注意事項1 前を向いて歩こう-2
文化祭当日
小百合に壊されたドアの事を考えながら、学校への道を歩いていく。…もちろん独りでだ。
僕は友達が少ない、理由は、皆同じ方向じゃないからだ、僕が通うA高校は超エリート校であり、この街の中ではたった三人だ、一人は先輩の日野 英治、もう一人は同学年同クラスの湖宮 風花だけだ、あとは知らない。大体人と関わるのは苦手だし皆若干に怖がられてるしな…まぁこれはまた今度の話。
おっと、時間がやばいあと十分で着かなきゃ軽音部の奴らに殺られる…「急げ」と足に力を入れて、駆けだした。
真っすぐ走っていき、三つ目の十字路を左に曲がる。
がつん
「おわぁ!!?」
「きゃぁ!!?」
誰かにぶつかった…女の子みたいだ、やわらかい。
「いたた・・・『いってー』」
のそのそと立ち上がって僕はその子に手を差し伸べた、つもりだったがそれよりも早く少女は立ち上がって笑っていてた。
「えへへ、大丈夫ですか」
と手を差しのべられていた。
「えーと、じゃ私急いでるんで済みません!!」
チラリと一の文字がのぞく。そう言ってその少女は背中に貼り付けれた「割れ物取扱注意」札を揺らして走っていく。僕はそのきれいすぎる笑顔に目を奪われた…ポカーンと口をあけていると曲がり角から昨日の公園の時計が見えた7時30分…やばい殺られる。
僕は立ち上がり、あの「割れ物注意」の少女を瞳にあ焼いたまま、僕も走って行った。そして僕は走りながら思った…何処かで聞いたような…
***
「セーフか?」
「ギリギリ」
僕の独りごとに反応したのは、数少ない、学校の友達の一之瀬 朔だ。
決して可愛いとは言えないのかもしれないが、そして軽音部のサブボーカルでもある。
「さっさと用意して練習始めるから、あ、そうだ、亮ちゃん怒ってたよ?『ピックケース何処に置いたんじゃボケぇ!!!』って。」
まずい、それは結構まずい…ピックケース何処に置いたっけ、と僕は必死に脳裏の履歴を探す…あ、家だ。やばいぞこれは…。亮を怒らせらまずいことになる。一之瀬 亮朔の兄であり、部長兼この学校の番長…やばい。そう思っていると首筋をふー、と生温かい吐息を掛けられた…これをやるのはあの人しかいない、僕の体はガタガタ震えている、そこまで異様な反応を起こすのも無理はない。だが振り向けないなぜなら後ろに立っているのは番長その人なのだから…。
「こ~よ~ちゃぁん」
「は・・・はぁい…」
僕は威圧感に流され、ぎちぎちと聞こえそうなほどに千切れそうに細かく震えながら、後ろを向いてしまう。そこにはあり得ないほどの闇のオーラが漂う壊れた笑顔があった。
「ピックケースはどこかなぁ?かなぁ?…ひひ?」
…誰か助けてくださいここには悪魔が居ますエクソシストでもデビルハンターでも何でもいいから助けてください!!と思う自分とは裏腹にガチガチ奥歯を鳴らしながら…僕は言っていた
「い、家です」
「そうかそうか…んじゃ文化祭終わったらとりに行くね?」
あ、あれ怒らなかった?…てか今まで一度も僕は怒られた事無くないか?
そういえば、番長、番長、言われてるけど喧嘩したところどころか、暴言さえ言われた事はないな…。もしかして、根っからのいい人?半年も同じ部活に居るというのに気づけない僕は馬鹿なのだろう。
「すみません」
「お前自分のは持ってきてるよな?」
慌てて僕は自分の、ギターをあさる、あ、ちゃんと入っていた。ピックもベース用のも入っていた。
「んじゃ、ベース用のピック貸してくれや、今ちょっと指があれだから…」
そう言いながら亮は僕に右手の人差指と親指を見せる、あ、折れてる
「ど、どうしたんですか!!?それ」
「転んで着いた(笑い)まさか折れるとは思わなかったけどさ、ベース誰か代わりにやってくれないかな…」
とか言いつつ僕らは練習に取り掛かる、あ、言っとくけど部員は全員で5人だ。あとの2人は遅刻だろうか、まぁそんなことに頭を抱えてもしょうがないので、練習始め。あ、因みに僕はこの軽音部のギター兼ボーカルだ。あれまだフルネームって言ってなかったけ?そうかそうか、僕の名前は夜崎 紅葉だ。紅葉でいいよ。…って何独りごとに花咲かせてるんだ…僕は、癖はお察しの通り独りごと、身長は180センチ位、一年生の中では一番大きい、はず…
がらがら…いきなりドアが開いたその音に皆反応する。そしてドアをあけたそいつの第一声
「ぎりぎりか!?」
「いや。遅いから」
三人口を綺麗にそろえて、そいつに吐いた。吐かれたそいつの名はドラムの翔、
戸三 翔だ。遅いからと言われたショックでへなへなとだらしなく腰を地べたに着けた。ドラムも来たと言ううことで、本格的に練習開始!!
***
練習が終わりHRに行くため早めに解散した、途中のどが渇いたのでジュースを買った。
教室にたどり着き、自分の席へと腰を下ろす。
「起立!!」
ちょ、今座ったばっかなのに。
「礼!!」
のろのろと頭を下ろしてぼそぼそと「おはようございます」をいった。
実は文化祭は1時から始まるそれまでは、装飾の点検、進行の最終点検などをする、だが軽音部は放送部が準備をするので、暇だった、とりあえず寝よう
***
―――ねぇ、起きて。
また、声がする。僕はまたその声のする方へと駆けていく、
――――独りにしないで、
「独りになんかさせない!!、だから待ってくれ!!」
誰かも解らぬその声に僕は、叫んでいた。自然と足が速くなっていく
スピードが上がるにつれて、声も鮮明に大きくなる
――――私をここから連れ出して、私を愛して―――私を―――
「僕が!!、僕が君をそこから出してやる!!…僕が、僕が君を愛してやる!!!!」
なんでここまで必死だか僕も解らない、僕の足は、ただただ、距離を縮めるだけに動いた。ただただ、走った
「―――だから、そこで待っていてくれ!!…僕が君を―――」
僕は、何も見えない虚空に手を投げて、必死につかもうとした。僕の右手が宙を仰ぐ、
すか、すか、すか
まるで、雲を掴もうとする、子供のように…必死に、闇雲に、何も見えない暗がりの中を駆ける。ふと気付いた、声に近づけない…。僕はただ同じ場所で、走っている
***
おぶう…やばい僕…思いっきり手伸ばしてる…。リアルで…
誰も…居ないよな…。俺は辺りを見回そうとした…だがしかしそんな期待は裏切られることが筋…思い切りクラスの皆から、蔑みの視線を感じる…
「―――なにやってるの?「アイツ行かないで!!とかいてった」マジ受けるwww」
…は、僕が人と関わるのが嫌いな理由1だ
すこし手抜きだwww