13話:平日のソロ活動
平日の時間があまり取れなかった編です。
2017.08.29:誤字訂正「探知」→「察知」
-月曜日-
昼休みの時間を使って、気になっていた他人の回復方法について調べる。
手っ取り早いのは回復魔法で、初級では光魔法一択のようだ。
アイテムの中では、回復ポーションが身体へ振りかける事でも効果は落ちるが回復するらしいとの情報があった。
飲もうとして事故って振りかかったらしいが、どのような状況だったのか気になる。
但し、現在回復ポーションは生産のみとなっているため、高額だそうだ。
尚、店(NPC)売りもある[傷薬]はポーションとは別分類となっており、飲むことしか出来ない。
SSSOの世界では傷薬は飲み物、深く考えたら負けだ。
他人回復用のアイテムや、特殊スキルの情報は見つけることが出来なかった。
存在する可能性は高いと思うが、今すぐ手に入れる事が出来るかというと困難であると考える。
俺は、魔法も1系統の習得は視野に入れているが、戦闘補助に有効なものを選びたいと考えている。
まだ、魔法についての情報も少ないため、必要に迫られたら光魔法とし、もう少し様子を見ることにしようと思う。
今日は、比較的早く帰宅出来た。
夕食、風呂を済ませ、21時過ぎにSSSOへログインする。
デミアの街に戻っていたこともあり、訓練場で投擲スキルのLv20とLv30で習得した必殺技を確認しようと思う。
訓練場へ行き、アイバン教官へ挨拶しつつ練習用の投擲を借りる。
「アイバン教官、こんにちは。
投擲スキルがLv30になったので必殺技の確認に来ました。
投擲武器をお願いします。」
「雑巾か、よく来たな。もうLv30になったのか、かなり頑張っているな。ほら、練習用の投擲だ。
後、スキルについては無暗に他人に話さない方がいい。俺には構わないが、一般的に秘密にするものだ。
逆に他人へ聞くことも相手を不快にすることもあるから気を付けろよ。」
「はい。気心の知れた人にしか、話す事も聞く事もないと思います。トラブルの種ですしね。」
ここで言うトラブルの種とは、特別なスキルがあれば誰でも知りたいだろうし、スキルLvが高いと使い勝手や効果が知りたくなると言った事から、質問攻めや軽くストーカー紛いへ発展する可能性もあることだ。
気持ちは良くわかるのだが、質問される側になった場合、かなりの面倒ごとに感じるだろう。
逆に色々と教えてあげたい、面倒を見たいという人もいる。
そういう人達が、匿名として情報を提供していたりする。
このような情報が集まった、または集めた場所を、情報サイトと呼んだりする。
俺も、いくつかの情報サイトを見て、参考にしている。
敢えて“参考に”と言ったのは、全てが正しい情報とは限らないからだ。
SSSOの情報サイトは、信憑性の高い情報がほとんどであるが、中にはガセネタや、勘違いといった内容も含まれる。判断は自己責任だ。
教官から借りた練習用石ころの革袋を装備していることを無意識に目視確認すると、革袋が2つ見えた。
「ん?あれ?投擲の革袋が2つある・・・。」
「ああ。武器によっては装備する場所を変えることで、複数持てるぞ。
防具との兼ね合いもあるが、武器によっては色々な場所へ移動できる。
自分なりの扱いやすい位置を模索するといい。」
「それは便利ですね。試してみます。」
俺の右側の腰には、石ころの革袋を装備したまま、練習用石ころの革袋を装備していた。
早速、石ころの革袋を持って、腰の背中側の方へ動かすと、革袋の位置が変わった。
試しに分銅の革袋を装備すると、これも装備出来た。位置的には3つまでが限界かもしれない。
武器の場所を移動出来るのが画期的過ぎて、左腰にある[銅短剣]を鞘ごと持って可能な位置を確かめる。
腰回りは何処でも可能だが、革袋と被る位置は無理であり、革袋がアイテムバッグへ戻ってしまった。
腰だけではなく、背中も可能であった。短剣の向きも上下左右斜めも含め、全て可能であった。
使い道を度外視した、腹や胸、足や腕も、装備が可能だが、足や腕は身体の動きに制限のない位置のみである。
調子に乗って色々試したが、取り敢えず[銅短剣]を左腰のいつもの位置に戻しておく。
訓練人形に、練習用の石ころを連続で投げ、WPを溜める。
WPが100溜まったところで、Lv20で習得した必殺技を使ってみる。
「《武技》ダブルスロー」
名前からして2回攻撃かと思っていたが、普通に1回だけ投げた。
投げた石ころが若干ブレた感じがして、訓練人形にゴゴッと当たった。
なるほど、一度の攻撃で2HITする意味のダブルと納得する。
もう一度WPを100まで溜め、Lv30で習得した必殺技を使う。
「《武技》ワイドスロー」
投げた石ころが訓練人形に当たる手前で、左右に1つずつ分かれて増え、ゴゴッと当たった。
名前からすると範囲攻撃っぽい気がしたが、範囲はかなり狭く訓練人形1体に3発分当たった。
なんとなく納得出来ず、もう一度試してみる。
今度は、訓練人形を横一列に3体認識して、10m程離れた位置から投げてみる。
「《武技》ワイドスロー」
投げた石は、5mくらいの位置から左右に1つずつ分かれて、認識した訓練人形3体に1発ずつ当たった。
「やっぱりそうか。複数当てたい時は認識しないと駄目なんだな。」
俺は独り言ち、納得出来たことに満足する。
次に練習用石ころでWPを溜めて、[分銅]を持って必殺技を使う。
[分銅]の正しい扱い方を覚えるためだ。
試した結果、[分銅]は[石ころ]の投げ方とは少し違っていた。
[分銅]の幅の広い方を相手に向けたまま回転させて投げるようである。要練習だ。
[分銅]の数に限りあるのでなるべく早く習得しなければならないと思っていると、投げた[分銅]が訓練人形の下に落ちて暫く消えずに残っていた。
試しに拾ってみると拾えた。投げる、拾う。投げる。これは助かった。
試しに拾わないでいると、30秒ほどで離散エフェクトで消えた。
[石ころ]は即消えるのに対し、[分銅]は暫く持つようだ。これは大発見である。
2回投げて、2個拾うを繰り返し、経済的になった。
このお陰で相当な数を投げることが出来、[分銅]の正しい扱い方を習得することができた。
試しに東門外に出て、森林狼で[分銅]が消えないかを確認しておく。
結果、30秒ルールは適用されるようだ。
尚、森林狼は1発で倒せるようになった。
就寝時間が迫っていたので、街に戻りログアウトする。
色々やりたい事が一杯だが、今週は仕事が忙しくなる予定だ。
週末メインになるだろうと予想しつつ、本日は就寝とした。
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雑巾:Lv8 プレイ時間:2時間20分 総プレイ時間:1日5時間8分
筋力25、体力20、知力12、精神力12、
持久力25、素早さ21、器用さ27、運11、道徳10
所持金:420gem
投擲Lv31、短剣Lv11、革防具Lv27、採掘Lv16、鍛冶Lv11
筋力強化1Lv14、素早さ強化1Lv14、器用さ強化1Lv16、遠見Lv10、察知Lv14
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-火曜日-
今日は、1時間ほどしか時間がなかったが、ログインして訓練場で短剣の練習をすることにした。
WPが溜まったら必殺技を使い、身体を慣れさせる。
WPを溜める間も、必殺技の動きを意識して身体を動かす。
ある程度俊敏な動きが出来るようになれば、戦闘が楽になると考えたからだ。
1時間練習した成果は徐々にという感じだ。
スキルLvもステータスも上がってはいないが、動きが良くなっている気がしている。
今後も続けていこうと思う。
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雑巾:Lv8 プレイ時間:1時間2分 総プレイ時間:1日6時間10分
筋力25、体力20、知力12、精神力12、
持久力25、素早さ21、器用さ27、運11、道徳10
所持金:420gem
投擲Lv31、短剣Lv11、革防具Lv27、採掘Lv16、鍛冶Lv11
筋力強化1Lv14、素早さ強化1Lv14、器用さ強化1Lv16、遠見Lv10、察知Lv14
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-水曜日-
-木曜日-
帰りが遅くなった為、ログインせず就寝とする。
-金曜日-
タツヤから突然、“詐欺られて、フォレストベアの革なくなった。ごめん。”とのメッセージが来た。
“いや、謝らなくていいんだけど、何があったのか詳しく教えて。”と、メッセージを返す。
タツヤからの話を纏めると、平日の早く帰れた時にデミアの街に戻ってソロ狩りをしていたらしい。
街へ戻った時に、[フォレストベアの革]3枚で靴を作ると地域チャットで呼び掛けている職人さんがいたそうだ。
ちょうど3枚持っており、手が強かったので良い装備かもしれないと思い、職人さんに話しかけると、トレードウィンドウが現れたので革を渡したそうだ。
トレードウィンドウが消えると、相手の人が固まったように見え、30秒程でそのまま消えたらしい。
念を押して聞いたが、ログアウトの操作のような動きは見られなかったらしい。
15分くらい待ったが戻らず、就寝時間の為この日は諦め、別の日も街へ行くがその職人さんは見つからないそうだ。
名前の一部でも憶えていないのか聞いたら、長い名前というだけで全く憶えていないとのこと。
唯一分かる情報は、女性キャラに見えたこと。
その時に連絡くれたらログから追えたかもしれないというと、その時は詐欺られたと思わなかったということなので仕方がない。
まぁ、今の時期としては痛い戦利品だが、他人を信用しすぎるのは危ないってことであまり落ち込まないでね。と慰めた。
ちなみに、俺の見解では、詐欺と決めつけるにはちょっと早いかなということで5分5分ってところだね、としておいた。
気になるのは固まって消えたこと。ログアウトの操作をするなら固まったようには見えないはずだ。
ログアウト以外ですぐに消えるという話も聞いたことは無いのだが。
念のため、情報サイトで詐欺について事例はないか確認したところ、別の詐欺紛いの手口はいくつかあった。
但し、無料で無制限にキャラクターを作り直せるようなゲームではないので、リスクの方が高すぎる現状では高額詐欺以外はしないと考える。
今日は残業も程々に比較的早く帰宅したが、非常に眠かった事もあり、明日、目一杯遊ぼうとログインせずに22時に就寝してしまった。