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#04 ミタン城

 ルークたちはミタン城で丁重にもてなされた。


 それも当然だろう。ミタン王国の第一王女と宰相夫人を助けたのだから。

謁見の間に通され、ミタン王はアンジェリーヌ王女とクレール侯爵夫人をオークたちの手から救ったことに対して感謝された。


 もっとも、ルークたちも高貴の者-貴族-らしい出で立ちをしていたので、不審がられることも、見下されることもなかったのだが。


「私はミタン王国宰相のマルロン・ブランデック・ドゥ・クレール侯爵です。この度は、王女さまとともに妻のアドリーヌを救っていただき深く感謝いたしますぞ」

宰相から礼を言われて、アドリーヌさんの地位がわかってびっくりした。

「ええっ、クレール侯爵夫人って、宰相の奥さんだったんですか?」


宰相の後ろに控えているアドリーヌ夫人を見ると、彼女がちょうどルークを見たのと合い、公爵夫人はまたポッと頬を赤らめた。


アンジェリーヌ王女からは、先ほどから痛いような視線を感じている。

バルバラ王妃と紹介のあった王女の母親が、興味深そうにルークと王女を見ている。

王妃は水色の髪と空色の目で、アンジェリーヌの妹だと紹介されたジョスリーヌ王女と同じ髪と目の色だ。


そして、先ほどから、うるさいほど効果音と誰かの声がルークの頭の中にひっきりなしに響いていた。


パパパ パパパパ~ パパパ パパパパ~♪


《クレール侯爵が お友だちになりました!》

《バーボン王が お友だちになりました!》

《バルバラ王妃が お友だちになりました!》

《ジョスリーヌ王女が 仲間に加わりました!》


相変わらず、“お友だち”と“仲間”の違いはわからない。



そして、宰相がやはり訊いて来た。


「それで、ルーク殿と従者の美しい騎士の皆さんは、何用あって、この辺鄙(へんぴ)なミタン王国へいらしたのですかな?」


テルースの世界と呼ばれる世界らしいことは知っているが、それ以外は何もわからない。

下手に隠しているよりも、ここは正直に話した方がいいだろう。


「実は、私たちは別の世界から来た者です。その世界では、私はある国のということにしたで、彼女たちは私の王妃と子どもです............... というわけで戦いに破れ............ 命からがら別世界への通路を通って出てきた場所が、ちょうどブタゴン、あ、いや、オークに王女さまと侯爵夫人さまが乗られた馬車が襲われている街道の近くだったのです」


説明は長くなったが、ルークは謁見の間に居並ぶ全員を“信んじてください”と願いをこめた目つきで見渡すと、王を始め、宰相も厩舎伯も近衛隊長のアルビオンから、執事、衛兵にいたるまで、()()()()()()()()()()()()()()

そして、バルバラ王妃を始め、()()()()()()()()()()()()()()()()

もちろん、侯爵夫人とアンジェリーヌ王女はさらに魅了され、妹のジョスリーヌ王女も魅了されてしまった。


「なるほど... まことに奇妙なことだな?」


アドリアン・ドゥ・バーボン王が、興味深そうな顔をしている。


「ともかく、ルーク殿たちもオークとの戦いでお疲れであろう。部屋を用意させるので、そこでしばし休まれ、夕食の時にまた詳しい話を聞くとしよう」


「バーボン王さま、お言葉に甘えて少し休ませていただきます。身重の妻もいます事ゆえ」


「おお、身ごもっておられる奥様もいられるのですか、それでは早く部屋を用意させましょう!」


クレール宰相が言うと、すぐに執事が先に立って部屋に案内してくれた。


執事マクシミリアンが案内してくれた部屋は、かなり立派で居間のほか寝室2つとバス付きでメイド部屋まで付いていた。


「すぐに風呂の用意をさせますので、しばらくお待ち下さい」


マクシミリアンが出ていって10分もしないうちに、バスルームにある大きな木造製のバスタブに、外から(とい)を伝ってお湯がバスタブに満ち始めた。


「少しぬるめのお湯ですけど、体を洗う分には問題ありません」


アマンダがそう言いながら、ルファエルの服を脱がし、体を洗ってやっている。

プリシルも娘のマイレィの服とオムツをとって、洗いはじめた。

子どもなのでいっしょでも構わないのだろう。


ルークがリリスとハウェンに手伝ってもらいながらプレートアーマーや腰を外しながら- バスルームのドアは開けっ放しなので- 見ていると、床の上に洗った子どもを置いて、アマンダとプリシルがさっさと服を脱いで- 防具や武器は部屋にはいってすぐに外していた- さっさとハダカになって、バスタブの中に入り、子どもたちを抱き上げていっしょにはいった。


「ルークさま、私たちもいっしょにはいりましょうよ!」


「そうしましょ、ルークさま!」


「お、おう...」


リリスは水色のドレスだけなので、さっさとハダカになって、ハウェンのプレートアーマーを外すのを手伝ってやっている。リリスもハウェンもルークの妻なので、ハダカを見られえても全然平気なようだ。



 それから... 


ルークと四人の美女と、二人の子どもたちのにぎやかなバスタイムとなった。

アマンダとプリシルは、それぞれルファエルとマイレィに授乳している。

ルファエルは10ヶ月でマイレィはわずか生後3ヵ月なので、まだ母乳が必要なのだ。

ルークは、ピチピチしたハダカの美人妻たちと、しばし楽しい時間を過ごす。


 子どもたちは小さいので、親たちが何をやっているのかわからない。

母親やほかの“きれいなおばさん”たちが、はしたない声をあげたりしても、いっしょに遊んでいると思ってさらによろこぶのだ?


 アマンダは19歳、プリシルは18歳のピチピチ美女だし、リリスとハウェンは15歳と16歳というJK並の若さだ。ルークもガンバるっきゃない!?


「ふ~ぅ... なんだか1年ぶりにしたみたい...」


アマンダが、なにも着ないでベッドの上にうつぶせになってリラックスしている。

プリシルはマイレィと添い寝しているが、彼女もハダカだ。


リリスとハウェンは化粧台の前で、おたがいに髪をブラシで梳かしあっている。

そして... この二人も何も着ていなかった。


プランプランと- 意識的か無意識かわからないが- 魅力的なオシリを(まるでルークを誘惑するように)ときたま持ち上げているアマンダを見て― 

(アマンダの思惑通り?)ふたたび元気になったルークが襲った。


「あれ――っ、ルークさま――!」

アマンダが、芝居気たっぷりにおどろいたような声を出す。

そこにマイレィを寝かせつけたプリシルとリリスとハウェンが折り重なるように倒れかかり... 

またしばし、エデンの園を楽しむルークだった。


 しばらくして- 

妻たちが満ち足りた顔で寝ているのを見ながら、ルークはベッドに仰向けになり天井を見ながら考えていた。


“テルースの世界の文明や科学技術発達レベルは、地球で言えば、中世初期ころだろうか。

前に転生したあの世界のような「銃」「大砲」などといった武器などは、まだ発明されてないようで、騎士や兵たちは、槍や弓、剣などしかもってない。

ミタン城に来る途中にも、町の中にも川にそっていくつもの水車が見えたことから、おそらく水力ミル-水力工場-くらいはあるのだろう”


そんなことを考えているうちに、前の世界でのバッドエンディングや、今日の森でのオークとの戦いなどの疲れが出たのか、知らないうちに眠ってしまっていた。





 コンコン…


ドアを小さく叩く音で目がさめた。


ルークといっしょに寝ているのはリリスとハウェンで、アマンダとプリシルはルークが寝ている間にお気て、ルークが寝るのにじゃまにならないように子どもといっしょに別の部屋で寝ているようだ。


「ムニャムニャ... □□□□さまぁ...」


「もっとハグしてくださぁい...」


リリスとハウェンは、かわいい寝言を言って、おたがいに眠ったままハグしあったりしている?


“おいおい、□□□□さまなんて、呼ぶなよ...”


魔王だった時の名前を寝言で言っているリリスを見て肩をすくめながら、以前のクセでつい「入れ!」と言ってしまった!


「ルークさま、着替えの服と食べ物を少し... キャっ!」


開けられドアから、頬を紅潮させて期待いっぱい目で部屋にはいって来たアンジェリーヌ王女とジョスリーヌ王女がフリーズし、そのあとに続いていた侍女とメイドたちが王女たちの背にぶっつかり... 


ガチャン ガチャン!


銀トレーに乗せていた銀食器が派手な音を立てて床に落ち、クッキーが散らばり、紅茶がぶちまけられた!


「どうも申し訳ありません!」

「お許しくださいっ!」

「すぐに片付けます!」


侍女とメイドたちが狼狽して、二人が床に落ちたものを片付けはじめ、もう二人が急いでもどって行った。

だが、侍女たちの手は動いてはいるものの... 目はベッドから裸の半身を起こしたルークから目が離せないので全然片付けがはかどらない。


アンジェリーヌ王女とジョスリーヌ王女は悲鳴をあげたあとで、手を口に当てたままで()()()()()()()()()()()()()していた?


5分たったのか10分たったのかわからないが、先ほど駆けていったメイドがあらたに用意したお茶とクッキーを載せた銀のトレーをもって帰って来た。


「あら... まだ片付け終わってなかったの?」


その言葉にハッとフリーズ状態から冷めたアンジェリーヌ王女が、動転した口調で言った。


「はやく、床にこぼれたお茶を拭いてっ!」

「は、はい!」

「はい!」


その声に、ようやく落ちた銀食器やクッキーを銀トレーに載せたメイドは、エプロンでゴシゴシと床を拭きはじめた。


あらたにクッキーとお茶をもって来たメイドたちは、手に銀トレーをもったまま、ボーっとハダカのルークを見ている。


「あら、あら、何が起こったのかと思ったら、お姫さまたちがルークさまに見とれちゃっているのね?」


見ると、アマンダが堂々とミス・ユニバース並のプロポーションボデイを余すところなく見せながら、となりの寝室から出てきた。




ミタン国。読みやすい国名を― と考えてつけたら、紀元前16世紀頃にフルリ人がメソポタミア北部のハブル川上流域(現在のシリアあたり)を中心に建国した王国― というのがありました(-_-;)

独瓈夢(どりいむ)の別著『DK世界に行ったら100倍がんばる!』でも、日本の隣国の超大国をモデルにした『大興国』という国名を考えたのですけど、2020年ころかに実際にその超大国に大興空港という新空港が作られたと知っておどろきましたΣ(・□・;)

ちなみに、独瓈夢(どりいむ)自身は斬新的なネーミングだと思ったのですが、その超大国には大興の名前がついた会社とかいっぱいあるみたいです…




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