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#4‐03 ヤーダマーの塔③

ゲネンドル王とマイテ王妃は、ルナレイラとカレブの命乞いをし、ルナレイラは両親であるゲネンドル王とマイテ王妃、そして弟のカレブとほかの家族たちの命乞いをした。


四人が花壇でひざまずいているのを塔の窓から見ていた子どもたちも何やら騒然としている。

「ゲネンドル王さまにマイテ王妃さま、それにルナレイラ王女さまもカレブ王子さまもお立ちください。ルーク王殿もデュドル公爵殿も誰も処罰をしに来たのではありません!」

警備隊長があわてて説明する。


「ゲネンドル王にマイテ王妃、そしてルナレイラ王女とカレブ王子。私もベンケー・シュテン大王も、あなたたちを処刑するつもりも処罰するつもりもありません」

「ルーク王殿のおっしゃった通りです。ルーク王殿はルナレイラ王女さまを...」

デュドル公爵がそこまで言った時、塔の入口から2人の女と子どもたちがルークたちに向かって走って来た。


「お願いですっ!デルンさまとマイテさまとルナレイラとカレブのお命をお救いください!」

エプロンをしたネコ族の女性が叫ぶ。

「代わりに、この私を処刑してくださいっ!」

こちらもエプロンをしているが、ネコ族の女性だ。

「いえ、ラーニアの代わりに、私を処刑してください!」

「わ――ん!誰も処刑しないで――っ!」

明らかにネコ族の女性の娘とわかるエプロンをつけた若い娘が泣きながら哀願する。


「お願いしますっ、お父さまもマイテさまもルナレイラもカレブも悪いことは何もしてません!」

「殺さないでください!え―――ん え―――ん!」

ウサギ族のエプロンをした娘も泣きながら嘆願している。

女たちはゲネンドル王たちを庇い、娘たちも泣いて助命をした。



「みんな静かになさい!」

アマンダが大声で叫んだ。


「ひっ!」

「きゃっ、アマンダさまが怒った?」

ジョスリーヌやソフィエッタがビックリしている。


だが、哀願をしていた女たちも、泣いていた子どもたちも、アマンダの剣幕に驚いて静かになってしまった。

ルークもデュドル公爵も、ジャデ・マイーザも驚いている。


「ルーク王さま、デュドル公爵さま、それにジャデ・マイーザさま、申し訳ありません。こうしないと落ち着いて説明できないと思いまして」

「あ、いや、別段構わない」

「いえ、私も構いません」

「少し驚いただけですわ」


みんなが静まったのを見て、ルークは話しはじめた。


「先ほどもゲネンドル王殿とマイテ王妃、ならびにルナレイラ王女とカレブ王子に言ったように、私もベンケー・シュテン大王も誰も処刑も処罰もしないので安心して欲しい」


ホッ...

ふぅ…

よかった。

安堵の声が聞こえた。



庭でのひと騒動のあとで塔の中に案内されて、一階の広間であらためてゲネンドル王一族を紹介された。


ヤーダマーの塔に住んでいるのは― 


元ブレストピア国王 デルン・リッグラム・ゲネンドル 54歳 (ライオン族)

      第二王妃 マイテ・タイース・ラドリン    35歳 (エルフ族)

         長女 ルナレイラ・ジュリエッテ・ゲネンドル王女 17歳 

         長男 カレブ・リッグラム・ゲネンドル王子 16歳


      第三王妃 ラーニア・セリナーユ・アイヴァー 32歳 (ネコ族)

         長女 アリシア・マリーナ・ゲネンドル王女 14歳

         次女 ビア・エレオラー・ゲネンドル王女  12歳


      第四王妃 モナ・シベーレ・ジェニヴィエルブ 26歳 (ウサギ族)

         長男 ジオン・リストエル・ゲネンドル王子 8歳

         長女 キアラ・ノアステラ・ゲネンドル王女 4歳


      それに侍女3人と使用人が2人いるそうだ。



 ルークは、ヤーダマー城訪問の理由をアマンダに説明させた。

先ほどの一喝で、ゲネンドル王たちはアマンダ王妃がルーク王に次ぐステータスをもつことを理解していた。


「......というわけで、ルーク王さまは、ゲネンドル王の娘にご関心がおありになのです」

一通りの説明をし終わってから、アマンダはあらためてルナレイラ王女を見た。


“この美しさ... 神様か創造主様か知らないけど、よくこのような美しい娘を生まれさせたものね…”

アマンダが感嘆するほどルナレイラ王女は美しかった。


「ルナレイラ王女、あなたルーク王の15番目の妻になる覚悟はあるの?」

単刀直入にアマンダは訊いた。


「え?.........」

ルナレイラはルーク王が自分を妻に娶りたいということは理解したが、15番目という意味がよくわからなかった。

「つまり... 私はルーク王さまの第一王妃。そこにいるプリシルが第二王妃、リリスが第三王妃で、ハウェンが第四王妃。あとは省略して、一番端にいるヴァスマーヤが第十四王妃なの。だから、あなたは15番目の第十五王妃になるというわけ」


「アマンダさま、ヒドイ!あとは省略なんて!」

「そうですわ。ちゃんと序列を紹介してください」

「静かになさい!」

アンジェリーヌとジョスリーヌが口を尖らせて文句を言ったが、アマンダにピシッと言われて沈黙してしまった。



 ルナレイラ王女は、ルークとずらりと前に座っている13人の王妃たちを見た。

14人いるのだが、モモコ大王はラーシャアグロス王国での職務のために来れなかったのだ。

というのは言い訳で、おそらくルークが新しい妻を見に行くのが面白くないので来なかったというのが本当のところだろう。


深く息を吸ってからルナレイラ王女は言った。


「お父さまの家族の安全を保証してくださるのなら、私は15番目でも20番目でも構いません」


パパパ パパパパ~ パパパ パパパパ~♪


《ルナレイラが 仲間に加わりました!》

という声がどこからか聞こえたが、ルーク以外には聞こえないのでアマンダは続けた。


「いや、あなたは15番目よ。20番目は...」

アマンダが言いかけた時、ルークが遮った。

「20番目まではいかないだろうが、もしかすると18番目くらいは行くかも知れないね」

「え?」

「ええっ?」


 第二王妃ラーニアと第三王妃モナが、自分の娘たちを見た。

彼女たちは、ルークの言葉の意味がわかったのだ。

アリシアとビアはキョトンとしている。キアラなどはとなりに座っているジオンと肘をつつきあって遊んでいる。


ゲネンドル王も王妃たちの反応を見てわかったらしく唖然となった。

アリシアは14歳、ビアは12歳だから、あと数年もすれば結婚適齢期に達する。

キアラはまだ4歳の子どもなので、18番目の妻になる可能性はかなり遠い。


「よろしいですわ。それでデルンさまとマイテさまたちの安全が保証されますのなら」

「わたくしも構いません。デルンさまとマイテさまとラーニアさまたちが、平穏に暮らせることを保証してくださるのなら!」

ラーニアとモナはルークの目を見てきっぱりと言った。


「... よろしい。アリシア王女とビア王女を将来妻にするかどうかは別として、元ブレストピア国の王族にふさわしい生活は保証しよう。ただし、ただで贅沢はさせない。 ゲネンドル王にもマイテ王妃にも、ラーニア王妃にもモナ王妃にも何か仕事をしてもらう。それでいいな?」

アマンダさえ驚いて半分口を開いたままになったほどの、ルークの思い切った決断だった。


「はい。それで結構でございます、ルーク王さま」

「デルンさまとご家族の安全を保証していただけるのでしたら、どんなことでも致します」

「わたくしもラーニアさまと同じ決意です。なにとぞよろしくお願いいたします」

三人の元ブレストピア国王妃は深く頭を下げた。

王女たちや王子たちも同じように頭を下げる。


「ルナレイラ王女はたいへん美しい。私の妻にふさわしい美貌と優しい心をもっているようだ。それに、アリシア王女とビア王女も、それぞれ母親に似て結構美人だ。リエルとともに、将来、私のよき妻になれるかも知れない」


ルークが言い終わったとたん、


パパパ パパパパ~ パパパ パパパパ~♪


《アリシアとビアが 仲間に加わりました!》 という声がどこからか聞こえた。


“むっ... これで、この二人の美少女も将来、私の妻になることが決まったな!”


ルークはもう一度、アリシアとビアを見た。

アリシアとビアは、少女らしからぬ目つきでルークをそっと見返した!?



 ただ、ルークが14人の王妃をもっているというのは、本当は正しくない。


なぜなら、ボードニアン王国から“押しかけ花嫁”ならぬ“押しかけ婚約者”としてルークタラス城にやって来て住んでいるリエル王女とはまだ結婚式を挙げてないが、近い将来妻にすることが決まっているからだ。




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