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死に損なった男の話。

作者: 金木犀

先日僕は自殺に失敗しました。

そんな死に損なった男の話を聞いてください。


僕には幼い頃付き合っていた幼馴染の女の子がいます。

生まれつきの病気持ちで、体が弱い子でした。

付き合い始めたのは中学2年の5月25日、僕からの告白でした。

付き合ったからといってお互いに接し方が変わったりだとかそういったことは無く、お互いに好き勝手言い合うような仲でした。

そんな彼女と一緒に過ごした話を少し聞いてください。


七夕の時の話です。

七夕といえば短冊ですよね、その日僕も彼女と一緒に短冊に願い事を書いて飾りつけました。

僕の書いた内容は「〇〇と結婚して、ずっと幸せに暮らせますように」と書きました。

今思えばとても恥ずかしく目も当てられない内容ですよね。

けど当時の僕は本当に叶うように願っていました。

一方で彼女の方の短冊には「〇〇(僕の名前)が願ってる事が叶いますように」と書かれてました。

その当時は僕も彼女もきっとこの夢が叶うだろうと信じてました。


月日が経って秋頃の話です。

秋といえば食欲の秋だとか運動の秋だとか芸術の秋と様々な秋がありますよね。

とある日の事です、彼女が急に金木犀の下で告白すると叶うっていうジンクスがあるっていう話をしてくれました。気になって二人でそのことについて調べると金木犀には様々な花言葉がありその中に「真実の愛」という花言葉があるのを知りました。

ただそれだけの理由でお互いに金木犀が好きになりました。


また月日が経ちお互いに学年が1つ上がった頃の話です。

彼女が父親の仕事の関係で東北の方に引っ越すことになりました。

彼女からは遠距離で僕に辛い思いをさせたく無いから別れようという風に持ち掛けられました。

僕はその提案を断り、「距離が離れて会えないだけで別れるなら所詮その程度ってことでしょ、そんな程度のことで別れたくない」と伝え、遠距離恋愛をすることにしました。


それからお互いに夏休みなどの長期休暇を利用して何回か会いました。

1年後彼女と会った際に「夢の話覚えてる?」と話しかけられました、当時の僕はなんのことを言ってるのか分からず、彼女に何の話か聞き返しました。

すると「金木犀が咲く頃にまた夢の話をしてあげる」という風に返されました。

まぁ、秋になれば分かるだろうとその当時の僕は特に気にせずにいました。


そしてその答えを聞く前にもう彼女に会うことはできなくなりました。

「3月11日」まだ記憶に新しい方もいるんではないでしょうか、東日本大震災です。

彼女は帰らぬ人となりました。

当時の僕は立ち直ることが中々できず毎日が憂鬱でしかたありませんでした。

事情を知っている友達からは毎日励まされましたが、そう簡単に割り切れるほど僕は強くありませんでした。


それから年月が経ち、僕は就職しました。

地元では割と大きめの企業に入社しました。

仕事内容は下手をすれば命を落とすかもしれないような危険な仕事です。

最初は職場の環境もよく上司とも仲良く仕事をしていました。

それから数年後人事異動があり上司が変わりました。

そこからパワハラの毎日で仕事が嫌になり、辞めてしまいました。


仕事を辞めたのが4月15日、そこから1か月の間貯金を全部使い好き勝手遊びました。

そして1か月と少したった5月25日、僕にとっても彼女にとっても思い出の日です。

その日に自殺しようと決意しました。

確実に死にたかったので、仕事の時に使っていたカフェイン錠でODをした後、森の中で首を吊りました。


目が覚めたのは翌日の昼間でした。

地面に横たわっていました、縄を見ると縄が切れてました。自重で切れるような縄を使っていないつもりだったのでおかしいなとは思いましたが、気持ち悪くてそれ以上考える事ができませんでした。

その日は家に帰って一日中吐いてました。


その日から彼女と過ごした日の夢を見ることが多くなりました。

そして彼女と過ごした七夕の日の夢を見たときに、彼女の言っていた

「夢の話」の意味が分かりました。

七夕の日僕は「〇〇と結婚して幸せに暮らす」事が夢だといいました。

そして金木犀の花言葉を調べたあの日、「真実の愛」という花言葉を知りました。

「結婚=真実の愛」だと彼女が思っていたとすると結婚は僕にとっての夢でした。

つまり彼女は「金木犀の咲く頃に夢(結婚)の話をしよう」と伝えたかったのでは無いのかと思いました。

勿論こんな偶然があるか、本当に彼女はこれを伝えたかったのか色々と悩みました。

けどそれ以外僕には考えられませんでした。


その事に気づいて数日たった今日僕は前を向いて歩こうと思いました。

まだ気持ち悪いし、死にたいし、彼女のことを忘れられない未練タラタラなださい男だけど

死ねなかったのは多分彼女からまだ死ぬなっていうメッセージだと信じて。

少しずつ前を向いて歩いていこうと思います。


最後になりましたがこんな日記みたいな内容の話にお付き合いいただきありがとうございました。

この話はノンフィクションです。 僕が自殺に失敗したのも1週間前ほどです。

文法もめちゃくちゃで読みにくかったでしょう?

けどこのことを誰にでもいいから聞いてほしくて書いて見ました。

ありがとうございました。






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― 新着の感想 ―
[一言] こんにちは。私は高校三年生の女子です。 生きるのが辛くなって色々調べていたら、金木犀さんの小説を見つけました。読み終わった時、私は「小説になろう」の登録をしてなかったのですが、早く何か一言書…
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