第6話 夢の神オネイロス
どもどもーー題名は(仮)でまだ安定していませんが、いい感じの題名思いついたらまたつけかえますーおそらく加筆修正も待たされます。
ちょっと疲れたので妥協して6話はこれになりました。
特に後半部分は加筆される可能性大です。
小さな男の子は何も無かった場所に、雲のようなとてもふわふわな椅子を作り出した。そしてその椅子に腰掛け深いため息を吐きながら両脚を組んでこちらを見下すようにみながら、可愛らしい外見に似合わない偉そうな口調に可愛らしい声で言った。
「おい人間、、、おい、、、おい! 何ずっとくたばって気絶してだよ、死にてーのか? …………ちっ、反応無しかよガキが、しゃーねやるしかねーな」
するとオネイロスは、また深くため息をつく。
そして深いため息と共に、紫色に輝く瞳をゆっくりと閉じた。
そのまま数十秒程静寂に包まれ、次の瞬間突然ビクッと幼馴染の体が激しく仰け反り、呼吸を荒げた。
「アッ……ンッァ! アァァン‼︎」
今まで俺が聞いたことが無いようなとても熱のこもった声で、幼馴染は激しく体をビクつかせ甘い吐息を吐き出している。更に最後には腰を高くあげさらに激しくビクつき、呼吸を荒げながらバタッと床に腰を落とした。
幼馴染の口からはだらしのないヨダレがたれ、目からは涙が溢れ、余韻が残っているのか体が時々ビクッと震え、徐々に目覚めた。
「あれ、私まさか……!」
幼馴染は頬をピンク色に染め、何故か俺の事を睨んできた。
「なっ、なんだよ! 俺は別に何もしてねーぞ?
まぁーたまにあるよな、そういう夢を見る事も!
誰だって見るさ、それにエレナが気持ちよさそうによがってたの何て俺は一切見てないから安心しろよ」
「絶対みてるじゃんか!いつか必ず太陽のちょん切ってやる……
そんな事よりもあんた何者よ?ガキのくせして偉そうに!
しかも夢の中だけじゃ飽き足らず、現実世界にも現れやがって! まさか、また変な夢見させるつもりなの?」
彼女は目の前に座っているコバルト.ヴァイオレットの髪色をした男の子は、何やら満足げにニヤニヤと幼馴染の事を見ている。
「別にそんなつもりなんてねぇーよ……ただ、俺様はぶっ!ふっ……あはっは! す、すまねまさか嬢ちゃんの趣味があんなもんだったとは思わなかったらつい……
と、まぁーそんな事はどうでもいいんだが、もう時間がねーんだ俺の手を掴め」
幼馴染はオネイロスの事を、ジトッとした目で見ながら言った。
「あんた……ガキのくせして偉そうね?」
「 当たり前だ、俺は夢と眠りの神オネイロスだ、神なんだから偉そうではなく、偉いんだよお嬢ちゃん
それと俺はガキじゃねーよ」
そしてエレナは鼻で笑い、落ち着きながらその男の子の手を握った。
すると俺と全く同じように体が光り始め、彼女の右目の下に小さなハートが刻まれ、右耳にはダイヤのピアスに、クローバーのピアスに、スペードのピアスが出現した。
だが俺の時とは違う部分が一つある。神オネイロスの顔や体には何も刻まれておらず、少し不思議に感じていたのだった。
そしてそれを言おうとした瞬間、心の中で彼女が慌てて止めてきた。
「言っちゃダメだよそれは……本来人間が神を選ぶことなんて出来ないんだから、もしそんなこと知れたら、神々達は間違いなく僕と太陽の事を全力で消しに来るよ。
まぁー僕と君は特異だから、選び選ばれたんだよ」
「なんだよそれ……まぁー今は深く考えなくていいか
って、そんなことよりも早くあの天使をなんとかしねーとまずいんじゃねーのか?」
するとオネイロスが高笑いしながら言った。
「あの天使を何とかするかってか? バカ言っちゃいけねーぞ兄ちゃん?七大天使であるガブリエルに勝てると思ってるのか?」
「勝つしかねーだろうが……強さなんて全く知らねーけど、この歌が続く限り世界の滅亡は続くんだぞ!」
「兄ちゃんがそうしたいならそうすればいい、だが俺は一切助けねーからな、俺の成すべきことはただ一つだ、ここにいる嬢ちゃんを守る事だけだ」
するとエレナは狂ったように笑いながら言う。
「うへ、あはは、あはははは! オネイロス、あんた今私を守るって言ったわよね? だったらついて来なさいよ? 私は逃げるのは嫌いよ、逃げていたらこの先もずっと逃げ続けるだけだもの、そしたら一体何が変わるって言うの? ただ滅亡するこの世界と一緒に、何もせずに一緒に滅びるのはゴメンよ」
「はぁ?何言ってんだ?嬢ちゃん
無理に決まってんだろが、まだ選ばれたばかりで俺の神能の使い方も知らねーくせに、それに今の嬢ちゃんじゃ神装は絶対に発動出来ない、神魔が体に満たされねーからな」
エレナは聞いたことのない言葉を聞き、頭の上に大量のハテナを作っていた。
「な、何よそのファンファーレとかデュアルとかデュオって? 言葉を並べられただけじゃ分からないわ」
「ちゃんと今から教えてやるよ、神能ってのは神に選ばれた人間に与えられる能力で、基本的には神の特徴がそのまま能力に反映される。
そして神装はファンファーレを上手く使いこなす為に、神が姿を変えた形だな、まぁー基本的には武器になっちまうがな。
そしてデュアルを発動するには神魔……まぁーいわゆるエネルギーが必要になる、ここまでオーケイか?」
「おっ、おーけいよ」
「そして嬢ちゃんの体にはさっき言った通り神魔が満たされていない。
神能が仮に使いこなせたとしても、神装が発動できなければ七代天使に挑むのは只の自殺行為だ、だから嬢ちゃん今回は諦めるほかねーんだよ、わかったか? わかったよな?」
オネイロスが何やら勝ち誇った顔で彼女にそう言ったが、それでもエレナの意思はまがらなかった、曲げる事が出来なかった。
「なにをいってるの?それでも私は逃げないわ、両親が殺されたのに黙って守られるだけなんて絶対に嫌よ。
その……ファンファーレ?とやらは使えるんでしょ?
だったら、力があるんだったら私は戦うわ、それに太陽がいるから大丈夫よ」
「はぁ〜……まじでいってんのかよ嬢ちゃん、死に急ぐ系か、何言っても気持ちは変わんねーか?」
すると彼女は自信ありげな顔で、にっこりと笑って言った。
「ええ、変わらないわよ! 」
そしてオネイロスは、とても困ったような顔をしながら俺に言う。
「おい兄ちゃん、この子を何とか説得してくれねーか! 頼む、お願いだ……このまま兄ちゃんについてけば確実にこの嬢ちゃんは死ぬぞ、そしたら俺様まで」
「俺にそう言われてもな……エレナは一度言ったら絶対に曲げない頑固者だから、諦めるしかないと思うぞ?」
「本当か?」
「マジだ」
するとオネイロスはコバルト.ヴァイオレットの髪をかきあげ、その場に座り込んでいる。
とても絶望した表情で、今から自殺しに行くような顔をしていたので、俺は満面の笑みのまま親指をグッと突き立てながら言った。
「ドンマイ!」
「はぁー……わかったよ、とりあえず神能の使い方を教えてやるからこっちに来い」
オネイロスはそう言うと、エレナの右目下に刻まれたハートの形をした神の刻印に触れながら、唱え始めた。
「我は夢と眠りの神、夢は夢限であり夢幻に代わり夢現となる、眠りは幸福と絶望を運ぶ夢幻の道標、夢から目覚めし者に夢現を与え給え」
オネイロスが唱えるとエレナの神の刻印が紫色の輝きを放ち、そのまま彼女の意識は飛んだのだった。
そしてオネイロスは、そんな彼女の事を小さな体で優しく受け止め、床にそっと寝かした。
「オネイロス、これがさっき言ってた神能ってやつか?
エレナが寝ただけに見えるんだけど、大丈夫か?」
「まぁー見てろよ兄ちゃん、これからこの部屋は夢の世界に変わり、その夢は現実となる。
まぁーこの嬢ちゃんの持っている力以上の事は絶対に起こせねーがな
さぁー目を覚ましな嬢ちゃん」
エレナはオネイロスの声と共に神々しい輝きを放ち、背中からは光の翼が生えていた。
「な、何よこれ! 私の背中になんか生えてるんですけど? こんなへんてこりんな力が神能の力だって言うのかしら?」
「へんてこりんとか馬鹿にしてんじゃねーぞ?
もし仮に今そう思うなら、嬢ちゃんの実力は今はその程度だって事だ、俺様の神能である夢物語の力はこんなもんじゃねーからな?それに嬢ちゃんに与えられた神能は1つだけじゃねーぞ」
エレナはワクワクした表情でオネイロスに質問した。
「あら嬉しいわ、あといくつあるの?1つ?2つ?」
「あと……1個しかねーよ!
基本的に神能は1人1つまでだ。
まぁー稀にだが神の性質が変化して神能自体が変化したり、追加される事はあるがな」
「ふーん……で、もう1つの能力ってどんなものなの?」
「それははまだ教えられねーな! せめて夢物語を使いこなせるようにならねーと無理だな。
まぁー奥の手って事だ、だからまだ教えねーよ死に急ぎな嬢ちゃんにはな」
するとエレナはプクッと頬を膨らませ、地べたで足と手を子供が駄々をこねるように振りまくり、暴れまくっている。
「私を選んだ癖に信用出来ないって言うのかしら!
そうなの?そうなのよね!」
「ちげーよ、俺の目に狂いわねーがまだその力は嬢ちゃんにはまだ早過ぎるんだよ! あぶねーんだよ!
俺の命はもう嬢ちゃんのもんだ、好きに使ってくれて構わねーが、ちゃんと考えてから使えって言ってんだよ! このバカが!」
「あっ今バカって言ったわね! バカって言った方がバカなのよ? そんな事も知らないなんてあなたこそバカね、ぷぷぷ!」
「嬢ちゃんも言ってんじゃねーかよ!」
とてもどうでもいい会話を繰り返す二人に、俺は大声で叫んで言ってやった。
「お前ら……いい加減にしろぉぉぉお!」
俺が突然に叫んだせいで、エレナの体は反射的に驚き、ビクッと反応していた。
そして聖衣球の状態の月もため息混じりに言った。
「はぁー喧嘩なんてしてる場合じゃない事ぐらいわかってるよね? これ以上無駄口を叩くんだったら置いて行っちゃうよ?」
「それは絶対に嫌よ! 私も連れてってよ……」
「でもどうせまた喧嘩するでしょ?」
「絶対にしないから!」
するとオネイロスは何の得にもならないというのに、エレナの為に頭を下げてお願いした。
「俺からもお願いだ、もう喧嘩はしねーから嬢ちゃんを一緒に連れてってくれねーか?
正直なところは反対だが、俺はこの嬢ちゃんの進みたい道に連れってってやりてー……だけど今の嬢ちゃんにはそんな力はまだないんだ、後1時間あれば神魔が溜まって戦力にもなる、一緒に連れてってやってくんねーか?」
必死にお願いするオネイロスの事を見ながら太陽は、彼に手を差し伸べた。
「いいぜ、連れっててやるよ! まぁー俺たちも契約結んだばかりで正直何もわかってねーしな」
「契約を結んだばかりなのに……何でお前たちは……いや、そうか、そういう事なんだな、納得したぜ」
オネイロスは月の事を見ながら、ニヤニヤとしていた。
「何さ? 僕がずっと前から彼の事を守っているのがそんなにおかしいのかい?」
「おかしくわねーよ……ただ珍しいなって思っただけだ」
「まぁーそんなことはどうでもいいよ、そろそろ時間がなくなって来たし、早くあの天使をこらしめに行かなきゃ」
そして月は聖衣球をさらに大きく広げ、全員を運べるサイズまで大きくし、そのまま空高く舞い上がった。
「さぁー行くよ、僕と太陽の力で世界を救いに!」
俺は血の雨により滅ぼされていく街並みを眺めながら、心の中で悲しみ、上空でただひたすらに第1の破滅の歌を美しい声で歌う七大天使ガブリエルの事を見上げ、睨みつけ怒りと苛立ちに満ちた声で言った。
「絶対に止めてやる、お前が世界を滅ぼすってんなら俺たちで絶対に救ってやる」
そしてそのまま高速で空高く舞い上がると、俺たちの目には、更に崩壊した町がうつっていたのだった。
いやぁー加筆修正つらぴょんw
ためがきはよくないな!
てか早くブクマ50件いきたいんで、少しでも気になればブクマしてください!
さしたら絵が描けるw はやくキャライラスト描きたい。