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14話:デミアの南東の森ソロ狩り

土曜日の前編です

-土曜日-


朝8時、睡眠時間をたっぷり取ったお陰か、気持ちのいい目覚めだ。

朝食はおにぎりと味噌汁で済ませ、ざっと情報サイトに目を通してから、SSSOにログインする。


今日は主武器メインウェポンを短剣にしてお金稼ぎの冒険をしてみようと思い立ち、デミアの街東の森へ向かう。


森の中は木が密集しており薄暗く、視界が悪いが、草はほとんど生えていないので歩きにくくはなかった。

これだけ障害物が密集していると、投擲は扱いにくいと感じた。


察知スキルをフル運用し、MOBの位置を把握する。

好戦的アクティブMOBか、非好戦的ノンアクティブMOBかは判別出来るが、個体名や強さまではわからない。

赤い〇の時は、なるべく遠くから視認し、フォレストベアのような危険なMOBかどうかを確認しながら奥へと進む。


好戦的アクティブMOBは、森林狼やフォレストビーがほとんどで、一度だけワイルドボアというでかい猪のようなモンスターが居たが、気付かれる前に逃げた。

非好戦的ノンアクティブMOBは、今の所全て森林鹿であったが、大きい割には倒しやすくこの場所でのカモ的存在だった。


森の雰囲気が変わり、草も結構生えて木々が鬱蒼としている場所へ入っていた。

林という程ではないが、木の間隔が若干広くなり、日が差している箇所が増えた。


ここでは、森林鹿が多くみられた。カモだと森林鹿を狩っていると、別の森林鹿が襲ってきた。

非好戦的ノンアクティブMOBであったが、リンク特性(仲間意識や同調)があったようだ。

仲間の敵は自分の敵と認識するような感じだと思う。


リンク特性は、仲間の反応する範囲が広い場合が最も怖い。

ゲームによって異なるが、気付いたら沢山の敵に囲まれてフルボッコされた、なんてことが良くある。


ゲーム用語的には、リンクは仲間に反応で、好戦的アクティブMOBがこちらに気付いてしまった時は、ADD:アドやアッドの追加という言葉があるのだが、日本ではどちらもリンクと使われてしまっているゲームが多かった。


察知スキルで、周りに反応が無い事を確認し、冷静に対処する。

逃げたり、動き回ったりする方が危険だからだ。


森林鹿の攻撃力はそれほど高くはないので、先ずは1匹に集中して、もう1匹の攻撃は受けても仕方ないと割り切る。


投擲も駆使して、1匹を集中攻撃し倒した。残る1匹は、短剣のみで倒した。


周りに脅威が無い事を確認し、HPは半分まで減っていなかったが[傷薬]で回復しておく。

複数相手でも、上手く立ち回れるようになりたいと思うが、今すぐどうにか出来る気がしなかったので、今後の課題としておこう。


更に森の奥に進むと、開けた場所に辿り着き、大きな池があった。


池に近付くと、絶世の美少女が水浴びをしている場面に遭遇・・・

等といったイベントが発生するわけもなく、池の中を覗くと水はとても澄んでいた。

この池は、釣りに良い感じがすると思うが、かなり森の奥なのでなんとも言えないところだ。


池の周りを歩きながら、更に奥へと進んでいく。

池から少し離れた所の森の深い場所に好戦的アクティブMOBのマークがちらほら見えた。


慎重に移動しつつ、遠見スキルを使ってMOBを確認すると、フォレストベアが数匹見えた。

ここから先はフォレストベアの群生地、ゲーム上では狩場ということか。

冷や汗をかいている心境になりつつ、フォレストベアの群生地を後にする。


少し緊張したので、気分転換を兼ねて池の近くで15分の離席状態にする。


トイレを済ませ、冷たい緑茶で喉を潤してから、SSSOへ戻った。


池へは大まかに言うと東から南へ進んできたので、帰りは西へ向かって草原へ出てから北へ進むような感じのルートにしようと思う。


ほぼ真っ直ぐ西へ歩きながら、森林鹿を狩っていく。

リンクしそうな距離に複数匹いるときは、手を出していない。


徐々に木の間隔が狭く薄暗くなって行き、一番暗くなった所、丁度池と草原の中間辺りで好戦的アクティブMOBのマークが見えた。


暗すぎて視界が悪く、見えそうで見えないなと進むか引くか悩んでいると、何かが右腕に引っかかった。


右腕を振って振り払おうとしたが、しっかりとくっついている。

糸のようなものと分かった瞬間、目の前に巨大な蜘蛛のようなものが現れた。


「蜘蛛の糸か!」


直ぐに反応出来て、左手で短剣を引き抜きつつ右腕の糸を斬る。


糸が斬れたことを確認した直後に、思いっきり後ろへ飛び、巨大蜘蛛との距離を取る。


名前はジャイアント・フォレストスパイダー。蜘蛛の糸の上にいるのか空中に浮いているように見える。


辺りは暗い事もあって、蜘蛛の糸が視認出来ない。

下手に逃げて糸に捕まるというのは一番避けたい。

そもそも俺は、蜘蛛が苦手だ。特に、足の長い蜘蛛が。


目の前のジャイアント・フォレストスパイダーは、丸々とした黒くてでかい腹に、複数の赤く光る眼と凶悪そうな口の付いた小さな顔があり、足はかなり長い。


全長3mはあるのではという大きさもあり、俺の中に戦うという文字は全くなかった。


どっちに逃げれば良いのかわからず、無意識に察知スキルを使う。

北西の近い場所に、青い〇(ノンアクティブ)が3つ並んでゆっくりと動いているのが見えた。


動いているなら蜘蛛の糸がそちらには張られていない可能性があると判断し、運を頼りに北西へ向かって木々をかいくぐりながら全力で走る。


30秒ほど走ったところで、森林鹿3匹と出くわし、森林鹿は慌てて逃げて行った。


そのまま走るのを止めず、察知スキルを使って巨大森林蜘蛛ジャイアント・フォレストスパイダーの位置を確認すると、先程の場所から動いていないようだ。


走る速度を緩め、察知スキルが反応しない位置まで移動する。

もちろん、別の好戦的アクティブMOBがいない事も確認している。


「た、助かった・・・。はぁ。」


取り敢えず逃げ切ることが出来たと安堵し、巨大森林蜘蛛の居た位置を覚えておく。


もう狩りをする気力もなく、好戦的アクティブMOBを避けながら、非好戦的ノンアクティブMOBも狩らずに西へと歩く。


無事、西の草原へ出たところで、唐突にアラート音が響く。尿意のアラートだった。


直ぐに離席状態にし、トイレへ駆け込む。

ついでに、何となくだが顔を洗い、冷たい緑茶で喉を潤してからSSSOへ戻った。


草原を通ってデミアの街へ戻る。

途中、絡まれてしまった森林狼だけ倒して、無事、デミアの街へと辿り着いた。


街の広場にある腰掛に座り、10分程ぼーっとしてから、急に思い出した先程の狩りの戦利品を店(NPC)売りする。


[森林鹿の肉]と[森林鹿の革]が大量にあり、[森林鹿の角]も数は少なかったが良い値で売れたので、合計835gemとなった。


森林鹿は強さの割に稼げるMOB・・・やはりカモかもしれない。


良いお金になり、先程の嫌な出来事をすっかり忘れた状態で、一度ログアウトする。


**********************************************

雑巾:Lv8→9 所持金:420→1,255gem

プレイ時間:5時間38分

総プレイ時間:1日11時間48分


筋力25→27、体力20→23、知力12

精神力12、持久力25→27、素早さ21→25

器用さ27→29、運11、道徳10


投擲Lv31→32、短剣Lv11→23、革防具Lv27→30

採掘Lv16、鍛冶Lv11

遠見Lv10→12、察知Lv14→25

強化1:筋力Lv14→16、素早Lv14→18、器用Lv16→20

**********************************************


ログアウト時のステータス欄のレイアウトを変更(スマホに配慮したつもり)

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