希望と絶望
俺はアオハルなんてものとは無縁の世界で行きていた。
クラスでは女子とあまり話すこともなく、17年生きていて彼女いない歴=年齢、クラスの可愛い女子を眺め、家でオナニーに明け暮れる毎日だ。
やりたい事はあるけれど才能もお金も無い。
同い年でテレビにでている歌手、ダンサー、何万人ものフォロワーを持つインフルエンサー、キラキラ女子高生、目にするたびに嫉妬する。
50歳になってSNSに自撮りを投稿しているオッサン、目にするたびに軽蔑する。
ただ俺にこの先待ち構える未来キラキラ女子高生ではなく、醜いオッサンになって人生を終えるのだ。
たった一個の染色体の種類の違いがその後の人生を二分する、違いは対してないと言う人もいる。
だけどそうだろうか、俺のこの毛むくじゃらな脚と彼女たちの白い足が同じだろうか
汚く髭が伸びる顎とあの顎が同じだろうか
ガラガラな声と美しく響く声が同じだろうか
確かに俺にはわからない痛いことや苦しいことがあるのだろう、ただ、この俺の楽しくも苦しくもない毎日とどっちが幸せだろう。
俺だってSNSに自撮りをあげていいねを押されてみたい、音楽に合わせて踊って世界中の人に褒められたい、かわいい服で原宿にだってディズニーにだって行ってみたい。
別に今でも禁止されているわけではないけれど、やってみたところで誰も反応しない、虚しくなる、自己嫌悪は深まるばかりだ。
別に性同一性障害とかではないけれど、僕は女子になってみたいのだ。