第5話 神々の奇跡
あともう少しでバトルシーンがやって参ります。
勿論神様なので圧倒的な強さに……
神様系だとしょうがないやんな?
まー弱い奴も出してくけども。
すると彼女は、心の中で優しげな声で話しかけてきた。
「救いたいの? 彼女の事を……」
「当たり前だろ、俺の幼馴染なんだぞ……昨日一緒にゲームもしてた……昨日までは生きていたんだ」
俺がそう言うと彼女は地上までゆっくりと降りていき、朽ちてボロボロに変わり果てた幼馴染の家の中へと向かった。
家の中に入ると鼻を塞ぎたくなるような悪臭が、血肉が腐ったなんとも言えないえぐい匂いが漂っており、一瞬口を手に被せ吐きそうになったが、オエオエと喉を鳴らしながら耐えている。
そしてその腐った血肉の正体を見た俺はたまらず床に手をつき、夜ご飯に食べた物を床にぶちまけた。
「ヴォォォオエェェエエェ……ウゥォエッ!」
全てを床にぶちまけてから俺は、ゆっくりと立ち上がり目の前を再確認した。そしてその瞳に映っていたのは紛れもなく 2人の死体である。血の雨に濡れた顔面はゲル状に溶け、エレナなのか、父なのか母なのかがわからない、服なども全て溶けていたおかげで片一方がエレナの父である事が、男らしくたくましい胸板からよみとれた。そしてもう一方の死体は大きなふくらみのある胸が露出されていたが、それがエレナの物なのか、母の物なのかは判別がつかない……筈なのだが、俺はその巨乳を見て一度揉みしだいてから判断した。
「……これは、エレナの柔らかさじゃないな」
そんな事をしていると、冷たい目をしながら見ているであろう月が、怒りに震えた声で言った。
「おい、太陽?僕という最高の美少女がいるにもかかわらず、他人の乳を……しかも死体の乳を揉むとはどういうことなのかなぁ?」
「そ、そんなに怒るなよ! やましい気持ちで揉んだわけじゃないんだ……エレナの胸なのか確認したかったんだ」
俺はそんな風に言い訳をしたが、心が繋がっているせいで、俺の煩悩は全て彼女に伝わっており、蔑みの心と言葉が伝わってきた。
「へんたい」
そんな彼女の言葉を聞いていないフリをして無視し、家を物色しながらエレナの部屋に向かった。
「生きててくれよ……」
そしてエレナの部屋の前に着くと、扉が壊れていなかった事に少し安心した。壊れていないということは、まだ生きている可能性があるのだから……そのまま俺はドアノブを恐る恐る回すと、嫌な臭いが風に乗ってふわりと臭った。
そのまま彼女の部屋を見渡すと押入れから、ゲルが漏れ出しており、叫ばずにはいられなかった。
「エレナ!エレナ!大丈夫か!」
そう言いながら押入れを開けると、下半身が完全に腐敗し、服もボロボロになっている金髪の幼馴染が苦しそうに呼吸している。
「はぁ……はぁ……うぅぅっ! くるし……」
命の灯火が今にも消えてしまいそうな幼馴染の姿を見て、ただ立って見ていることしか出来ない。なんて言葉をかければいいのかがわからない。
幼馴染の綺麗な金髪は血で汚れ、顔色は蒼白だ……生きているのが本当に不思議である。
そしてそんな弱りに弱り切った彼女は、俺のことを見ながらか細い声で言った、
「太陽、わた、し……もう、ダメっぽいや
…………まだ15年しか、生き、てないのに、やだなぁ」
幼馴染にそう言われても尚、俺はなんて言えばいいのかわからず、その場に立っていることしかできない。死にゆく彼女を、腐っていく彼女を見ている事しか出来ない。
すると聖衣球である、彼女が俺に言った。
「太陽立って見ているだけじゃ何も救えないよ」
「わかってるよ……そんな事俺にだってわかってんだよ、でもどうにもできねーだろ」
すると彼女は、とても澄んだ綺麗な声で言った。
「できるよ、僕を選んで私が選んだ君ならどんな奇跡だって起こせる」
彼女がそう言った次の瞬間、俺の頭の中に多大な情報が流れ込んでくる……見たことも無い神秘的な景色に、6人の誰かが俺の目の前で、何か楽しそうに話しているようだ。
会話の内容は何も聞こえなかったが、その流れ込む記憶の海の中を彷徨っていると、突然にその世界の未来が見え、更には押し寄せ崩壊する世界を全てはねのける光景が目に映った、それはまさに神の奇跡とも呼べる所業である。
いったい誰がそんなことをしたのかはわからないが、俺の目にはそんな景色が永遠と繰り返された。
「まさかこれって俺がやってるのか?」
「そうだよ、これは君の奇跡の力と世界視だ、そしてその使い方はもうわかったよね? 精神世界で君は10日間もその光景を見続けたんだから、まぁーこれでもほんの一部だけどね。
それじゃー太陽出来ないなんていわせないよ?
奇跡を起こそうか!」
そして俺は俺自身が知るはずの無い、記憶の海の中で聞いていた訳の分からない言葉をそっくりそのまま真似る。
「我に力を与えし神の刻印、輝け戦場における奇跡の光、奪いし者から全てを奪え、救いを求める弱き者には奇跡を、全てを奪うものには絶望を、弱気を救う強き者に奇跡を与え給え」
すると俺の神の刻印が赤き輝きを放ち、その光がエレナの事を飲み込んでいく。
すると彼女の腐っていたはずの下半身は徐々に再生を始め、俺は自分で行ったことに対して驚き、本当に自分がやったのかを疑っていると彼女が笑いながら言った。
「やるじゃないか太陽! まさかここまで奇跡の力を使えるとは思わなかったよ、てっきり彼女の足は腐敗から逃れ一命を取り留める程度で終わると思っていたんだけどなぁー、それに彼女も今太陽が救った所為なのかは分からなけど、選ばれたみたいだよ。夢の神であるオネイロスに、まぁー色々びっくりしすぎたせいなのか当の本人は気絶しちゃってるけど」
次の瞬間俺たちの目の前に、突然黒いローブをまとった見知らぬ小さな男の子が現れたのだった。
最後まで見てくれてあざます!
ポチッとブクマと投稿してくれると嬉しいです!
よくないところは感想で!
いいと思ったらレビューをください。
あとブクマ50件いったらイラスト描くので
早くイラスト描かせてくださいw