#4‐19 クール・ゴールデンロード大公
ルークタラス城―
ルークはアマンダたち王妃といっしょに、“平安の間”でくつろいでいた。
『平安の間』は、ルークが王妃たちや親しい者とお茶を飲んだり話をしたりする部屋だ。
暖炉には火がいれられ、部屋は暖かった。
ハウェンが淹れたばかりのお茶を注いだティーカップをエイルファとメロミン、アリシアとエリゼッテの4人がルークと王妃たちに給仕している。
エイルファは16歳、メロミンは15歳で、ミカエラの妹たちだ。
アリシアは 14歳で、元ブレストピア国の第二王妃ラーニアの長女で、ルナレイラ王妃の異母姉妹ということになる。
彼女たちは、ルークが引き取って教育と躾を教えている。と言っても、すべてアマンダやプリシルたちに丸投げなのだが。
アマンダたちは、これらの娘を“どこに出しても恥ずかしくない女性”にするべく躾けていた。
ルークが気に入ったなら妻にするのもよし、愛人にするのもよし、とアマンダたちは考えている。
アマンダたちは、いかにしてルークさまをさらに幸せにすることが出来るかに腐心していた。
お茶を楽しんでいるルークの膝に乗っているのはビア王女だ。
つい今までは、エリゼッテが乗っていたのだが、「今度は私の番よ!」と言ってビアが乗ったのだ。
エリゼッテはボードニア国王オルガスの次女で13歳。リエル王女の妹だ。
ビアは元ブレストピア国の第二王妃ラーニアの次女でアリシアの妹で12歳になる。
エリゼッテもビアもまるでルークの手乗り文鳥のように、いつもルークに甘えているし、ルークも自分の娘のようにかわいがっている。
ルークにはプリシルとの間にマイレィという,3歳になる娘がいるのだが、3歳の娘のかわいさと大人になりかけた少女のかわいさと言うものは全く違う。
ルークはエリゼッテとビアが、どのようにして美しい女性へと成長していくかに興味があった。
なので、エリゼッテとビアがルークタラス城で暮らすようになってからは、いつもほかの王妃たちといっしょに風呂にはいるようにしている。
いや、風呂というのは正しくない。正しくは浴場だろう。
ルークは前の世界で魔王であった時に、総大理石造りの豪華な大浴場をもっていた。
床も壁も天井も最高級の大理石を張った大浴場は、魔王であった彼が魔王妃たちと戯れるとろこだった。
ルークタラス城の宮殿内に作らせた大浴場は、魔王であった時の浴場と同じく、最高級の大理石をふんだんに使った造りで、浴場の中には大小の立派な彫刻アートが飾られている。そして獅子の頭をかたどった彫刻からは、滾々とお湯が流れ出ていた。これも前の浴場とまったく同じだ。
ルークと結婚後、初めて“混浴”すると知って驚き、恥ずかしがったのは、アイフィとヴァスマーヤ、それにルナレイラだった。
アンジェリーヌもジョスリーヌもソフィエッタも恥ずかしがらなかったし、ミカエラも「私はルークさまの妻なのですから、ルークさまとごいっしょにはいってもどうってありませんわ」と堂々と服を脱いで入った!?
アレクやアガリはなんでもないように自然体でお湯にはいった。
それを見て、アイフィやヴァスマーヤ、ルナレイラも恥ずかしさで真っ赤になりながらも、肝心のところは手でかくしてはいろうとしたが―
「あなたたちは何をやっているのですか? 夫であるルークさまの前で体をかくすなど妻として許される行為ではありません!」
見事なプロポーションの体で、お湯の中で仁王立ちになったアマンダから厳しい叱責をあびた。
「ひっ!申し訳ありませんっ!」
「ごめんなさい!」
「お許しくださいっ!」
アマンダから睨み殺されるような厳しい目で見られたアイフィたちは、真っ赤になりながらも手を下ろし、お湯の中にはいって行く。
“く――ぅ… これが混浴のよさだ!”
真っ裸の絶世の美女たちに囲まれ、まるで極楽のような気分でルークはお湯を楽しむのだった。
今日もエリゼッテとビアの二人は、たっぷりと浴場で楽しんだあとでプリシルに追い立てられ、侍女が服を着せるために連れて行った。子どものお風呂の時間は終わりだ。
これからは、大人の時間だ。
いまだに恥ずかしがるアイフィやヴァスマーヤやルナレイラを、相手に浴場であんなことをしたり、こんなことをしたりして(夫婦が浴場でどんなことをするか勝手に想像するがいい)戯れるルークだった。
ひとときの戯れが終わったあとで
アマンダ、プリシル、リリスとハウェンたち四人の王妃たちがルークのそばに寄って来た。
アイフィやヴァスマーヤやリエルやルナレイラたちは、戯れのあとで大理石の床の上で疲れ切って横になっている。
ルークはアマンダ、プリシル、リリス、ハウェンと順番にチューをする。
それが終わると、ルークはお湯の中でアマンダを膝の上に乗せた。
「ルークさま... 私だけを膝に乗せては...」
アマンダがプリシルたちを気遣う。
「かまわない。おまえが私の二番目の妻で、このテルースの世界にまでついて来てくれたのだから、これくらいの特権はプリシルたちも許すだろう!」
「アマンダさま、私は一向に構いませんわ」
「私もですわ」
「たまにはアマンダさまも、ゆっくりとルークさまに可愛がってもらってください」
プリシルたちの言葉に、アマンダも遠慮しながらもルークに体をあずける。
ルークはしばらくアマンダの体をさわっていたが
「ワチオピア地方の太守たちの説得の折に、おまえたちが果たしてくれた役割は大きい!」
とアマンダたちを褒めた。
ルークにさわられて気持ちよくなっていたアマンダは驚いた。
プリシルたちも大きく目を開けた。
ルークが彼女たち― もっとも古い王妃たちを褒めるなどということは滅多にない。
彼は新しい王妃たちをよく褒める。
それはそれで必要なことだとアマンダたちは理解している。
いくらルークの“魅了”スキルでアンジェリーヌたち新王妃の心をつかんでいると言っても、やはり口で直に愛の言葉や誉め言葉を聞くのはうれしいものなのだ。
ルークはいつも新女王たちを機会があるごとに褒める。
そして、彼女たちは褒められると、とてもよろこんで次のミッションも意欲的にやってくれるのだ。
「いえ、私たちはやるべきことをやっただけです」
ルークの念入りなスキンシップにアマンダは息を弾ませながら答える。
「そうですわ。私もアイフィもミカエラも、当然の任務を果たしただけです」
ハウェンが大理石の床の上でのびているアイフィたちを見ながら言う。
ルークは仮面をかぶり、無双の剣士アマンダ、絶対防御のリリス、そしてアイフィとミカエラをともなって、クール・ゴールデンロード大公と称してワチオピア地方の三人の太守と会談し、 ルーボードタン連邦に加入させたのだ。
「でも、あのクール・ゴールデンロード大公のお芝居は、予想以上にうまく行きましたわね?」
プリシルがルークに愛されているアマンダをちょっぴり羨ましそうな顔で見ながら言う。
「あの手を使って、ほかの国とも交渉すれば、 ルーボードタン連邦はさらに広がりますわ」
リリスもプリシルと同じ意見だ。
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アマンダはルークからたっぷりと愛されてグッタリとなってしまった。
ザバ――ッ!
ルークは、アマンダを抱えてお湯から出ると、アンジェリーヌやジョスリーヌ、それにアイフィたちのとなりに寝かせた。
新王妃たちも、ようやく疲れが回復したようで、なんだかちょっぴり恥ずかしそうな表情でルークを見上げている。
それから順番に―
プリシル
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リリス
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ハウェン
と順番にかわいがったルークは、
ふたたびアンジェリーヌたちを呼んだのだった。




