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awake
気がついたら俺はベッドの上に居た。
周りの描写から鑑みるに近所の病院らしい。
何故ここにいるのか?
それは俺が一番知りたい。
窓の外から蝉の声が聞こえてくる。
違和感が俺の意識を冒した。
一番最近の記憶が真っ白な地に伏す自分の感覚だったのだ。
俺、坂下雅人はごく普通の高校生だったはずだ。確証が無いのは記憶が曖昧であるからだ。
目が覚めた日から3日経ったが誰も見舞いに来ない。
なにも分からない。
その上、明日いきなり退院とのことだ。
街灯の無い夜道を目的もなくさまよっている気分だ。
明日から始まる日々は天国か地獄か…