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十年後の今、僕は居ない  作者: E’zSHOW
1/1

十年前の今、僕は居ます

ファンタジーばかり書いていました。

だけど、それだけを書いてきた訳ではないです。

ホラーも青春も書いていました。

ある日地球にや勇者パーティーの盗賊は今の僕を形作る一面であり、全面ではないです。

なろうと言えば転生ファンタジーの印象が強いですが、そればかりではないのも知っています。

普段を安穏と過ごしている自分へ、何年後の自分への将来の手紙というものを書いたことはあるだろうか。

もし、普段からそんなことをしている人が居るならばちょっと頭がおかしいかもしれない。

こういうことは何かしらの起点が会ったときにするものだと思うからだ。

例えばそれは小学校や中学校の卒業式。

それならば何よりも行動に対する説得力となるだろう。

そして、今はその卒業式当日だ。

僕は中学3年生だった。

先程までそうだった。

十年後の自分に宛てて手紙を書いてタイムカプセルに入れて埋めようなんてそんな平和なやり取りだった。

そんな手紙を僕は握りしめてここに立っている。

なぜ、そうなったのか僕にも分からない。

というよりもこの場面は既視感でしかない。

僕はこの瞬間をずっと前に見ているからだ。

十年後の今、僕は居ない。

僕はこの場所に戻ってきてしまったからだ。



僕の名前は森本和希。

どこにでも居る普通の社会人である。

二十五歳の誕生日を明日迎えるのだが、明日は中学時代の友人との同窓会の日でもあった。

色々と思い返して見れば青春も無ければ色恋も無く灰色な人生だった。

そういった特色の無い人生だからこそ、久々の同窓会というのに胸躍るのも仕方ない。

たまには良い物でも食べて明日に備えよう。

たまには良い物でも着て気合いを入れよう。

たまには髪型をキメて張り切るのも良いだろう。

そんな気持ちでファッション誌を片手にページを捲る。

しかし、どの服も自分が来たなら服が浮くようなそんなものばかりだ。

服に負けるのは目に見えており、結局無難にスーツで行くことにした。




翌朝は少し早めの起床、身支度を整え、月経駐車場に止めてある車を動かし、卒業した中学校近くのコンビニで朝食を済ませた。

チラホラと顔見知りが同じようにコンビニに来ては僕を見付けて片手を上げてヒラヒラと振り声をかける。

昔とかなり変わっているが、柳生と松尾の二人だった。

それに応じて雑談に興じていると、ポケットのスマホがアラームを鳴らせた。

そろそろ時間だとそれぞれが車やバイクや自転車で学校へと向かっていく。

学校の駐車場には、コンビニで見かけた者達以外にも当時カースト上位だった井上や竹下などの者達が綺羅びやかなスポーツカーや挑発的なドレスを着ていた。

僕は声をかけるでもなく手を挙げてヒラヒラとする。

仲良かったでもないが、今思い返して見ればそんなに悪い人間関係という訳でもなかったので向こうもそれなりに応じてくれた。

そして、時間になると当時担任だった森弘先生と委員長だった小村が話し始めた。

なんでも、タイムカプセルをどこに埋めたのか忘れてしまったのだという。

覚えている人は居ないかと確認されて、僕が手を挙げると盛り上がり皆が一斉に見た。

灰色過ぎた人生。

何も無さ過ぎたために、その特別だった卒業式の日のことは覚えていたのだ。

校舎裏の杉の木の下。

そこへ皆で歩いた。

スコップを手にはしゃいで掘るのは当時運動が得意だった池田だ。

しかし、僕はそこで違和感を覚えた。

この同窓会に居ない人物が居たのだ。

普段こんなことを気付かない自分だ。

気付きがあるのはその卒業式が特別だった理由の相手だったからだ。

中学校の卒業式のその日、僕は告白して振られたからである。

その告白した相手である野津貴和子の姿がどこにも無かったのだ。

開かれるタイムカプセル。

そこで自分の手紙を見付けて各自がその手紙を開封してははしゃいでいた。

そして、例に漏れず僕もその手紙をその場で開いた。



十年後の今、僕は居ない。

僕は十年前の今に居ます。

なろうで挑戦してみたくなりました。

中途半端に描いて作品を放置したのはこの投稿媒体に慣れるためです。

このなろうで一位になれる作品を書いてみたいです。

ある意味これはなろうで成り上がる僕にとっての異世界転生のようなものなのかもしれません。

別サイトで挑戦するというのは僕にとってはそういう意味合いになるのだと思います。

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