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鬼と少女の話  作者: ちる
1/10

1 7才


畑仕事がおわるといとは叔母さんにみんなで遊んでくるといって外に出た

外はすごく天気がいい


「いいてんき!

 かよちゃんたちもみんなさそおう!」


いとはみんなを誘いに家に走った


「あーそーぼ!」

「うん!あそぼ!」

「なにしよっか?」

「山で遊ばない?」

「いいね!いこー!」


みんなで山に向かった

山のふもとの開けた場所に出てきた

いつもの遊びスポットだ


「ねえ、きょうはなにするー?」

「おにごっこしない??」

「いいねー!やろうよ!」

「やろうやろう!」


こうして総勢八人のかくれんぼが始まった

いそいそとみんなで輪を作ってじゃんけんをする


『じゃーんけーんぽん!』


「かよちゃんがおにだ!

 みんなにげろー!」


「えー!」

いいつつかよちゃんは木に顔を伏せて数えだす

それを見てみんな一斉に走り出した

いとも一緒になって必死に走った


遠くでかよちゃんの10!といった声が聞こえた

いとの頭には逃げることしかなかった

それからどれだけ走っただろう


「あれ?」


気が付いた時には見知らぬ場所にいた

走っているうちに奥のほうまで来てしまったらしい

他の友達がいない

ここがどこだかわからない


「どうしよう・・・

 こっちかな・・・」


泣きそうになるのをこらえて歩き始めた

その時


リン・・・


鈴が鳴ったような音が聞こえた

「すずのおと・・・?

 どこから?」


リン・・・・


またなった

右のほうから聞こえる

いとは恐る恐るおとがする方に歩き出した


リン・・


「さっきよりおとがおっきい・・・」


どうやらこの方角で合っているらしい

しばらく歩いていると草だらけの階段があった


「かいだん・・・・

 おとはこのうえからだ・・・」


上を見上げた


リン


また音がした

そこには寂れた神社がぽつんと立っていた


「じんじゃ?・・・ここからきこえる」


足を進めた

階段を上り始めるともう鈴の音は聞こえなかった

それでもいとは階段を上った

一番上についた


「このすず・・・」


参拝するところに大きい鈴がついていた

他は何もない

いとはとりあえず神社を一周することにした

神社の裏に回った時だった

神社の裏にあった階段のところになにか黒い大きなものがあった


「・・・?」


そこから動かずに目を凝らす

よく見ると黒いのは着物だった

顔は下を向いていてよく見えない


「まっくろなひとだ・・・!」


いとは人に会えたうれしさのあまりそのまま近寄こうとした


ビュウ・・・


突然風が吹いてその人の髪の毛がさらさら流れる

そこから角が二本見えた


「角?」


人ではないかもしれない

しかしそれ以上に興味を持ってそのまま近づいた


「どうしよう・・・」


考えた末いとはこの人を起こすことにした


「おきておにいさん」


声をかけるとその人はばっと顔を上げた

開かれた目は見たことがない赤色だった


「きれいなめ・・・」

その人はしばし固まってから言った

「・・・だれだ?」


その人は警戒しているようだった


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