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Side.乃亜⑤

「乃亜、ライブの曲って決めてるの?」


りぃちゃんからライブ参加OKを貰った次の日のお昼休み、藍ちゃんからライブでの曲を決めてるのかって聞かれたけれど、昨日OK貰ったばっかりだしまだ話が出来ていない。


「まだりぃちゃんと話せてないや」

「夜連絡取らなかったの?」

「迷惑かなって連絡ほとんど出来てない」

「直接会う時はあんなにスキンシップ多いのに変なところでヘタレだよね……」


カラオケの時に4人で連絡先を交換したのだけれど、何を送るか迷ってしまってほとんど連絡が出来ていない。送信を押せない気持ちわかる……??


「同じ曲は避けてもらってるから、早めに決めた方がいいと思って。もう曲決めたって連絡を結構貰ってるから」

「え、みんな早いね?」

「人気の曲は特に被りやすいからね」

「部活の時に聞いてみるよ」


私はなんでもいいけれど、もしかしたらりぃちゃんがやりたいと思ってる曲があるかもしれないもんね。


「今行ってきたら?」

「……今??」

「部活の時だとゆっくり話せないでしょ? 部活の時以外の莉子ちゃんに会いたくないの?」

「それは会いたいけど」

「何か目的がないと1年生の教室なんて行かないから行っておいでよ」


藍ちゃんの勧めで1年生の教室が並ぶ廊下に着いたけれど、りぃちゃんは何組だったかな?

最初のクラスを覗いてみてこのクラスではなさそう、と思ったらちょっとした騒ぎになってしまった。

これりぃちゃんに怒られるやつなんじゃ……?


バスケ部の子が出てきてくれたのでりぃちゃんのクラスを聞いて向かうと、後ろから何故か着いてくる子達……

うん。気にしないことにしよう。


りぃちゃんのクラスに入ると、ポカーンとしているりぃちゃんとニヤついている響華ちゃん。対照的すぎてちょっと面白い。


「先輩、どうしたんですか?」


りぃちゃんが心底不思議そうに聞いてくる。私がクラスまで会いに来ることなんてないもんね。


「えっと、特に用事はないけどりぃちゃんに会いたくて?」

「……は??」


ちょっとふざけてみたら睨まれました。ごめんって。


「そんな目で見ないで?! 文化祭の曲決めだけしておきたくて来ちゃった」

「乃亜先輩、文化祭の曲決めって、ライブ出るんですか?!」

「昨年はソロで参加したんですよね? もしかして今年は莉子ちゃんと組んで出るんですか?!」

「うん。りぃちゃんがOKしてくれて、一緒に出ることにしたよ」


りぃちゃんより早く周りの子達が反応してくれて、参加することを伝えると凄く喜んでくれている。

私についてきていた他のクラスの子も一緒になって盛り上がっていて、りぃちゃんが困惑している。


「やばい! これはもう見に行くしかない」

「もうクラスの出し物とかやってる場合じゃなくない?!」

「いや、クラスの出し物はちゃんとやろうね?」


1年生はそこまでガッツリ何かをやるっていうことはないけれど、何もしない訳には、ね。


「ライブ楽しみにしてて。りぃちゃんといいステージにするから。ということで、りぃちゃん借りてもいいかな?」

「「「どうぞ!!」」」


おー、揃ってるな。りぃちゃん、話聞いてなかったね?

状況を理解していないりぃちゃんと手を繋いで教室を出る。場所は中庭でいいかな。


「あー、外だと暑かったね……場所変える?」


曇りだから大丈夫かなと思ったけれどかなり暑かったな……


「日陰ですし大丈夫です。それより、なんで教室なんて来るんですか……自分の人気分かってます?!」

「りぃちゃんに会いたかったってのは本当だよ? 目立っちゃったのはごめんね」


やっぱり怒ってるよね。りぃちゃん目立つの嫌いだもんな……


「いや、もういいですけど……曲決めでしたっけ?」

「うん。人気のある曲は取られちゃうから。もし歌いたい曲があるなら早い方がいいかなって」


気を使ってくれたのかりぃちゃんから話を変えてくれた。


「うーん、絶対これ! っていう曲は無いですね。乃亜先輩はあります?」

「××とか××とか××とか?」


りぃちゃんは特に希望なしか……りぃちゃんと歌えるなら、やっぱりそれっぽい曲やりたいところなんだけど。曲知らなくてOKしてくれたりしないかな。


「……ヤです!!」

「えー」


……知ってたっぽい。残念。

何曲か提案してみて、定番の恋愛ソングの反応が良かったからもう決めちゃおう。


「藍ちゃんに曲伝えておくね。夏休み、部活もあるけど練習出来そう?」

「大丈夫です」

「良かった。頑張ろうね」


夏休みはりぃちゃんと一緒に過ごす時間が増えそうだな。


「もうすぐ昼休み終わるし戻ろっか。教室まで送ってく?」

「1人で戻れます!!」


試しに聞いてみたら全力で拒否されたので途中で別れて教室に戻った。


「おかえり。曲決まった?」

「うん。これでよろしく」

「乃亜のことだから際どいやつ選ぶかなと思ったけど普通だね?」


決まった曲をスマホに表示して見せると、藍ちゃんが意外、とちょっと驚いていた。


「提案したら却下された」

「提案はしたんだ? ドンマイ」


そう言いながら笑ってるし。絶対楽しんでるよね?

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