使命
「俺を捜してた?」
「はい。私はユリウス教会司祭、エリア・ヴェリクスです」
そう言いエリアは服のから紋章を取り出した。
この紋章、確か司祭の中でもトップクラスの紋章だ。
だから初級の技であの大きさが出せるわけだ。
「それで? 俺を捜してたってどう言いうことだ?」
「あなたには、また前線に戻って欲しいのです」
「この俺にまた『悪魔』になれと?」
「そういう風に言う人もいますよ」
「冗談じゃない。俺はもうならないと誓ったんだ。」
あの時……あいつを失ってから。
「まぁ、簡単に行くとは思ってません」
「俺は絶対ならないからな!」
そう言い終わらないうちに彼女は僕の懐に入っていた。
一瞬だった。
「そんな甘ったれたこと言ってると、死にますよ」
確かに、彼女が敵なら既に俺はこの世に存在していないだろう。
「お前らはそうやって人を使って捨てるだけだろ?」
「別にその気はないわよ?」
「じゃあどうして今更俺なんかに会いにきたんだ?」
「今教会ではとても困ったことになってるの」
「そんなこと知らねーよ」
「話だけでも聞かない?」
「聞いてやるかよ、そんな教会の話なんか」
「あら、良いの?面白い名前が挙がるけど」
「それは俺が判断する」
「じゃあ聞いてから判断するのね」
「は? 誰がそんな事言った」
「とりあえず聞くだけ聞きなさい」
この人引き下がらないな。
「仕方ねーな、話だけな」
「じゃあ説明するわよ、良いわね」
「……わかった」
「最近ソール教の連中がおかしなことを企んでいるらしいの」
「というとなんだ?」
「彼らの目的はソール教の統一、いや、新世界の創造とも言えますね」
「それが何がおかしいんだ?」
「彼らの元々の目的は闇を認めること。それに今解決の方向に向かってる」
「そうなのか」
いつの間にか周りではいろいろなことが変わっていた。
「そう。だから彼らが統一を求めるのはおかしいのよ」
「それで? 結局裏で誰かが手を引いてるのか?」
「調査の結果、彼らはある一部の人間で組織を結成したの。それらが統一を求めてる」
「へぇ」
「名前は『ネクロファリス』彼らは黒魔法の禁忌の技を探しているらしいの」
「それで、今回は俺にその組織を潰せって言いたいんだろう?」
「簡単に言えばそう。だけど全滅させなくても良いわ」
「というとどういうことだ?」
「首謀者だけはとにかく潰してほしい」
「首謀者? 誰なのかわかってるのか?」
「もちろん。名前はジェイス・マクノレイ」
「ジェイス・マクノレイ」
どこかで聞いたことがある。
しかしもしかしたら勘違いかもしれない。
「あれ?案外反応が薄いのね」
「誰でも知ってるわけじゃない、特に黒魔法の方はな」
「とりあえず、説明としてはそれぐらいね。質問は?」
「あんたの話し方、俺が行くことが決まったような言い方だな」
「何? この期に及んでまだそんな事言ってるの?」
「当たり前だろ、もとから行く気なんてさらさらねーよ」
「じゃあ、これを聞けばあなたも行く気になるかもしれないわね」
「何のことだ?」
「なるべく伏せとけと上に言われたのにね。ジェイスは」
彼女の口から意外な言葉が聞こえた。
「アリシア・マクレノイの弟よ」
「……!」
どこかで聞いたことがあると思ったのはそのせいだ。
「アリシアの……弟」
アリシア……
2年前にあったあの事件のせいだ。
俺が……
あいつを殺してから俺は戦うことをやめた。
「……行くよ」
「へー、やっぱりその名前は反応するのね」
「うるせぇ、けど少し時間が欲しい。腕がだいぶ落ちている」
「わかったわ、じゃあ1週間あれば良いかしら」
「あぁ」
「じゃあ、またここで1週間後会いましょ」
彼女は微笑みながら消えた。
アリシア……どうして……




