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ぼくの詩集

いやなかたまり

作者: 桜井あんじ

いやなかたまりがある

ぼくのおなかに

いやなかたまりがある


どろどろ ぐちぐち うねうね

いやなかたまりは ときどき うごく

臭いガスを 吐き出しながら


吐き気 吐き気 ぼくは 吐き気

あああああああ 

叫ぶ 叫ぶ ぼくは 叫ぶ


いやなかたまり

おまえの せいで

いやな かたまり

おまえが いるから


暗く輝く 醜いかたまり

曙の光にさえ 背を向け

皆が右向けば 左

泣けと言われれば 笑い

笑えと言われれば 泣く

優しいものにも 明るいものにも ただ 背を向け

ひたすら 世界の隅っこを 見つめようとする

卑屈でいやな かたまり


たぶん ぼくが うまれたときからあった

いやなかたまり

そんなもの

捨ててしまえば いいのに

でもぼくは

これがなにか重要なものだと

知っていたのです


力溢るる

いやなかたまり

ぼくをかり立て動かす

いやなかたまり


うんうん唸って

ぽんと はきだせば

いやなかたまりは きらきらと

まばゆい光を放つ 蝶々になって

ひらひら どこかへ 旅立ってゆきます

見送るぼくは よい気分


ぼくは 蛹だ

いやなかたまりが

綺麗な蝶々になり 飛び立つまで

守り 育てる 蛹なのだ!


ぼくの たいせつな いやな かたまり

ぼくを 置いて 

どこまでも 飛んでゆけ

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