敵襲
「おやおや、失礼ですね。いきなりネズミ扱いですか」
どこからとも無く声がした。
「スレーネ」
剣を出したのはいいものの、俺は敵がどこにいるかわからなかった。
「おい!隠れてないで出てこい!」
「言われなくても出てきますよ」
しかし、反応がない
するとエリアが呪文を唱え出した。
「壮麗なる光の槍よ」
「おい、敵がどこにいるのかわからねーのに何呪文唱え……」
「キラヴィール」
白い槍が地面に刺さった。
「だから意味ねーだろ!」
するとまたどこからとも無く声が聞こえた。
「この期に及んでまだわからないのですか?リウネさん」
「何故俺の名前を知ってる!」
「お隣の方は既に私がどこにいるか、わかってるみたいですよ?」
「俺の質問に答えろ!」
「へぃへぃ。わかりました。お答えしますよ」
そう聞こえたとき、地面が動き出した。
「……いつかね」
地面から人が出てきて後ろから俺に突っ込んできた。
すかさず後ろを振り向きスレーネを構えた。
相手の小刀と剣を交え、鍔迫り合いになった。
「おやおや、これを受けますか。さすが話に聞いた通りです」
「誰から話を聞いた!」
相手は一度、俺と距離を置いた。
「いや、焦りましたね。あの槍にはびっくりしましたよ」
「結局当たりませんでしたけど」
「まぁ、これぐらいじゃないとつまらないですね。
さて、2対1はこっちに不利ですね」
相手の姿を確認する。
あまり大柄ではない男。右手に小刀。
腰にはいくつかの小刀がしまってある。
相手は動かない。
俺たちも動かない。
一体何を企んでいやがる。
しばらくの沈黙の後
「ファエル」
エレアが後ろに盾を作った。
「何やって……」
後ろからが投擲用のナイフが飛んできた。
見事にそれが盾と当たった。
「ありゃ、バレちゃったか」
「最初から二人いるのは知ってました」
俺は全く気づかなかった。
エリアって、なんでこんなに鋭いんだ?
岩陰から出てきたのは女だった。
さっき飛んできたものと同じものを三本ずつ指に挟んでいる。
「おやおや、バレてたとは意外ですね。私たち、不意打ちが大好きなんで……」
「黙っててください」
「ありゃ、怒られちゃいましたね」
男は辺りを見渡すと言った
「これで2対2。ちょうど良い感じですね」
そう言って手を広げた。
「この瞬間。緊迫した何ににも例えられないこの感じ。最高ですね」
こっちを全く警戒していない。
こいつ……少々ヤバそうだ。
男は小刀を構え直した。
「さて、楽しい殺戮の時間ですよ」
そう言っては走りかかってきた。
「おい!どうする」
「仕方がありません。戦いましょう」
「戦うって、どうするんだよ!」
「いいですか、絶対に殺さないでください。私はあの女性を引き受けるので……」
さっき出した槍を取って走り出した。
「くそ……」
スレーネを握りなおした。
「厄介ごとはごめんだぜ」
俺も男の方に走り出した。




