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薔薇の庭園
車の音で遮られた彼女の言葉を俺は知らない
小鳥が囀り木を踊らせて
虹色の薔薇が咲き乱れる庭園を
黒い目でのんびりと眺めて回る
やっぱり彼女は炭酸水を持ってる
綺麗だね、と彼女は言う
そうだな、と素っ気なく返す
彼女はどうせ見破っている
悪戯に彼女は炭酸水をこぼす
炭酸がトゲに当たって弾ける
静寂な庭園に破裂音が響き渡る
半分ほどこぼせば残り全てを彼女は飲み干す
空になったペットボトルを俺に押し付けて
彼女は薔薇のアーチをくぐり走った
ごめん、君の分飲んじゃった、と苦笑を浮かべる
別にいらないよ、と苦笑を浮かべる




