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決別の血
それは炭酸水のようだった
炭酸水のような出来事で
炭酸水のような惨状で
炭酸水のような感情で
炭酸水のような彼女は
炭酸水のようにいなくなってしまった
希望を持ちたかった
赤薔薇のトゲが痛々しく突き刺さっている
でも不可能だった
彼女は目の前で、血を吐きながら、笑って目を閉じた
見れば、わかってしまった
微かな口の動きに俺は叫んだ
彼女は絶対に助からない
目の前の男に彼女に刺さっていた赤薔薇を突き刺す
大好きな恋人の死が確定した
男の死が確定した
左手に残ったピリピリとした痺れがやけに気持ち悪い
ドロリとした手が嫌になって切り落とした
流れ出る血が炭酸水のように弾ける
それから5年は本当に水のようだった




