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ある日の午後
「ねえ、あめさん
あめさんはどうしてあのじんじゃにすんでるの?」
いとはあめに思っていた事を聞いてみた
「ああ?そうだな、都っていう場所の近くに出てきたら陰陽師に喧嘩吹っ掛けられたんだよ
あいつら妖気で居場所もわかるから面倒だったな
それがずっと続いたもんだから面倒になってあの神社に隠れてるってわけだ」
「そっかあ、でもあめさんがたいじされなくてよかった!」
「・・・俺が早々あんな奴らにやられてたまるか」
「あめさんつよいもんね!」
「まあな」
そんな話をしているとあめが住処にしている神社を思い出した
「わたしまたあのじんじゃいきたいなあ」
「別に来る必要ねえだろ」
「あるよ!かみさまにおれいゆうの!」
「お礼ってなんのだよ」
「あめさんにあわせてくれてありがとうって!」
「・・・そうかよ」
「うん!つれてってよあめさん!」
「めんどくせえな・・・」
そう言いつつあめは歩き出した
「おい、さっさと行くぞ」
「うん!」
いとはあめの後ろについていった
「あそこだ」
言われたほうを見ると鳥居が見えた
いととあめが出会った場所
階段を上るといとは鈴を鳴らして手を合わせた
「何願ってんだ?」
「んとね、ありがとうございますって!
あめさんはしないの?」
「しないも何もここは俺の住処だ」
「そっかあ・・・ねぇあめさん」
「なんだよ」
「これからもずっといっしょにいようね!」
「なんでそーなる・・・」
「私の願い事だよ!」
いとが小指を出す
「なんだ?」
「ゆびきりするの!」
「指切り?それは約束する時にするやつじゃねぇのか?」
「ゆびきりでいいの!」
あめはため息をついた
「願い事でなんで指切りなんだ・・・」
「だめ・・・?」
「はあ・・・しょうがねえ」
渋々あめも小指を出した
「じゃあいくよ!ゆーびきーりげんまん」
そのときちょうど風が吹いてきて鈴が鳴った
リン・・・リン・・・・
「ゆーびきった!
すずなったね!かみさまもよろこんでるのかな?」
「しらねえよ」
「じゃあやまおりよ、あめさんおねがい!」
「しょーがねぇな…ついてこい」
「うん!」
それから山を下りていつもの木のところで二人は別れた