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10話:タツヤと初狩り

土曜日の夜の続きです


※2017/10/07 会話文中の“(笑)”等の感情表現文字を削除いたしました。

-土曜日 夜 続き-


タツヤの狩りの準備が整い、狩りをするため東門の外へ向かった雑巾。



「とりあえず南東の森手前の草原を、森に沿って南にいってみようか。」


「うぃ。」


先頭は俺だが、タツヤは一歩遅れてついてくる。

ほぼ隣に並んでいる状態で、森に近い草原を南下していく。


3分程歩くと、前方に草原狼が見えた。


「まずは狼からだね。狼が突っ込んできたら1発当てるから、あとは任せた。」


「うぃ。」


狼との距離を縮めながら、周りの確認は怠らない。

狼と15mくらいのところで、狼がこちらに気付き走ってきた。

タツヤが足を止め構える。俺はタツヤの3歩ほど斜め後ろの位置で石ころを構える。


タツヤと狼との距離3mの所で、石ころを投げつける。

狼に当たり、狼が一瞬怯んだと同時にタツヤが動き、右ストレートのパンチを当てる。

続け様に右のミドルキックを当て、1mほど吹き飛んだ狼がそのまま離散エフェクトで消えた。


「歴戦の格闘家みたいだね。戦闘後は周りの確認忘れないでね。慣れてきたら戦闘中もになるかもだけど。」


「ほい。」


声を掛けつつ、周囲の警戒をして、更に南下していく。

ソロでも狩れていた場所に2人なので、危ない場面もなく進んでいく。


森林狼を6匹ほど狩った所で、森の中に大きな熊のようなMobが見えた。熊は初めて見る。


「たーちゃん、森の中にでっかい熊みたいのいるけど、やってみる?強いと思うけど。」


「うぃ。やってみる。」


「じゃぁ、釣ってみるね。釣った後は俺も出来る限り攻撃入れる。」


森の中に入る3m程手前から、少し奥にいる熊・・・フォレストベアに向けて石ころを投げる。

遠かったがうまく当てる事ができ、熊がこちらへ向かってくる。


タツヤのいる所まで走って戻り、森から出てきた熊の顔面に向けて石ころを投げる。

狙い通りの顔面に当たり、突進の勢いが落ちた所へ、タツヤの右ストレートが熊の脇腹に当たる。


更に、タツヤの右ミドルキックが熊の背中に当たり、ここで熊の敵視ヘイトがタツヤへ変わる。熊の顔がタツヤへ向いた。


熊が左手をタツヤ目掛けて横へ振った。

タツヤはそれが見えていたのか、バックステップで躱して距離を取る。


俺は熊の右斜め後ろへ回り込み、頭に向けて石ころを投げる。

熊が俺の方を向く間に、狙いやすい熊の右足の弁慶の泣き所へ石ころを投げる。


脛に当たっても、ダメージは変わらないのか痛がる反応も無かったが、若干熊の動きが鈍ったように感じた。


タツヤは熊の隙があったら、パンチやキックを入れて距離を取るというヒット&アウェイで攻撃を続けている。


俺は狙いやすい熊の右足を集中攻撃していた。

頭は動くので狙い辛く、身体は毛がふさふさしているので何となく打撃の威力が落ちそうなイメージがあった。


敵視ヘイトはタツヤに向いている割合が多く、俺は少し距離がある事もあってダメージを受けていない。

タツヤは熊の攻撃を上手く回避しているようで、HPは8割残っている。


戦闘を始めてから10分は経ったと思うが、俺は20回、タツヤは30回以上の攻撃を当てている。


「グゴォォォォォ!」


熊が急にひと鳴きし、次の瞬間、俺に向かって突進してきた。

突進の勢いそのままに、熊の右手が横から振られる。

俺は虚を突かれたこともあり回避は間に合わない。


投擲に集中し過ぎて左手に短剣を持つことを忘れていた俺は、防御もできずそのまま吹っ飛ばされた。


っ!」


左肩から左肘、左胸辺りにに鈍痛を感じる。この一撃でHPが半分以上減っていた。


「雑巾っ!!」


タツヤが俺のことを呼びつつ、慌てて熊の後ろから攻撃し敵視ヘイトを取ろうとする。


俺が立ち上がった時、タツヤに向けて熊の左手が斜め上から振り下ろされた。


タツヤは、バックステップで回避しようとしたが若干遅く、熊の攻撃を受けてしまうが、それでもHPの4分の1くらいのダメージで済んでいた。


俺は忘れていた短剣を左手に持ち、石ころを熊の右足に投げる。

ここで熊がこちらへ向く速度が遅くなっていることに気付いた。


熊のHPが減ってきているからか、右足を集中攻撃したダメージによるものかわからないが、動きが鈍ってきているならなんとかなるかもしれない。


俺のHPは減ったままだが、先程の痛みは全く感じなくなっていたので、何の支障もなく、石ころを投げるだけではなく、左右に移動するようにした。


これなら不意に突進されても、回避できる可能性が上がる。

熊がこちらを向き、突進しようと両手を地面につけたタイミングで、石ころを熊の顔面に投げつつ、俺は右へ移動する。


熊は一瞬動きが止まり、その直後突進しつつ右腕を振ってきたが、俺はほぼ回避できた位置にいた。

振り終わる寸前の熊の右手に、短剣を合わせ逆手で突き刺す。


偶然だが熊の掌に短剣が刺さり、熊が怯んでのけぞったところに、タツヤが熊の背後からパンチキックパンチと連続で当てた。


俺も、今度は左に移動しつつ、熊の右足に石ころを当てる。


「《武技ぶぎ》 ファストブロウ」

「《武技ぶぎ》 ファストロー」


チャンスとみたのか、タツヤが必殺技を連続で入れた。

これが止めとなったのか、熊がよろめきゆっくりと倒れ、動かなくなると同時に離散エフェクトで消えた。


「たーちゃんグッジョブ!」


俺は、タツヤに声を掛け、周囲を確認し、見える範囲に脅威がなかったので、緊張を解きその場に座り込む。


「ふぅ・・・。格上の敵だったね。死ぬかと思った。」


「うぃ。危なかった。」


戦利品のウィンドウが現れ内容を確認すると、[フォレストベアの毛皮]x3、[フォレストベアの爪]x2、[森林熊の革手袋]x1となっていた。


*アイテム詳細:[森林熊の革手袋]*

 フォレストベアの革と爪で作られた革手袋。

 甲の部分に爪があり、甲の強化と共に拳突き時に爪先が刺さる形状となっている。

 物理防御+4、魔法防御+3、拳突きによる突属性攻撃+3補正。


「おっ、たーちゃん、革手袋がドロップにあるよ。パスするから受け取って。」


PTパーティを組んでの戦利品の分配は細かい設定ができるようだが、タツヤとのPTなので最初にパスするかどうかだけ選択して、それ以外はランダム分配の設定にしている。

念のため、全員パスした場合の設定もランダムで分配されるようにしている。


「おおー。ありがと。」


「どんな感じ?装備出来そう?」


「えっと、・・・装備してみた。」


「なかなかカッコいい感じで良いんじゃないかな。強そうだし。」


「うぃ。殴ってみたい。」


ここで現実時間の24時になるところだったことと、フォレストベアとの戦闘で精神的疲労が溜まっていたので、街へ戻ることとし、その道中でタツヤの試し殴りをすることにした。


お互いHPが半分以上減っていたので[傷薬]で回復しておく。[傷薬]は今のHPの半分くらい回復するようだった。

尚、飲む動作が必要なので戦闘中に使うのは危険かもしれない。


新装備になったタツヤは、森林狼を殴り1発で仕留められるようになった。

かなり良い装備品だったのかもしれない。熊めちゃくちゃ強かったし。


デミアの街へ戻り、PT戦利品の見直しをした。

ランダム分配はされているが、PTの同意次第で、再分配や一括取得も出来るようだ。かなり便利である。


とりあえずフォレストベアの素材は貴重かもしれないので倉庫に取っておき、それ以外はNPC売りで良いと思うことをタツヤへ伝えた。


毛皮x3はタツヤ、爪x2は俺がランダム分配で取得することになっていた。各々戦利品をNPC(店)売りし、俺は10gemだった。


「明日休みだから朝からやるけど、雑巾は?」


「たぶんモーニング行くからその後かな。10時過ぎくらい。」


「なる。インしたら声かけて。」


「おっけー。あ、そういえば、SSSOのアプリって携帯にインストールした?」


「いや。そんなのあるの?」


「フレンドへのメッセージをアプリから送ったり受けたり出来たりするらしい。インしているときはSSSOへ届くし、SSSOからも送れるみたい。」


「へぇ。便利だね。明日インストールしておく。」


「俺もインストールするね。じゃぁ、今日はこの辺で落ちるよ。」


「うぃ。おつ&おやー。」


「おつおやー。」


俺は、メニューウィンドウを操作しログアウトする。


やっとタツヤとプレイすることが出来た。これから楽しくなりそうだなと考えながら、トイレと水分補給を済ませると、急に睡魔が襲ってきたので就寝とした。


***********************************************************

雑巾:Lv4→5 プレイ時間:3時間28分 総プレイ時間:0日17時間17分

筋力18→20、体力14→16、知力11、精神力11、

持久力18→20、素早さ14→16、器用さ18→20、運10→11、道徳10

所持金:180gem→190gem

投擲Lv18→22、短剣Lv4→10、革防具Lv8→15、採掘Lv12、鍛冶Lv8

***********************************************************


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