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祝福回路はdeathデスデース。  作者: 七並弱志
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1-5.またもや地底で発進デース。

・・・マズイ。


ここは例の真っ暗闇だ。


でも、幸いなことに体はどこも痛くない。

もふもふが直してくれたのかな?ありがとうだよ。

だけど相変わらず何も見えないデース。


 ん?というか今回は見えないわけじゃないな。しばらくするとぼんやりと視力が戻り、周りの様子がわかってきた。ここはどこなんだろう?


 壁はごつごつとした岩肌でところどころにコケのようなものが生えており、奥の方にはさらに暗いスペースがある。そこから冷気が足元になだれ込んでくるようだ。

でもね。これは明らかにオレが家族とともに生活していたあの懐かしい街じゃないのは確実だ。


「ちくしょーーー。元の場所にリプレーイス!とか言ってたくせに全然でたらめじゃないかーーーー」


 大声をだすと周りの石の壁で残響がわんわんとこだまする。最初にあった死への恐怖からの解放という安堵も手伝って急に腹が立ってきた。

八つ当たりで地面を蹴ってみるがパサリと乾いた音がするだけでなにも起こらない。


 少し手を伸ばした所にもふもふがザッパと呼んでいたやつが据えたのだろう、怪しげな機械類が並んで座っている。

しかしながら、これは触った瞬間に未知のテクノロジーでオレを拘束する可能性があるのでいささか慎重に為らざるを得ないだろう。


 ふと上を見上げると以前には気づかなかったが小さな光が点のように見える。

なるほど。ここはどうやらかなり深い穴の底らしい。こんな高さを落ちてきてよく死ななかったものだ。

・・いや、死にかけてたんだっけ。

とにかく助けを呼ばないと脱出は不可能のようだが呼ぶ方法がない。


 その時、突然頭の中で機械のような声が勝手にしゃべりだした。


<肉体への精神の固定が完了しました。不足している時間的記憶領域に行動記録をマージします>


「え?え?」


 驚いているオレを完全に無視して目の前に赤い棒グラフみたいなのが現れて緑に変わっていく。さっきもふもふが言ってたやつだ。

周りを取り囲むようにモニター画面が空中に音もなく現れ、まるでシステムアップデートの画面のように意味不明の文字と棒グラフのようなバーが流れるような速さで表示されていく。


 今回、オレはランダムに選ばれたとか言ってたけどこんな大げさな表示が出たら本人におかしいって気づかれると思うんだけどな。それともあいつらと接触したことは大っぴらになってもいい事なんだろうか?

案外これが全部終わると元の場所に未知のテクノロジーで転送されてオレの記憶もあいつらの事だけ忘れていつもの日常に戻るのかもな。

その為にも誰にも邪魔されないこういう地下に連れてこられたという事なのかもしれないと勝手に結論付ける。


 猛烈な速さで表示される数字と文字の羅列をぼんやり見ていると突然それが停止して一行の文章が表示された。

続いてその下にカーソルが点滅している状況になった。・・入力待ちかな??見た事も無い文字で何と書いてあるか全く想像がつかない。


・・・だけど、、、たぶんだけど、これは、Y/Nというどちらかを選べと言う表示なんだろうか?

んー、どうして最後までオートにしといてくれないのかな?どちらか選ぶとか完全にダメなやつだ。


 空中で交互に点滅を繰り返す青いボタンと赤いボタンを見ていると小さい頃、父とお風呂に入ってた時の事を思い出した。

父さん、なんかいつもでかい声で歌を歌ってくれたなぁ。最後に顔見てからもう随分経つ気がするけどまた会えるのかな、、?

考えだすとどうしようもなく家に帰りたい気持ちでいっぱいになる。


 寂しさとか不安とかいろいろ入り乱れた感情でいつの間にか涙で詰まりかけた鼻をぐすぐすとすすりながら、もういい加減なんでもいいやと自暴自棄になったオレは、少し涙でにじんだ青いボタンの上に手を翳し、父さんが歌ってくれた歌を口ずさみながら叩きつけるように押し込む。

「知ってる、かーい?!!」

今回のネタがわかる人はお父さんと同世代と思われます。デス。

ぽちっとなでも良かったデスけど。


次の更新は2日後の予定、、、デス。


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