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7話:採掘、鍛冶スキル習得

金曜日の後編です。

-金曜日 続き-


投擲、短剣スキルを習得し、現実世界リアルの小休憩を挟んだ雑巾。



現実世界の24時を過ぎたが、まだ眠くないので、少しだけ夜更かししてみようと思う。

投擲用の石ころが余っているので、金銭考率を視野に入れた狩りに出かけることにした。


一応[銅短剣]を新調し装備しているが、今は投擲を主武器とするので、人の少ないと思われる東門から出て街道から離れた場所の様子を見ることにする。


東門から出て南へ向かってみる。すぐに森林が見えるが、森の中へ続く道のようなものはなかったので、森へ入らずに草原を南下していく。


草原兎はよく見かけるが、今回は別の敵を探す。

5分程歩いたところで、遠目に草原兎ではない何かが単独でいるのを発見する。


焦らず近付いていくと、向こう側もこちらに気付いたらしい。ということは襲ってくる可能性があるので、石ころを革袋から取り、いつでも攻撃出来る状態で更に近付いていく。


10m位の距離になり、相手が草原狼とわかったところで、狼がこちらへ向かって猛然と走ってきた。こちらへ真っ直ぐ走ってくるので、投擲の到達する誤差を計算し、少し手前を狙って石ころを投げる。

石ころを投げられた事に気付かなかったのか、狼の顔面に石ころが直撃した。狼の動きが止まったので、すぐさまもう1発投げる。これも綺麗に当たり、狼がよろけ横に倒れながら離散エフェクトの後消えた。

目の前にウィンドウが現れ、[狼の革]x1と表示されていた。


「ドロップアイテムは自動で回収されるのか、これは便利な・・・ぐはっ!な、なんだ!!」


解体や拾う動作をしなくて良い仕様は助かるなと、ウィンドウを見ながら考えていると、突然背中に衝撃を受けた。

少し前のめりになりつつ後ろを振り向くと、草原狼が襲い掛かってきていた。1匹の戦闘に集中しすぎて、周りが全く見えていなかった。


接近されてしまっていたので、左の腰に下げていた短剣を右手で引き抜き、狼の噛み付きを払って回避しようと腕を振ったら、偶然狼の口元を斬る形となった。


狼が怯み、バックステップして距離を少し取ったので、短剣を左手に持ち替え、右手は革袋から石ころを取り出す。短剣を突き出して自分の身体を左前にし、石ころを持った右腕は狼から見えない状態だ。


狼が様子を見ながらゆっくり横に動きだしたので、サイドスローで石ころを投げつける。回避が遅れたのか回避できなかったのかはわからないが、狼の身体に石ころが当たり、横に倒れ離散エフェクトとなった。

こちらを倒した時は、アイテムドロップはなかったようである。慌てて周りを確認するが、周囲に目視できる敵はいなかった。


「ふぅ。危ない危ない。」


かなり焦っていたこともあり、つい独り言を口にしてしまう。


1人称視点の辛い所は、ちゃんと自分の目で確認しないといけないところだと、改めて認識し、前後左右に気を配るように心がける。


先程受けた背後からの不意打ちで、HPの2割のダメージだったので脅威ではないと思うが、数匹同時なら危ないかもしれない。

減ったHPは回復アイテムの傷薬を使うのは勿体ないので、自然回復といって戦闘していなければ徐々に回復していく、止まったり座ったりすると回復スピードが上がるという仕様に任せて、更に南下してみる。


群れている草原狼は見つからず、単独だけだったので、周りの状況確認を意識しつつ投擲2発で沈めていく。10回に1回くらい正しい投げ方をミスしてしまうが、今のところ問題ない。


草原狼を全部で10匹狩ったところで、街へ引き上げることにした。戻る途中に草原狼を見かけたが、少し遠かった事もあって戦闘しなかった。


何事もなく無事デミアの街へと辿り着く。草原狼10匹分の戦果は、[狼の革]x3と[狼の牙]x1であった。NPCの道具屋商人に売値を確認してみる。


「こんにちは。アイテムを売りたいのですが?」


声をかけると、ウィンドウが現れ、アイテムバッグの中身の一覧に売値の単価と思われる金額と、売るものを入れる欄があった。

売値の単価は[狼の革]は5gem、[狼の牙]は10gemとなっていた。狼10匹で25gemという稼ぎに先行き不安になりつつも、売るもの欄へ入れてOKボタンに触れる。


ここで収支をざっくりと計算してみた。投擲用の石ころが20個で20gem、草原狼10匹で25gem前後。もっと強い敵と狩りする事を考えると、採算が取れなくなる気がする。


投擲を自力調達、すなわち素材から集め生産してみたらコストパフォーマンスはどれくらいになるだろうという疑問が脳裏によぎったが、投擲生産の情報は無いだろうと思われる。

気になり出すと試してみたくなってしまう俺である。後付けの言い訳っぽいが、近いうちに石ころより攻撃力の高い投擲も必要になることが予想できることも含め、一先ず生産を試してみることにした。


木工ギルド近辺に、各ギルドが集まっていることがわかっていたので、その辺から鍛冶ギルドを探し、ギルドマスターに声をかけてみる。


「こんにちは。採掘と鍛冶を覚えたいのですが、こちらでよろ・・・」


言い終える前に、ウィンドウが現れた。

習得可能なスキル一覧が表示されるようであったが、採掘と鍛冶のみの表示だった。

特に費用等はないようなので、両方選択しOKボタンに触れると、採掘スキル習得の確認ウィンドウが現れた。OKに触れると、鍛冶スキル習得の確認ウィンドウが現れ、こちらもOKに触れる。

スキル習得時には、一つずつ聞かれるらしい。戦闘中に習得条件満たすと邪魔になりそうだなと、よくわからないことが頭をよぎったが、ギルドマスターが喋り出したのでそちらへ意識を向ける。


「この街の近くには鉱山はない。北門を出て西の方角に採掘可能な岩が所々にある。採掘スキルを習得していれば採掘マークが見えるはずだ。鍛冶をするときはギルドの中の設備を使うとよい。」


鉱山がないのは残念だが、とりあえず道具屋で[採掘道具]10gemと、[鍛冶道具]10gemを購入し、北門へ向かう。


北門を通って街道を北へ少し進むと、西方面は小高い丘がいくつも集まっているような風景となっていた。

ほとんどは草原のようだが、所々土や岩肌のような部分と大きくはない木がぽつぽつと見える。


西の丘へ歩みを進めると、岩のようなものと採掘マークが目に入ったと同時に、その岩の近くに緑色をしたでっかい芋虫が動いていることに吃驚してしまう。

よく見るとモスラーバというモンスター名が表示された。

採掘中に襲われたら面倒だなと考えつつ、周りの状況を見てみると、遠く離れた場所で戦闘しているPTがいくつか見えた。

PTで相手する強さのモンスターだった場合、ソロでの採掘には向いていない場所かもしれない。


ふと、採掘マークのついた岩を見ると、似た物を東門方面でも見かけた事を思い出した。

記憶が確かなら、その岩を見かけた付近には草原兎しかいなかったと思う。

確認も含めて、一度街に戻り東門から始まりの村方面へ向かってみることにする。


始まりの村からデミアの街へ向かう人はまだまだいるようだなと、新規プレイヤーとすれ違いながら東へ歩いていく。


「おっ、あった。やっぱり記憶は正しかった・・・。」


つい口に出してしまったが、2分程歩いたところで、道から少し外れたところに採掘マークのついた岩を発見した。早速採掘してみる。

つるはしを両手で持ち、上から岩へ振り下ろす。もちろん高速再生の速さで。5回程振り下ろすと岩が離散エフェクトで消えつつウィンドウが現れ、[石]x3を入手した。


次の岩を注意深く探しながら更に東へ向かうと、2分程歩いたところと、更に1分程歩いたところに、採掘マークのついた岩を発見する。

採掘後、リポップ間隔の確認も含め、最初の岩付近へ戻ると、同じ場所ではないが目視できる範囲に岩が復活していた。思っていたよりリポップは早いようだ。

運が良かったのか同業者にも合わず、3か所を往復するような形で10回程採掘したところで一度街へ戻ることにした。

[石]x20、[銅鉱石]x10、[鉄鉱石]x1という成果であった。採掘スキルもLv5になった。


鍛冶ギルドへ向かい、鍛冶設備で[石]から[石ころ]を製作してみる。

製作の失敗はなく、[石ころ]が合計で100個出来上がった。さらに[銅鉱石]から[銅のインゴット]が10個出来上がり、鍛冶スキルがLv4になった。


自力調達での石ころ生産なら低コストでいけそうである。但し、同業者がいての採掘だと時間効率的には赤字になるかもしれないが。

石ころだけではなく、銅のインゴット等の副産物も計算にいれると、総合的に赤字にはならないだろう。今日のところは遅くなったのでログアウトすることにする。


雑巾:Lv1→2 プレイ時間:4時間52分 総プレイ時間:0日7時間29分

筋力10→13、体力10→11、知力10、精神力10、

持久力11→13、素早さ10→11、器用さ10→13、運10、道徳10

所持金 300→195gem

投擲(new)Lv1→13、短剣(new)Lv1→3、採掘(new)Lv1→5、鍛冶(new)Lv1→4


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