第一話 科学特区とせせらぎ荘
俺はとある船に乗り、とある島を目指していた。
「そろそろ、着く頃かな」
3日間の船の旅を終えるために見えてきたのは
「ついに来ちまったなーー」
同じ日本だとは思えない近未来的な雰囲気を持ち、全体が要塞のように見える島。
「ーー科学特区…」
科学特区というのは、科学技術が進歩しているのはもちろん、日本の観光スポットとしても栄え、未来に名を残すであろう都市として知られている。
しかし、そんな科学特区には化学兵器によるテロ、紛争が絶えなかったが警察にはどうすることも出来なかった。
そこでつくられたのが自衛特務官。
自衛特務官は、特殊な訓練を受け、化学兵器への対処なども教えられる。
自衛特務官 第七科 東特区 民間学生部 所属 No.4329 小牧京輔
これが俺の名前であり、所属である。
そうこうしてるうちに、これから住むことになるせせらぎ荘につく。
「すみません、これからお世話になる小牧京輔です。誰かいませんかー」
鍵はあいているようだ。しかし、誰からの返事もない。入り口まで足を運ぶ。
(誰もいないのに鍵があいてるのか。もう少し用心した方いいんじゃないかな。)
なんて呑気なことを考えていると、
「どちら様ですか?」
外の方から女性の声が聞こえた。その女性は右手にビニール袋を持っている。買い物帰りなのかもしれない。
「勝手に入ってすみません。新しい入居者の小牧京輔です」
「あ、小牧さんですか。最近、ここら辺で空き巣が多いらしくてすみません。今、部屋に案内しますね」
(鍵あいてましたよ!)
というのは、この際言わないでおこう。
「私はこのせせらぎ荘の大家、八重白想夏です。わからないことがあったらなんでも聞いてくださいね」
とても優しそうで親切な人だと思われる。
「階段上ってすぐの101号室が小牧さんの部屋です。食事は全員で集まって一階の団らん室で食べることになってるのでその時、他の部屋の皆さんを紹介しますね」
「何から何までありがとうございます。何か手伝えることがあったら言って下さい」
「いえ、好きでやってるのでお気になさらないでください」
そう言って、奥の団らん室とかかれたのれんをくぐり、奥の部屋へと入っていった。夕飯の用意をはじめたのだろう。包丁で何かを切るとてもテンポのいい音が聞こえてくる。この様子だと、夕飯も期待できそうである。
101号室の部屋は広くはなかったが、細かなところまで掃除がしてあって、住み心地も悪くなく、これからの衣食住を不満に思うことはないだろう。
夕食ができるまで、部屋の整理をすることにした。
それから、夕飯のいい香りがしてくるまでそんな時間はかからなかった。
まだ、科学特区や自衛特務官らしいものは出て来てませんが、京輔くんの能力が決まり次第、出したいと思います。
次は、賑やかなせせらぎ荘の愉快な面々の初お披露目です。
頑張って書きますので応援、評価の方、よろしくお願いします!