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作者: 刹那



俺には、子供の頃から人の心の声が聞こえる。

俺を生んだ、世間が俗に母と呼ぶ生き物は、俺に心の声が聞こえると知ると、途端に化け物を見るような目で俺を見た。

そして、気持ち悪い、出ていけ化け物、そう言われた。もちろんその時も心の声は聞こえていた。心も、言葉とそっくり同じだった。だが、元々この生き物は嫌いだったし、大して傷付くこともなかった。

だから、言われた通り、家を出た。


この家にいてもいいことはないと判断したのだ。父と呼ぶべき存在も、俺の事を嫌っていたから。たとえ表面を取り繕っても、俺には全て筒抜けだ。


家を出て、自分と同じ境遇の人に出会った。心の声が聞こえない唯一の人だった。

その人は、心の声が聞こえることに苦しんでいた。俺にとってこれはただのノイズだが、その人は違った。

弱かったのだ、あの人は。たとえ望んでいなくとも、勝手に人の心をのぞいてしまった、そう言って、もがき苦しんでいた。

俺にはその苦しみはわからないが、心の声が聞こえるのは一緒なのだ、その人を、可哀想だと思わずにはいられなかった。

たとえ始まりは哀れみや同情からでも、愛していた、俺はあの人を本当に愛していた。

俺の聲はもう、あの人には届かないけれど。


意味不明感がすごい。

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