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注意事項2 忘れ物はしないこと-2

ふふ…考えてたんだサボったわけじゃ人だよ…どうせだれも見てないだろうけど…。

 視線が合って、気づいて、目をそらして、それから15秒。ストローの先を加えたまま顎が個硬直していた。

 気まずい雰囲気の中、紅葉は薫の法に目を向けないよう、教室の時計を探した。

 一方、薫も黙ってストローに噛みついていた。

 15秒たってからさらに15秒、時計が秒針を刻んだ。紅葉は重い顎を必死に上げてみる。


「あ、あのさ、今日の朝…背中に『取扱注意』って札。あれって何?」


 少し、薫は驚いたのか、しばし視線を移すのにほんの数秒を要した。


「え、えーと、何時も妹に張られるんです。」


 ほー。と紅葉は嘆息する。


 にしても、なんで覚えてないんだ?いくら記憶力が無くたって、完全に無いわけじゃないし…。


「あ、あの、紅葉さんは本当に私のこと覚えてないんですか?」


 そう問われた紅葉は黙り込んでしまう。別に無視をしているつもりはない。ただ、必死に脳内の回路をひっかきまわして思い出そうとしているのだ。


 ふじ…と…かお…る、ふじ…とかお…る。


「ごめん、やっぱり思い出せないや。」

 

 紅葉は、ぺこぺこと頭を上下に振りながら、そう答えた。


「紅葉さん…まぁ…しょうがないですよね…色々あったわけですし…しょうがないです。」


 薫は必要以上に悲しげな顔を見せる。紅葉は、理由がわかないので、キョトンと首を曲げた。


「そ、そんなことより、早く飲んで次廻りませんか?」


 薫は、話を途中で切り上げた。相変わらず紅葉はキョトンと顔をしかめている。そんな紅葉を気にせずにいられないので、薫はお金を支払って、紅葉の裾をキュッと引き、連れ出した。


(ふじと…かおる)


 紅葉は、ぼけーとしている。薫はしっかりと裾を引っ張りベンチへと誘導する。

(ふじと……かおる?)

「紅葉さん、紅葉さん…紅葉さん!!!」

(ふじと…かおる…フジと…カオる?…フジト…カおル?)

「おう!!!?」


「もー、紅葉さん、どうしたんですか?ぼけーっとしちゃって、次行きますよ?」


「あ、あぁ…ごめん、考え事しちゃうとこうなっちゃうんだ…あはは」


「紅葉さん…そこら辺は相変わらずですね…紅葉さんの悪いとこです。」


 薫はまた、ニコッと笑う。眩しい。僕の無表情とは(ポーカーフェイス)とは大きく違う。

 紅葉はそう思いながら、ベンチに腰を掛けた。


「ふじと…かおる…藤戸…薫………うっ」


 一つの閃光のようなものが紅葉の頭を駆けた。

 次に襲うのは…頭痛…吐き気…紅葉の身体が必死に抵抗をする…まるで、ソレを考えるの止めさせるように…。

(ねぇ…約束だよ…うん…約束だ。絶対だよ?うん、絶対だ。本当に?本当だ。ずっとそばに―――――――――)


 紅葉は気を失った。

気を失う。(ざまぁw

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