#2‐25 ガジーマで結婚式⑤
翌日―
天道宮の広い寝室で、重苦しさで目を覚ますと...
何と胸の上に青い髪の美女が柔らかい胸を押しつけて寝ていた!
その美女の両耳の上からはツノが生えている。
「ゲッ!モモコ・ベンケー・シュテン大王!」
「ふにゃあ... あぁ ルーク 目が覚めたか?」
両腕と両足にも重さを感じるので、見ると―
フィフィとアイフィが、それぞれ右腕、左腕を枕にして寝ており、右足と左足には、ミカエラとアンジェリーヌが寝ており、足の間に挟まるような恰好でジョスリーヌとリエルが抱き合って寝ていた?
半身を起こして寝室を見まわすと、床のフカフカした絨毯の上や長椅子の上に昨夜の鬼人美女たちが、寝ていた。もちろん、全員、温泉にいた時と同じ格好で。
アマンダたちは、たぶん、ほかの寝室で寝たのだろう。
まあ、アマンダたちは、前の世界ですでに妻だったので、かれこれ6、7年いっしょなので、一晩や二晩いっしょに寝ないからと言って不満を言ったりはしないのだが。
「さて... では、私は一応、西ディアローム帝国の皇帝にあいさつに行って、ルークと結婚することを報告するとしよう。そなたもいっしょに行くのだ!」
「え?結婚?」
「当たり前だろ? 私はテフ神教官ではないぞ? ラーシャアグロス王国の大王だ。
このままズルズルとおまえと愛人関係を続けるわけにはいかんだろうが?」
「たしかに...」
「それに、ゾドアンスロゥプもルークに会いたがっておるからな。ほら、あの変人研究者たちが研究しておった神の盤とか言うモノがあるであろう。あれを使って行けばいい。もちろん、ルークの妻たちも、この侍女たちもいっしょだ!」
「侍女たちも...?」
「おう。これは、ルーク王の結婚祝いのふろくと思えばいい。結婚式が終わったら国に連れて帰って、たくさん子どもを産まさせてやってくれ!」
「子どもを...」
「もちろん、私が最初に産めるように励んでもらわなければならん。
私にはラーシャアグロス王国の世継ぎを産むと言う大事な役目があるからな!」
とんでもないことを平然と言う鬼人大王だった。
「ところで... 昨夜は、あの地獄風呂で大王さまに会ってから...」
「私とそなたの仲だ。大王などと畏まって言わなくともモモコだけでいいぞ?」
「は... で、では、モモコ大王」
「モモコだ!」
「モモコ」
「そうだ。なあに、あなた?」
「ええっ?」
「キャ―ッハッハッハ!一度、こう言って見たかったんだ!キャ―ッハッハッハ!」
ベッドの上を一糸も纏わぬ姿で笑い転げるモモコ大王。
おかげで、みんなを起こしてしまった。
「ひゃあ!私、ハダカなんですけど?」
「なに言っているの、アイフィ? みんなハダカじゃない!」
「ど、どうして、みんなルークさまの周りにハダカで寝ているんですかぁ?」
「なにを言っているの、リエル!ルークさまはみんなの夫でしょ!?」
「だけどォ...」
「ジョスリーヌとリエルは、なぜ、そんなところで抱き合っているのよ?」
「へ?」
「きゃっ!」
慌てて離れる二人。
「抱き合って寝ていることを、とやかく言っているんじゃないのよ」
「そうよ。どうして、ルークさまの戦略的重要エリアで寝ているのかってことよ!」
アンジェリーヌとミカエラが若い二人を責める。
「どうしてって... どうしてかしら?」
「居心地がよかったのよ、きっと!」
ルークは新妻たちの議論に口が開いたままだ。
「おう、おう。中々元気な嫁たちだな?」
「って、なんでベンケー・シュテン大王さまが、それも私たちと同じように...」
「ハダカでルークさまと私たちといっしょにベッドにいるんですかぁ?」
「そうよ!」
「そうだわ」
「私たちは国賓なのよ!」
「おかしいわ。これは国際問題よ」
口さがない新妻たちが、モモコ大王を遠慮なしに問い詰める。
「みんな、よさないか!」
ルークがちょっと声を高めて言った時、ドアが開けられた。
「あーら!みんな朝から元気がいいわね?」
「おはようござます!ルークさま、ベンケー・シュテン大王さま、みなさん!」
「アイフィちゃんにとっては、とんだ初夜になってしまったわね?」
「ベンケー・シュテン大王さまは、ご満足みたいですね!」
アマンダたちが、ガウン姿で部屋に入って来た。
「おう!アマンダたちか!昨夜は悪かったな」
「いえいえ。どういたしまして!」
「そうです。これでベンケー・シュテン大王さまの...」
「モモコでいいと昨夜も言ったであろう?そなたたちは私の先輩なのだからな!」
「じゃあ、失礼してモモコ大王と呼ばせていただきます」
「ルークの前では先輩妻と後輩妻だ。敬語もいらん!」
「では、モモコさん」
「おう。その響きがいいな!百年来の友人同士のようだ」
「それにしても、モモコさんの眼力? 凄いですね?」
アマンダたちが語った話は、魔王であったルークをも身震いするほどの内容だった。
昨夜、地獄温泉にフィフィを鬼人美女たちに担がせて現れたモモコ大王。
なんと、その眼力でルークをはじめ、アンジェリーヌ、ジョスリーヌ、ミカエラ、フィフィ、リエル、アイフィを催眠状態にして意のままにしたらしい?
そして、アマンダたちに断って、ルークとアンジェリーヌたち新妻を連れて寝室へもどり...
そこでくんずほぐれつのシーンを展開したと言うのだ?!
くんずほぐれつの内容については聞かなかったが、朝起きた時のベッドの状態を見れば、どんなことが行われたかは一目瞭然だった!
「モモコ大王さまのうれしそうな歌声が侍女の方たちとの合唱と調和して、天道宮中に響きましたわ!」
ニンマリ笑ってアマンダが言うと、さすがのモモコ大王も真っ赤になってしまった?
「ま、まあ、私もそれを狙って未婚の美人侍女を選りすぐって連れて来たんで、ルークが気に入ってくれたようで何よりだ!」
「はあ... 」
残念ながら、ルークは何もおぼえてないので、何を言ったらいいかわからない。
「さあ、こんなままでは閻羅宮にも戻れん!朝風呂を浴びてから行くとするか!」
モモコ大王が元気よく、誇らしげにそのプロポーションのいい体を見せびらかすように立ち上がった。
「私たちは汗もかいていませんので、どうぞごゆっくり...」
「そんなわけにはいかん!そなたたちもいっしょに入るのだ!」
「「「「はい、大王さま!」」」」
モモコ大王の眼力で、アマンダたちもモモコ大王の意のままになってしまった?
「すっごい!」
「見て、見て!アマンダさんもプリシルさんも...」
「リリスさんもハウェンさんも、モモコ大王の言う通りにしているわ!」
モモコ大王を先頭に、ルークと新妻たち、それからアマンダたち先輩妻たちと行列を作って朝風呂に入るために地獄温泉に行って...
またもや―
今度はアマンダたちも交えて、くんずほぐれつの楽しい地獄温泉を楽しんだのだった!
モモコ大王は、侍女たちに命じて、アマンダたち先輩妻たちも、アンジェリーヌたち新妻たちも、分け隔てなく鰐の顎地獄温泉に投げ込ませ、みんなが歯のない鰐にオッパイを咥えられたり、オシリを鰐の長い顎で突かれたりして悲鳴を上げ、温泉の中を逃げ回るのを笑い転げながら見ていた。
侍女といえど鬼人なので力が強く、とてもではないがアンジェリーヌたちは抵抗もできずに、モモコ大王の思うがままに地獄温泉で弄ばれたのだった。




