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29話:公式イベント結果

-日曜日-


今日もいつも通り両親とファミレスのモーニングに行き、帰宅後、両親はショッピング、俺はSSSOとなった。


10時半にSSSOへログインすると、タツヤとステラがログインしており、広場で話しているようだ。


「ぞうさん、おはようございます。丁度よいところに来てくれました。

この前お話していた、欲しい素材のリストを作ってみました。」


俺たちの狩りの参考にするため、ステラへお願いしていたのは憶えているが、早過ぎる気がする。


ステラがこれですとリストの記載されたウィンドウをこちらへ向けて来た。


 フェロウシャスホーンの革

 バルキーフォアヘッドの革

 フライングスライの翼

 マウンテンゴートの革

 マウンテンバードの翼

 クリーピーラーバの糸

 森林大鹿の革

 高原大羊の革

 山岳狼の革


MOB名がついていると思われるが、ほとんど聞いたことのない名前だった。

ステラ曰く、スキル効率が良さそう且つ、作成物の種類も多く需要も高そうな物でリストアップしたそうだ。


タツヤとも相談し、取り敢えず狩りの参考にすると話を決め、その後3人で雑談となった。


「タツヤさんとぞうさんは、ギルドへ入る予定ってありますか?」


「うーん、特に考えた事は無かったけど、ギルドへ入るメリットって大きいのかな?」


「まだ未実装な部分が多いのですけど、ギルドハウスというのが持てるようになるのが一番のメリットって聞いています。

その為にはギルドのレベルを上げないといけないのですけど、ギルド経験値はギルドクエストで稼ぐのがメインらしいです。

ギルドクエストは日、週、月替わりらしく、なるべく早くからコツコツ進めていく方が効率良いそうです。」


「なるほど、そうなると、大手になってからは突出したものがないと入り難いだろうね。色々条件付きそうだし。

元々俺もタツヤも、大手ギルドへ入る事は無いと思うよ。どうしてもギルドが必要なら、2人ギルドかもね。」


「え?そうなのですか?何か問題でも・・・・?」


「まぁ、過去のゲームで色々あったからねぇ。気の合う友人たちで囲う事になるとは思うよ。」


俺もタツヤも過去のゲームでギルドマスターや、それなりの大手ギルドへ所属した経験もある。

しかし、例え小規模でも、揉め事というのは起きてしまう時は起きるものだと経験させられた。

ギルマスやサブマスをしている時に、分裂や解散といった面倒な事になったケースも一回ではない。

操作している人は人間なのだから、考え方やプレイスタイルの違いはどうしてもあるものだし、性格を含めた合う合わないも発生する。

合わないなら抜ければ良いという考え方もあるが、培ってきた物や時間によっては一筋縄ではいかない場合も多い。

もちろん、楽しい時間というのも数多くあったのだが、どうしても悪いイメージの方がインパクトが強く残っている。


このような苦い経験から、俺もタツヤもギルドのような形の他人とどっぷり浸かるような交流を避ける傾向があった。

お互い時間もあまり合わないので、ソロ主体でタイミングの良い時に一緒に遊ぶという程度で十分楽しめるゲームを探していたが、SSSOは今の所どんぴしゃなゲーム仕様だと思う。


「友人っていうのはリアルのですか?」


「リアルのみという訳ではないかな。RPロールプレイしている人もいるとは思うけど、ここだと気が合うかどうかは、なんとなくわかりそうだしね。」


「(・・・よかった。)」


「リアル面識なくても、良い人は沢山いる。」


「そうだよね。リアルは余り関係なくて、ここで一緒に楽しく気持ちよく遊べるなら、それで良いと思う。

雰囲気ぶち壊す人もいるかもだけど、そういう人に出会わなければ良いなとは思うね。」


雑談をしているうちに11時が過ぎ、ステラが職人仲間にイベント報酬の件で呼ばれた所で別れる事となった。


イベント報酬は、どの街でも閲覧及び、報酬の受け取りが出来るようなので、俺は鉱山、タツヤは狩場探索の為、一緒にジニアの街へ移動した。


ジニアの街へ何事もなく到着し、イベント報酬の発表までまだ時間があったので、一度離席休憩することにした。


離席休憩から戻ると、間もなく発表の12時だったので、タツヤとかなり混雑している広場で雑談しながら待つ。


フォン♪という効果音の後、機械的な女性の声が聞こえる。


『皆様、SOMETHING SUB STORY ONLINEをプレイいただき、誠にありがとうございます。

第一回 モンスター襲来イベントの集計が完了いたしました。これより、各街の広場にて発表いたします。

尚、イベント報酬につきましては、各街の広場におります、イベント報酬担当者NPCへ声をお掛けください。

引き続き、SOMETHING SUB STORY ONLINEをお楽しみください。』


アナウンスが終わると同時に、広場の中心を囲うようにウィンドウが現れ、更にイベント報酬担当者NPCも数名、広場の周囲に現れていた。


俺とタツヤは、広場中央のウィンドウへ近付き、イベント結果を確認する。



 第一回 モンスター襲来イベント 結果発表


 総合:討伐ポイント

  第1位 カールリヒターPT

      (カールリヒター、一盃口、聖羅、フランク・フルト、ガガントス、修羅)

  第2位 あすなPT

      (あすな、美里、ラズベリー、ミルク☆チョコ、スピラーレ、ゆう)

  第3位 アレク=サンドPT

      (アレク=サンド、魂斗羅・芭栖、紫龍、スターシーカー、だぁ☆うぃん、舞阪さな)

   ・

   ・

  第9位 雑巾PT

      (雑巾、タツヤ)

   ・

   ・


 総合:貢献ポイント

  第1位 鈴宮 若葉

  第2位 菊一文字

  第3位 アンナ

   ・

   ・

  第10位 ステラ=ガーネット

  第11位 デミタス

   ・

   ・


「雑巾、俺たち9位になってる。」


「マジだね・・・あっ、ステラも貢献ランキング10位だ。」


総合討伐ポイントランキングで、俺とタツヤが9位に入っていたのにはかなり驚いた。

デミアの街ランキングでも2位、東門では1位となっていた。


総合貢献ポイントでは、ステラとデミタスの名前があった。

貢献ポイントは、デミアの街の人が上位を占めたらしい。


各街の防衛結果については、デミアとグサビが全門防衛成功、ジニアが2門失敗、ルーエが3門失敗となっていた。

防衛の失敗した街について、何かしらのデメリットは無いようだが、失敗した門の外には亜人系モンスターが出没するようになるとの事だ。


一通りイベント結果を見た後、人混みに紛れているイベント報酬担当者NPCへ話し掛け、報酬を受け取った。


  参加賞:1,000gem、イベント参加証(第一回モンスター襲来)


  総合討伐第9位:30,000gem、カタログの巻物<ハイレア>x1、カタログの巻物<レア>x1

  デミア討伐第2位:8,000gem、カタログの巻物<レア>x2、カタログの巻物<アンコモン>x1

  デミア東門討伐第1位:カタログの巻物<レア>x3

  デミア南門討伐第23位:カタログの巻物<アンコモン>x1

  デミア北門討伐200位台:カタログの巻物<コモン>x1

  ※討伐報酬にパーティ人数補正あり:記載の3人分を贈答


  貢献報酬:なし


  デミア大成功追加報酬:カタログの巻物<レア>x1

  デミア東門成功追加報酬:カタログの巻物<アンコモン>x1

  デミア南門成功追加報酬:カタログの巻物<アンコモン>x1

  デミア北門成功追加報酬:カタログの巻物<アンコモン>x1


[イベント参加証]は指輪であり、アクセサリ装備は初めて目にした。

尚、装備すると運+1の効果が付与される。


各種カタログの巻物は、名前の通り、武器や防具やアイテム等のカタログで、使用するとカタログが閲覧出来、選んだ物が手に入るようだ。


俺とタツヤは、討伐報酬にパーティ補正が入ったようで、記載内容の3倍の報酬が貰えた。

確かに、パーティでの集計であった為、報酬は6人パーティの1人当たりと分かりやすく記載したのかもしれない。

4人パーティや5人パーティの計算がどうなるかはわからないが、多少増えた形になっているのだろう。


俺とタツヤは結構な数の報酬を手に入れた事になった。

カタログを確認してみたが、コモンは[傷薬]等のちょっとした物で種類も少なく、レアになると武器防具も充実し、種類も増えている。

ハイレアに至っては、更に種類が増えると共に、聞いたことのない武器防具や素材もあり、しっかりと吟味して選ぶ必要がありそうだ。


広場に集まっているプレイヤー達も、カタログの内容で盛り上がっている雰囲気が感じられる。


今回のイベントでは討伐参加者だけではなく、貢献参加者もいる為、カタログで個々に必要な物を選んで貰うという形は、斬新だが良い考えだと思う。


「雑巾、交換するもの決めた?」


「いや、レア度の低いのは適当に必要なもので決めちゃって良いと思うけど、レアとハイレアはじっくり見てから決めるかな。」


「ハイレア、スキルもある。迷うね。」


「マジで!?スキルもあるなら、本当に慎重に決めないと駄目だね。」


「うぃ。ゆっくり考える。」


俺とタツヤはイベント報酬も確認したので、タツヤは狩場探索へ、俺は採掘準備をし鉱山へと向かった。


俺はいつも通りの閑古鳥の鳴いている採掘場所へ来ていたが、イベント報酬で賑わっている今なら、人気の採掘場所も空いていたのではと、後になって気付いた。

但し、稀鉱石もそれなりに掘れたので、これはこれで結果的には良かったと、街を往復しながら夜まで掘り続けた。


途中の離席休憩時に、ショッピング中の両親と連絡を取ったが、帰りが遅くなりそうなので、たまには外で夕食にしようという話になっていた。

20時頃の帰宅予定だったので、その近くまで採掘をし、余った時間はカタログを眺め、19時50分にSSSOをログアウトした。


**********************************************

雑巾:Lv23 所持金:391,505→505,005gem

プレイ時間:8時間32分

総プレイ時間:4日6時間50分


筋力54→56、体力47→49、知力14

精神力15、持久力52→53、素早さ49

器用さ54、運13、道徳13


投擲(50)打Lv44、短剣(50)壱Lv17、革防具Lv54

採掘(50)特Lv24→31、鍛冶(50)武Lv11

遠見Lv34、察知(50)詳Lv23→24

強化1:筋力Lv47→49、素早Lv46、器用Lv52

**********************************************


両親が予定通り20時に帰ってきたので、その足で外食へ向かう。


外食を済ませ、帰宅後風呂へ入り、就寝前に情報サイトを流し読みしておく。


イベントの話題がほどんどであり、カタログの話が大半と、ランキングの話が少しという比率であった。


今回のイベントの模様を動画にした公式PVを運営が作ったようであり、良い出来だと絶賛されていた。

そういえば、SSSOはスクリーンショットを撮る事は出来るが、外へ持ち出す事が出来ない仕様となっている。

ゲーム内の様子については、公式でアップしたものだけになっているので、どのようなPVになっているか時間のある時に見てみようと思う。


先ずはカタログの厳選と、暫くは採掘生活だなと考えながら、今日は就寝とした。



- 第1章 完 -


ここまでで第1章とさせていただきます。

そして、第1章を持って、本小説は完結とさせていただきます。


執筆当初より、第1章で完結と伝えた上で、私の友人知人に読んでいただき、反応を伺う事を目的としての投稿でした。

しかし、何が切っ掛けか解らず未だに不思議なのですが、全く想像だにしない沢山の方々にお読みいただく結果となり、嬉しい気持ちと困惑する気持ちとが織り交ざっております。


正直なところ、現在に至っても続きの物語の構想が全く浮かんでおらず、本話で完結とするか悩みましたが、沢山の方々にお読みいただいたことへの感謝を表したく、番外編として数話投稿させていただきたいと思います。


お読みいただきました皆様にお礼申し上げると共に、もう暫くお付き合いいただけると幸いです。


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