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25話:日曜日の夜と平日まとめて

2017/10/11修正 一部誤記を修正しました。結合テスト→平行稼働テスト

-日曜日 続き-


アレク=サンドのパーティと共闘してジャイアント=フォレストベアを倒し、デミアの街へ戻ってログアウトした俺こと今林いまばやし隆昇りゅうしょう



リクライニングチェアから立つと、頭が少しぼーっとしている。


長時間ログインしていたことによる弊害か、ジャイアント=フォレストベアの戦闘で精神力を酷使していたのかはわからない。


死ぬかもしれないという緊張やストレスという事も考えられるなと思いながら、ベッドへ横たわると、そのまま寝入ってしまった。


急に目が覚め、眠ってしまったのかと理解してから時計を見ると、19時を回っていた。


2時間ほど仮眠をとった感じだが、重かった頭はスッキリとしていた。


先に風呂へ入り、夕食を済ませてから、20時過ぎにSSSOへログインする。



タツヤもステラもログインしていないようだ。


先程の狩り後の整理として、防具一式と短剣の修理、鹿肉売りを済ませ、残りの素材を倉庫へ預けておく。


次は何をしようかと考えていると、短剣スキルがLvMAXになっていた事を思い出し、特化派生を確認する。


一刀流、二刀流、忍具の3つに特化派生するようだ。


二刀流は少し惹かれるが、俺のスタイルでは一刀流か忍具が無難と考える。


忍具は、苦無や忍者刀に特化するようだ。これも浪漫溢れるが、現状重視で一刀流を習得することに決めた。


スキル確認中に、投擲-打-スキルで習得した必殺技ウェポンスキルが2つあったことを思い出していた。


気になってはいたので、訓練場へ行き試してみることにする。


アイバン教官へ挨拶し、投擲武器を借りる。

WPウェポンポイントを溜め、新しく覚えた必殺技ウェポンスキルを確認する。


Lv10で習得した“マッド・カバー”は、投擲を当てダメージエフェクトの直後に泥のようなものが5秒間張り付いた。


顔に当てて目隠しや、可動部に当てての鈍化等が考えられる。


Lv30で習得した“ロック・フォール”は、投擲を当てダメージエフェクトの直後に、直径30㎝程の岩というか石のようなものが斜め上から落ちてきて追加ダメージを与えた。


ゲームなのは理解しているが、何もない空間から石が斜めに落ちてくるのは吃驚させられた。


「おおぅ。初見はびっくりさせられるなぁ。ネタスキルとしては良いのかも。

でも、“ロック・フォール”っていう名前なのに石っぽかったのは・・・まさか。」


吃驚したことで独り言ちたが、石の大きさが気になったので、思い浮かんだ仮説を試してみる。


[練習用の石ころ]でWPウェポンポイントを溜めた後、[分銅]で必殺技ウェポンスキル“ロック・フォール”を発動する。


少し大き目のダメージエフェクトの後、直径60㎝程の岩といって良いものが1m程離れた斜め上に現れつつ落ちて来た。


「おお!でっかくなった。ダメージに比例するのかぁ、ちょっと楽しそうかも。」


[分銅]は落ちていたので回収し、ネタスキルとしていつか使えそうだなと訓練場を後にする。


タツヤからメッセージが届き、風呂入ってからログインするとのことだ。


余り時間が無いので、フォレストベア狩りをすることに決まった。


すぐ出発出来るように、[石ころ]と[薬草]を補充しておき、東門付近で離席休憩にしておく。


休憩から戻り、暫くするとタツヤがログインした。

23時頃までとのことだったので、合流後すぐに出発する。


いつもの狩り拠点に着くと、一つのパーティが狩りをしていた。


遠見スキルで名前を確認したが、アレク=サンドのパーティではなかった。


先に場所を取っていた方が優先という暗黙のルールに則って、いつもの拠点程の広さは無いが、俺たち2人なら十分拠点になる場所へ移動する。


フォレストベアを沢山釣ったことで、この付近の地形は大体覚えている。

向こうのパーティが辛うじて見えるくらいの距離なので、邪魔にはならないだろう。


釣ってくるフォレストベアも、お隣のパーティ側は遠慮しておいても十分な数が居た。


俺たちはいつも通りの安定した狩りを続ける。時折、お隣のパーティの方から咆哮が聞こえてくるので、問題なく狩れているようだ。


22時半を回ったところで、デミアの街へ戻る事にする。


お隣のパーティは、まだ狩りを続けているようだ。邪魔をしないように少し離れた所を通り、デミアの街へ向かう。


道中の森林鹿がいつもより多く居たので、乱獲に近い状態でサクサクっと倒し、デミアの街へ到着する。


戦利品を再分配し、ステラ用素材はタツヤへ、残りの肉は半分ずつの熊肉18個、鹿肉23個に分けた。


ステラはログインしていなかったので、武器防具の修理と、戦利品の売却、残り素材を倉庫へ預け、23時を回ったところでログアウトした。


**********************************************

雑巾:Lv21 所持金:30,625→30,925gem

プレイ時間:3時間3分

総プレイ時間:3日12時間5分


筋力52、体力47、知力14

精神力15、持久力51、素早さ48→49

器用さ53、運12、道徳13


投擲(50)打Lv42→44、短剣(50)壱(new)Lv1→15、革防具Lv54

採掘Lv45、鍛冶(50)武Lv9

遠見Lv30→31、察知(50)詳Lv21→22

強化1:筋力Lv44→45、素早Lv46、器用Lv50→51

**********************************************



俺はPCパソコンで情報サイトを眺めた。


週末の公式イベントの話題で盛り上がっている。


活躍する事で報酬が増える可能性が高い為、良い武器防具の話題が多い。


あぁ、もうギルドを作った所があるようだ。ギルドでお抱え生産職を囲いだしているのか。


ステラもどこかに誘われるのかなという事を思いつつ、今日はこの辺で就寝とした。



-月曜日-


現在、俺こと今林いまばやし隆昇りゅうしょうが進めている案件プロジェクトは、再来週より始まる本番データを用いた並行稼働テストに向けて、順調に進捗していた。


今週中に2回目の結合テストで発覚した問題点の改修をし、来週3回目の結合テストで問題がなければ完了という流れだ。


今週は毎日定時で上がっても問題なさそうだとチームの進捗管理表を更新していると、悲劇が突然襲ってきた。


担当営業が顧客と会話した際に、並行稼働テストをいつでも出来る旨を軽はずみに口走ってしまい、それを真に受けた顧客が一週間前倒ししたいと言ってきたようだ。


更に、担当営業は確認もせずにその話を了承してしまい、そのような話になったのでよろしくという感じで、こちらへ報告してきた。


流石にこれは会社組織としても、社会人としても有り得ない対応という事で、緊急トラブル報告の形で上へ通達させてもらった。


開発やテストを一週間早める事は難しくはないが、並行稼働テスト時の要員や、開発テストメンバーの作業スケジュール等は既に決まっており、これらの再調整をする工数さえ余計にかかってしまう。


この営業が、どういった考えで軽はずみな行動を取ったかについてはそのうちわかるだろうが、思慮に欠ける行動がどれだけの人に迷惑を掛ける事になるかについては、理解して欲しいと思う。


という訳で、更新した進捗管理表を今週中に間に合わせた場合に再更新して、チームメンバーを緊急招集する。


気持ちは解るが、皆憤慨している。担当営業よ、夜道の背後には気を付けるのだよ、と言いたくなるような空気だ。


来週着手で問題の無い作業は全て来週へ回し、程々に残業しつつ間に合わせる方向で確定した。尚、土日は休みの予定とした。


メンバーの一部が、既に予定の入っている日があるようなので、そこは俺がフォローする形になる。


今日は22時30分まで残業となり、帰宅後、風呂へ入り就寝とした。



-火曜日-


今日も残業であるが、タツヤよりメッセージが届き、ステラへ素材を渡したとの事だった。


俺の方は仕事の都合で今週はログイン出来ない可能性が高い旨を伝えておいた。



-水曜日-


担当営業関連の報告があった。中途採用した経験者であり、知識はあったが、意識に欠けていた事が判明したそうだ。


新人ならば基礎教育が必須のようだが、経験者という部分で即戦力扱いした事が問題となっている。


前倒しの為に発生したコストは営業部によって計算され、営業部として持つ事となったようだ。


当事者の担当営業は、システム開発が間に合う間に合わないだけで考えていたらしく、今回の件で発生したコストを提示されると、すぐには受け入れられない状態だったようだ。


営業部は担当営業への責任として、並行稼働テスト要員の確保を命じたようだが、これがかなり難航しているとの事だ。


元々の要員は来週一杯まで別案件が確定しており、ずらす事が出来ず、かといって新しい人員も簡単には確保出来ない状況との事である。


システム以外の部分は、営業部が責任を負う事となったので、俺たちは間に合わせる事だけに集中する。



-木曜日-


新しいスケジュール通り、進捗している。お陰で、残業はしているがメンバーのモチベーションは保たれている。


今日の分の結合テストで問題がでなければ、明日中に間に合う計算である。


このような事を言うと、フラグが立ってしまうものだが、案の定フラグが立ってしまった。


やはり、余裕の無い状況での改修でケアレスミスがあり、修正自体は大した事はなかったが、結合テストをやり直す事になった。


本日のノルマの結合テストが完了したのは、24時を回ってしまったが、なんとか進捗通りとなっている。


明日問題が無ければ完了だ。というと、またフラグが立ってしまうのだろうか。



-金曜日-


今日は、俺もメンバーも連日の残業で疲労が溜まっていたが、問題も起きず定時過ぎに完了した。


メンバーはすぐに帰宅させ、俺は進捗管理表と、いくつかの報告資料をまとめる。


責任を取らされた担当営業は、並行稼働テスト要員を一名確保出来なかった為、来週一週間テスト要員となるとの報告を受けた。


営業部は、実は体育会系なのかと思いながら、資料をまとめあげ、俺も帰宅とした。


いつもより早い時間だが、連日の残業が堪えたのかとても眠かった為、今日もSSSOへログインせず就寝することにした。



平日部分は「残業でログイン出来なかった」とするか悩んだのですが、リアルパートも書きたかったので載せました。

不要と思われる方もいらっしゃると思いますが、ご了承いただけると幸いです。

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