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1話:プロローグ

冒頭です

VR(ヴァーチャルリアリティ)の技術が進み、視覚面においては完成ともいえる時代。

次のステップは操作や動作の反映といったアクティブ部分であった。


身体に靴や手袋のような装置を取り付けVR映像と身体の動きが連動するところまで

技術が発展した後、脳波による技術が研究されていた。

理想は、小説やアニメ等で表現されているヘルメットをかぶって寝た状態でVR世界を

体感できるフルダイビングと呼ばれる技術であるが、脳への干渉は困難を極めた。


それでも、脳波からある程度の情報を取得する技術と、完全ではないが身体への

命令を遮断する技術は確立されつつあった。

また、5感の一部の疑似情報を脳へ伝える技術も進んでいた。


これらの技術を使って、医療用を主としたVR製品が次々と開発される中、

一つのオンラインゲームがcβ(クローズドベータテスト)*を完了した。

*一般人を対象とした人数限定の先行テストプレイ。

 同時接続人数による負荷のテストが主となる。

 正式リリースへプレイ情報は引き継がれないケースが多い。



VRMMORPG『SOMETHING SUB STORY ONLINE (SSSO)』を心待ちにし、

cβの落選に酷い落ち込みを見せていた本物語の主人公、今林いまばやし 隆昇りゅうしょう


IT業界でSEシステムエンジニアとして商業用プログラム開発を手掛けるサラリーマン。

41歳、男性、独身。両親2人との実家暮らし。

ゲーム(主にオンライン)がなければ死んでしまう というくらいのゲーマー。

若い頃からオンラインゲーム、特にRPGにハマる。



-とある春先の平日-


今の俺こと今林 隆昇は、非常に生き生きとしていた。

何故ならば、SSSOのオープンベータテスト*に当選し、必要機材が自宅に

届いたからである。

*一般人を対象とした先行テストプレイ。主に負荷テスト等の最終調整。

 正式リリースへプレイ情報が引き継がれるケースが多い。


若い頃ならばスタートダッシュを決め*て、徹夜当たり前の先行プレイヤーを

目指すくらいの意気込みであるが、年齢的にまったりプレイを想定している。

*人よりも先へ進む事に尽力し、先行するアドバンテージによるメリットを

 獲得する。具体的には、美味しい狩場の独占や最先端アイテムの獲得など。

 


徹夜で不眠不休などしてしまえば、仕事へと影響が直結する。

多少なら睡眠時間を減らしても問題ないが、無理はできない歳である。


もちろん、休日ともなれば趣味はゲームということもあり、

長時間の引き籠りプレイになるだろう。


所謂、週末プレイ派である。


あまりの嬉しさに、仕事をテキパキと片付け、定時過ぎには帰宅となった。

帰宅後真っ先に届いた機材を確認する。


SSSO用の機材は、リクライニングチェアー+ヘルメットとなっている。

尚、PCに接続し、インターネット回線を使用する。

ワンセット約30万円とかなり高額ではあるが、3年間のリース契約のような

扱いであり、途中で返却すれば期間に応じた金額が返金される仕組みである。


箱の中身を出し、梱包されている機材が全て揃っていることを確認、

安心した後、夕食、風呂、そして今日のところは就寝とする。


現在のSSSOはOβ(オープンベータテスト)前のメンテナンス期間中であり、

Oβ開始は来週のため、機材の設置と接続は週末にする予定だ。


正直なところ、部屋の整理をしないと機材を置く場所が無い状態なのである。


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