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ひっく・・・ひっく・・・・
「おい、そろそろいいんじゃねえか?
俺の一張羅がおまえの涙と鼻水だらけだ
どうしてくれる」
あめの着物はいとの涙と鼻水でぐっしょり濡れていた
「ごめんなっ、さい」
「そろそろ質問に答えてもらおうか?
なんで来たんだ?」
あめはいとをじっとみた
「だって・・・またあいたかったもん・・・」
「俺は来るなっていったよな?」
「でも会いたかったもん…」
「・・・なんでそんなに会いたいんだ?」
いとは間入れず答えた
「だってあめさんのことすきだもん!」
それを聞いたあめは硬直した
「・・・は?好き?」
「うん!すきだよ!
あめさんやさしいしきれいだから!
それにいまもきてくれた!」
えへへといとは笑った
「・・・優しくなんかねえしきれいでもねえよ
もうこなくていい」
「やだ!あしたもあいにいくもん!」
「だめだっていってもか?」
「いくったらいくー!!」
「こんなに怖い目にあったのに?」
「いくもん!」
この調子だといとは今日みたいに何を言っても来るだろう
……あめは折れた
「チッ・・・めんどくせえ・・・・昨日別れた場所あるだろ?
あそこが待ち合わせだ」
いとは目を輝かせた
「わかった!!おひるにまってるね!!」
「ああ、しょうがねえからまたあそこまでおくってやるよ」
「うん!」
いとは満面の笑みで歩き出した
「なにがそんなに嬉しいんだか・・・」
「あめさーん!はやくはやく!!」
「あー、はいはい」
言いながら二人で山を下りていくのだった
…………
……
.
いとは歩きながらあめを見上げた
「あめさんきょうはありがとう!」
「大したことはしてねえ」
「あめさんってつよいんだね!」
「・・・・鬼だからな」
「そっかあ!やっぱりおにってつよいんだね!
でも、あめさんわたしがあそこにいるってわかったの?
どーして??」
「鬼は人間より五感が鋭いからな」
「ごかん???ごかんってなーに??」
いとは首を傾げた
「・・・目の見え方とか耳の聞こえ方とかが人間より鋭いんだよ
ったくめんどくせえ」
「ふーん・・・なんかすごいんだね!!」
「わかってねえな・・・・」
あめはため息をついた
しばらく歩いているといとは何かみつけたらしく先のほうに走った
「あめさんあめさん!」
「なんだ?」
「これおいしいんだよ!」
いとが指さした場所にあったのは野イチゴだった
いとはそれを取るとあめに渡した
「これあげる!」
「食えってか」
横でいとは自分の分を取って食べ始めた
あめも口に放り込んだ
「甘ずっぺえ」
「おいしいでしょ?」
いとがあめを見つめた
「・・・・わるくはねえな」
そういうといとが嬉しそうに笑った
「何が嬉しいんだか……
おい、いくぞ」
「うん!」
あめの後ろに歩いていると川の流れる音が聞こる
横を見ると少し離れた場所に川があるのが見えた
「あっ!あめさんあそこ!」
いとが指をさす
「あそぼっ!」
いとがキラキラした目でいった
「だめだ
さっさと降りるぞ」
「えー!」
いとは渋々あめについていった
川があった場所からしばらく歩くと大樹のところにたどり着いた
日は大分傾いている
「あめさん、あしたわすれちゃだめだよ?」
心配そうにあめをみた
「大丈夫だっつーの
暗くなる前にさっさと帰れ」
「うん、また明日ねあめさん!」
「ああ」