白い少女
この世界はいつもどこかで戦いを繰り返している。
一方は光を司るネフィウス神を信じてるユリウス教。
もう一方は闇を司るガネル神を信じてるソール教。
お互いが信じている神の統一のため宗教戦争が勃発してる。
そしてユリウス教は白魔法、ソール教は黒魔法を使うことができる。
魔法にも種類がある。
一つは神の加護を自らの力に加える。
もう一つは神の加護を直接相手に与える。
これのどちらかの力を使い戦う。
「なん…………前…………るんだ!」
「そ……私が…………ん者だからよ」
あの日から俺の時は止まっていた。
「う……、そん……ずが……………」
「残…………ど、あ…………んだよね」
「そ……」
「…ゃあ、死…………ない?」
俺の目の前であの人がいなくなってから。
アリシア……
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青い空、白い雲。
大きな鳥、明るい太陽。
草原に寝ている俺の視界にはそれぐらいしか無かった。
この殺伐とした風景。毎日飽きずに見続けている。
手を挙げてみる。
俺の手が空を狭くさせ、雲が欠けて見える。
鳥が姿を消し、太陽の光が遮られている。
「邪魔だ」
俺は起き上がり回りを見渡す。
荒れ果てた町。
からになった家
消えた住民。
一人きり。
「結局俺は邪魔か」
いつからか、この町には人がいなくなった。
神のための戦いとかいう愚かな戦いのせいだ。
かつて俺も戦いに出た。
幾人もの人を傷つけ、殺した。
俺はそれを気にしなかった。
むしろ快楽と思っていた。
悪魔と化していた。
しかし、悲しみの感情を持ってしまった。
無くなるべき感情、悲しみ。
そんな感情に俺は掻き立てられた。
気持ち悪かった。恐ろしかった。
今でも身震いする。
「ウォォォオオオン」
どこかで獣の叫ぶ声が聞こえた。
これはオオカミか、いやレクスだ。
しかも誰かが追われている。
これは厄介だ。
声が聞こえた方に走ってみる。
森に入りレクスの姿を探す。
草木が生い茂り、視界が悪い。
仕方ない、使うか。
右手を胸に当て、詠唱を唱える。
「セロスト」
魔法陣が広がり、辺りのものが鮮明に見えるようになった。
少し奥の方にレクスらしき影を見つけた。
「よし、いた」
駆け足で奥に入って行く。
ようやくレクスの姿が見えた。
3匹のレクス。その先には俺と同じぐらいの年の女子がいた。
「グルルゥ」
レクスが威嚇している。
そして飛びかかった。
「危ない!」
とっさに叫んだ。
このままじゃ……
「しょうがないね」
彼女は左手を右手に添え、そして右手を出した。
「ファエル」
彼女の前に巨大な盾ができ、レクス達はそれにはじかれた。
驚いたレクス達はその場を逃げた。
ファエル。
確か白魔法の初級魔術。
自らを守る盾を目の前に作るのだが、あそこまででかくならない。
そうすると、ただの魔術師ではなさそうだ。
彼女は……とにかく白かった。
着てるものから髪の毛まで、全てが全て白かった。
そしてその白さに調和するかのように黒い瞳があった。
どこまでも深い瞳だった。
すると彼女は僕に気づいた。
彼女は上着のポケットから写真を取り、重ね合わせながら見た。
「見つけた」
彼女はそう言った。
「は?」
「来てくれない?リウネ・セラリエス」
「何故俺の名前を!?」
彼女は笑いながら
「あなたを捜してたの」
と言った。




