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 一日遅れの更新……すいません。

 今回はちょーっと長め……? 




「……さて、と」


客人のための料理の準備は終わった。

後はリビングを片付けるだけ、なのだが。

少女は家の中を見渡す。


「……どこから手をつけるべき、か」


家の主である少女が溜め息をついたのも無理はない。

小さな家の中には、その外見からは想像もつかない程ぎっしりと家具(男曰くゴミ、または障害物)が所狭しと置かれていたからである。


「あぁ……こんなことなら手伝ってもらえばよかった……」


今ならあの男(の馬鹿力)も役に立つのに、と悔しそうに呟きながら少女は呪文を口にした。

すると、あんなに視界を遮っていた家具(男曰くゴミ、または障害物)が扉の外へと動き出した。


「ヴェル、こっちに来て」


家具(男曰くゴミ、または障害物)が動いているのを気にした風でもなく、少女は急に動き出した家具(以下省略)に威嚇する愛犬の名を呼び、毛並みを撫でながら「んー」と考えてから言った。


「……貴方もおめかししちゃおっか」


この時、主の向ける笑顔がいつものものとは違うことに気付いた彼女の獣の本能がとても嫌なモノを感じ取っていたのは言うまでもない。



  *  *  *



「動かないでねー」



どうしてこうなった、と獣は思っていた。

『おめかし』という単語に獣は寒気を感じて必死に逃げようとしたのだが、如何せん獣の主である少女が悲しい顔をするのだ。

それも物凄く泣きそうな。

超が付く程の美少女である主に惚れて今ここにいると言っても過言ではない獣にとって少女のこの表情は凄い威力だった。


「……くぅーん」


耳を下げいかにも仕方ない、といった感じで観念した愛犬を少女は嬉しそうに抱きしめた。


「いいこいいこ。じゃあ、お風呂入ろう」


やっぱりか、獣は自分の本能が間違っていないことを恨んだ。



「――これで良し! さっぱりしたでしょ?」


獣の全身を洗い終えた少女が満足気に獣にそう言った。

灰黒の毛を濡らせた獣はやっと終わったか、と身体を盛大に震わせた。


「――きゃっ!!」


獣の毛に付いていた水を盛大に浴びてしまい少女は床に座り込んでしまう。

そして運悪く獣の体を洗っていた汚水が少女に掛かってしまった。


「……あー」


自分のせいで主が、と慌てる獣にどうしよっか、と尋ねながら己の服をつまんでみると随分と水分を吸ってしまっているらしく、重い。

本来なら防水の魔法を己に掛けてから行うのだが、もう先程大量の魔力を使ってしまった為に、これ以上の魔力の放出は避けたかったのでそのまま行なってしまったのだ。


「うーん……」


しばらく考えていた少女が突然立ち上がり、獣に微笑んだのを見て獣はこれからどうなるのかと恐怖に目を閉じた。

原因を作ってしまったのは自分なのだから主である少女に任せよう、と思っていたのだが、いつまでたっても何かをされることはなく、恐る恐る目を開いてみれば――驚くべき光景が広がっていた。

思わず固まってしまった獣の視線の先にあるのは己の服を何の躊躇いもなく脱いでいく主の姿があったからだ。

困惑し動けなくなった獣の前で一糸纏わぬ姿になった少女が獣に笑いかけた。


「お風呂入ろう? 勿論ヴェルにも付き合って貰うから!」


――それはとても愛らしい、年相応の笑顔だった。

その笑顔に見惚れながらもこの笑顔を見ているのが自分だけで本当によかった、と獣はこっそりと溜め息をついたのだった。



  *  *  *



髪に香油を垂らし、豊かな蜂蜜色の髪をゆるく巻き、風呂上りの為か頬を上気させる少女はこの世のものとは思えない程美しかった。


「早く来ないかなぁー……」


先程から綺麗になったリビングに忘れられていた(家具に隠されていた)時計を何度も見てはソワソワとする少女は待ちきれない、といったように言い、その声に応えるようにコンコン、とノックの音がした。

弾かれたように椅子から立ち上がり玄関の扉を開けた少女は立っていた人物の胸に大きくダイブした。

少女を受け止めた碧眼の青年は驚いたような顔をしながらも嬉しそうに言った。


「ハッピーハロウィン――メリッサ。夕御飯のお招きに預かりました」


その柔らかいテノールの声を心地よく耳に感じながら顔を上げた少女がパッと顔を輝かせる。


「ライン! 来てくれてありがとう!」


先程までの侵入者が見たら自分の知っている人物とは別人かと思ってしまうだろう笑顔をラインと呼ばれた青年に向けた少女は青年の手を引いて家の中に青年を迎え入れ――ようとしたのだが。

タイミングが悪かった。




――本当に。

悪かったとしか言いようがなかった。





 そん(損)な役回りが最低二人は必要ですよね!

 ついでに言うと、ヴェル(獣)は役得です。

 勿論、主人公も。


 「ムーンにしておけばよかったァァァァァァ!!!」

 と昨日叫んでいて更新が遅れたのです。

 この作品で最も修正したい場所(てへぺろ☆彡)

 なんだったらヴェル(獣)を人化させて……(*´Д`)ハァハァ

 と妄想が止まらない変態(((っ・д・)三⊃)゜3゜)'∴:. ガッ


 『……そ、そのパンチ効いたぜッ((でも懲りないw』


 こんな私ですがどうかよろしくお願い致しまする。



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