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次の日も変わらず晴れていた
いとは昼また山に走っていった
「きのうはたしかこっちのほうからきたきがする!」
昨日あめと別れた木のところでいとは記憶をたぐっていた
どんどん記憶に沿って歩いて行ってみる
「えっと、こっちだったかな?」
あめは神社の境内で寝転がっていた
ふと、あめはばっと起き上がった
「あいつ・・・・・」
一言いうといらだちを隠さずにそのまま外に出ていった
手探りで歩く
歩く
歩く
どれくらい歩いただろう
いとの前方に何か見えた
「あれ・・・は・・・・」
大きな塊
よくみるとそれは熊だった
「あ・・・」
見つからないように来た道を戻る
熊に気を取られていたいとは石につまずいた
ドン・・・
「いたっ」
熊がこっちを見た
「あ」
動けない
熊はなおもこちらを見ている
そしてついに近寄ってきた
結局いとは動けなかった
反射的に手で顔を覆って目をつむった
「あ、あ、あ」
どうすることもできない
もうしんじゃうのかな?そう思ったとき
ドーン!
音が響いた
「嫌な予感があたったぜ・・・」
近くであめの声がした
「え・・・・?」
手をどけて目を開けた
「・・・あめさん?」
あめの姿がそこにあった
不機嫌そうにこっちを見ている
「おい、何できた?」
あめはいらだったようにいった
「え、くまは?」
「そこだ」
指をさされた先には熊が倒れていた
「あめさんがやったの?」
「ああ、それより・・・」
あめが言い終わるより前にいとはいきなり泣き始めた
「うわああああああああん」
泣きながらあめに抱き着く
「は、ちょ、なにしてんだよ」
「ご、ごわかった、よ」
「はぁ・・・」
あめは途方にくれた
しょうがないのでしばらくそうしていた