プロローグ;ある男の奮闘記
どうもーこんにちは!!!
これから新章の始まりとなるわけですが・・・今日は生憎の雨ですね・・・。
テンションがた落ちです・・・。
というわけで今から買い物に行ってきまーす!
あ、はーじまーるよー!!!!!
一人の男がアーリアット村の村人たちに見送られながら村を後にした。
男は大柄で髪も髭も生えるに任せて一切の手入れをしていないようで、毛で顔を覆われていて、どのような顔なのか分からない。
男の腕は大木のように太く、その腕で大きな袋を担いでいる。
村に辿りた着いた時と同じような夜の帳が訪れ、辺りはすっかり暗闇に包まれていた。
外灯の明かりも無い中、暗闇の中をふらふらと幽鬼のような足取りで歩く男は、さながら鬼のようである。
「・・・良い村だったな」
後ろを振り返った男に村人たちはまだ手を振ってくれている。
こんな夜更けに村を出る男でも笑顔で見送ってくれる温かい村人たちに軽く頭を下げた男は、フォート王国へと続く街道をその大きな足で一歩一歩進んでいく。
「ねえ、本当にいいの?」
涼やかな声がどこからともなく男に問いかける。
男はその声に低い重低音で答えを返した。
「・・・実際に会って実力を確かめる」
「でも、長老様やあの娘からの話じゃあ・・・」
「・・・・・・」
端から見れば独り言を話しているようにしか見えない怪しげな男。
「・・・おい、何か騒がしくないか?」
そんな男が唐突に見えない誰かに話すように言う。
遠くの方で何かが聞こえる。
それは、まるで叫び声のようにも聞こえる。
その声はどんどんこちらに近づいてきた。
「・・・魔物か」
次第にそれが本当の叫び声であったと気付いた男は、その場を動かずただ静かにやって来るモノを待ち構える。
「・・・ランクBの魔物か」
「あらあら、大変ね」
男は今来た道を振り返り、考える。
自分の後ろにあるのはアーリアット村だ。
騒ぎを起こしたくはないが・・・。
「・・・一宿一飯の恩がある」
そう言うと、男は徐々に近づいてきている魔物に視線をやる。
巨大なミミズのような醜い魔物は、無数に生える刺々しい牙の間から涎を垂れ流し、その巨体をうねらせながら近づいてくる。
魔物から垂れ落ちた涎は、辺りの岩や草木をまるでバターのように溶かしている。
「援護しましょうか?」
「・・・いや、いい」
短くそう答えた男は、担いでいた大きな袋を地面に下ろし中から己の獲物を取り出す。
鈍い光を放つ黒く大きな鉄球。
その鉄球には、銀色の頑強な鎖が付いている。
男は銀色の鎖を手に持つと、かなりの重量があるように思われる鉄球を軽々と引き上げて背に乗せる。
醜悪な魔物が聞く者を不快にさせる咆哮を上げて男に迫って来る。
男と魔物の距離はまだあるが、男は微動だにせず魔物を見据えて鉄球を投げ放つ。
魔物の口内へ向け男は鉄球を投げ放った。
銀色の鎖は鉄球に着き従うかのように伸び、鉄球を魔物へ届けるための距離を瞬時に創りだす。
それは元の長さからは到底想像出来ない長さであった。
「・・・ふんっ」
男が鎖を持つ手を僅かに上へ持ちあげると、鉄球は魔物の口内を突き破り、頭部から姿を現す。
魔物は苦悶の咆哮を上げ、緑色の液体を頭部から大量に降り注がせて巨大を地面に叩きつける。
その振動で街道全体が揺れ動いた。
「・・・この国にまで出てしまったか」
地面に横たわる巨大で醜悪な魔物に視線を合わせて男が呟いた。
その頃、フォート王国アルトリア侯爵の屋敷では屋敷の主人であるブラッドが死の淵を彷徨っていた。
「あの、違うんだよティリアくん。まあ、落ち着いて聞いてくれたまえ」
パルとリンネの愛らしい寝顔を見ようと、愚かにもティリアの部屋へ侵入したブラッドが挑発的な寝巻を着たアルトリア家に仕えるメイド長改め冥土長に捕縛されていた。
「まあ、閣下が私を夜這いしたいと思う気持ちは分からなくも無いのですが」
「いや、夜這いに来たんじゃなくて、パルちゃんやリンネちゃんの寝顔が見たかっただけです」
「私には魅力が無いと? あーなるほど自殺願望をお持ちなんですね分かりますそれでは死んでいただきましょうティリアさんからの愛のお仕置きDEATH!」
ティリアの愛の籠った女神の抱擁を、美味しく頂いたブラッドは痛みと快楽の狭間を行きつ戻りつ繰り返していた。
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