第4話;メイド長改め冥土長登場
前回までのあらすじ
とうとうタマゴバッカリ伯爵を追い詰めたハム王子とレタス王女!
「もう・・・ハムサンド野郎なんて言わせない!」
二つの地域を股にかけた王子と王女の冒険が遂に幕を開ける!
次回新番組;玉子ってどんな料理にも使えるよね!第一話、うずらの逆襲!
ご期待下さい!!
すみません。何も始めるつもりはありません。
でも、本編は・・・・はーじまーるよー!!!!!!!!!
俺の命はもうこれまでかもしれない。
状況整理。
我が家に戻った俺。
↓
可愛いメイド姿となったシズカ。
↓
そんなシズカの足元にしっかりとしがみ付く幼い少女。
↓
そんな状況をただ静かに見つめる我が家のメイド長。
「アルトリア閣下」
「は、はいっ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
沈黙が苦しい!
何か言って!
彼女の視線が物語る。
獲物を捕らえるような獰猛な肉食獣のような視線が俺を突き刺す。
「とうとうやっちまったか?」
「ち、ちが・・・」
「問答無用じゃボケ!! てめー、やっちまったなおいっ! いつかやっちまうと思ってたけどよまさかヤルだけじゃ飽き足らずにガキまでこさえちまうとはな!」
と、俺をフルボッコしながら言う彼女は続いてまさかのハートブレイクショットで俺の命を刈り取りに掛かる。
「何の抵抗もしないシズカをいいことに、テメーの汚ねー獣欲がとうとうシズカのやわ肌を傷つけちまったわけだ!」
心臓を打ち抜かれて何の弁解も出来ない俺に、ハートブレイクショットからの~、
「つーかシズカもよー、嫌なことは嫌だって言わなきゃ駄目だぜ? まあ、こさえちまったもんは仕方がないけどよー」
足蹴りされてこけそうになったところを、腹をけられて空中に浮かされての十六連コンボ。さらにお約束の決めポーズは忘れずに「これで終わりですっ!」と声高に宣言し俺を地面に叩きつける彼女はちょっと格好良かった。
「違うんだよ! 聞いてくれたまえ!」
「さあ、懺悔の時間です!」
「ずっと君のターンなの!?」
ていうかシズカも見てないで助けてよ!
と願いを込めてシズカを見やると、
ニヤリ。
某Dノートを持った彼のような表情を浮かべて「勝った!」と口走っていたことは、きっと俺の気のせいだろう・・・。
もういっそ殺して!
どのくらい時間が経ったのか。
気付けば痛みと苦しみは快感へと進化を遂げ、俺は新たなフロンティアを成そうとしていた。
「ティリアさん、もうそのくらいで」
「おう、そうだな」
止めるの遅いよシズカ。
俺のライフゲージは限りなくゼロに近いよ。
そして俺の性癖が新たな一歩を踏み出してしまったよ!
ありがとうございます!
「で、この子は?」
「あ、はい。先ほど閣下が・・・」
シズカがさっきのやり取りをティリアに説明している。
ティリア・レガンス。
我がアルトリア家のメイド長にして冥土長。
深い知性が窺い知れる綺麗な瞳と相手をなじるために神が与えたもうた完成された唇。スタイルは言うことなしの美貌の持ち主な彼女は俺の好みの美しい女性なのだが、少々暴力的な部分が我が脳内会議で議題に上がることも少なくは無かったが、今回のお仕置きで俺が新たな一歩を踏み出してしまったことにより、その点も見事クリアーした女傑。
彼女は元帝国軍第七師団特殊工作部隊の隊長を務めていた強者でもある。
「まあ、そんなことだろうとは思ってたよ。こいつにシズカを襲う度胸なんて無いだろうしな」
そんな彼女は俺の腹をちょうどいい痛気持ちよい加減で踏みしめながら言う。
分かってたんなら何故お仕置きを?
そんな疑問が湧きあがってくるが、どこからか近づいてくる快楽という名の魔物によって疑問は吹き飛んでしまう。
ごちそうさまでした!
「・・・怖い」
俺の悦楽の表情を目の当たりにした幼い少女は、先ほどよりも強くシズカにしがみ付く。
「てめー! こんな小さな子供にトラウマになるような顔をしてんじゃねーよ!」
その原因を、お与え下さる冥土長がさらに俺の腹を踏みしだく。
負のスパイラルだよ、ティリアくん。
「・・・・・・」
「あ、落ちた」
「もうティリアさん。やり過ぎですよ?」
「あー、すまん。途中から楽しくなってついやり過ぎたな」
「・・・私のことも叩く」
「もう、誰もあなたを傷つけませんよ」
「おう。このあたしがそんなことはさせねーよ」
「・・・(コクン)」
「あなた、お名前は何というのかしら?」
「・・・パル」
そう答えた少女のお腹から、可愛らしい悲鳴が鳴った。
「あら、お腹が空いているのね。それじゃあすぐにご飯にしましょうか。今日のお昼は鶏の蒸し焼きよ」
「・・・おいしそう」
「よし! それじゃあ、シズカが準備してる間あたしたちは風呂にでも入るか!」
「・・・お風呂?」
「おーそうだ! パルってば、良く見なくてもドロドロだしな。女の子なんだから綺麗にしなきゃな!」
「・・・お風呂!」
微かに残る俺の意識を覚醒させるに至る充分な話を聞いてしまった。
可憐な幼き蕾と、妖艶でちょっと刺の多い薔薇のコラボレーション入浴・・・だと!
こうしてはいられない!
早速敵情視察に・・・。
「閣下」
「ごめんなさい・・・」
読んで頂きありがとうございます!
この作品が貴方様のお暇のお供になれれば幸いです!!
ご意見ご感想などがあれば是非に!!!