎちまって、オレの過剰防衛になるのもイヤだし。


もしそんなことになったら、強盗に謝らなきゃならないだろ。


本来なら、強盗がオレに謝らなきゃいけないのに。


意味がわからん。


そうならないためには、お互い、話し合うべきだ。


そんで、強盗してるヤツに、なぜこんなことをしてるのか聞く。


ひょっとして、クリス米村に会いたくて、忍び込んだのかもしれないからな。


言っとくが、その場合でも、オレはゆるさない。


犯罪は犯罪。


即、通報だ。


サインぐらいはあげるかもな。


オレの優しさに触れて、心を入れ替えてくれることを希望する。


まあ、そいつにもいろいろ事情があるんだろうな。


オレにはわからん事情が。


リスナーのみんなも、そういう心のモヤモヤを誰かに話したくなったら、ネットで調べることをおすすめするよ。


聞いてくれるところが、ひとつぐらいはあるだろうから。


ただ、むやみやたらと連絡するのは、やめとけ。


変なヤツかもしれないし。


『なんとかホットライン』みたいなのがいいだろう。


そっちで相談してみたら?


暗い話が続いたな。


そろそろ曲にいこうか。


明るいのにしよう。


そうだな。


これなんかいいんじゃないか。


合いの手がイケてるし。


聴いてくれ。


『深刻になりすぎるなよ、ポゥ!』


↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

教訓☞バカじゃないの。





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