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その翼は何処に向うのですか?  作者: 十六夜 来夢
10/11

傷が癒えてく翼

あれから四人は京都を観光し、思い出をスマホに保存し次の場所を訪れて人の優しさに触れた気がした。

各地を回って撮った写真はどれも四人で写り込んでいた、もちろん自撮り棒など使わず行く先々で同じく観光してる人に話しかけ撮って貰った写真に何処から来たのとか、四人で?とかいわゆる世間話をした。


その中には自分達を毛嫌いする人など誰も居なかった、今まで四人が受けてきた痛み、悲しみ、苦しみなどは一切なく、とても親切にしてくれた。


そして四人は街から街へと移動し、日にちが経った12月中旬に岡山県に四人はいた。


「かなり来たよね」


千里は三人に笑顔で語りかけ、三人も頷きながら道を歩いていた。

色々見て、人に触れ、仲間が出来、思い出までも四人には嬉しいことばかりだった。

確かに嫌な場面を見てしまったり、泣いたりとあったがそれを上書きする位の楽しい思い出で胸が一杯だった。


四人は九州の福岡に来ていた。色々な場所を見て食べてスマホで記録し、そんな中省吾と如月はかなり仲が良く周りから見ればカップルみたいだった。

幸大は省吾から「如月に告白する」と聞いていて成功したんだと思った。

何故か、幸大は寂しく思ってしまう。

もし二人が旅を終え居なくなったらと考えてしまったが、もとからそういう条件、目的地や目標が出来たらと。


「ねぇ、新井君。後で話があるの」


如月が幸大に言ってきて幸大は覚悟した。

夜ホテルに到着してから、一通り終えた後で如月とラウンジで待ち合わせした。


「如月、話ってなんだ?」


幸大は如月に聞いた。

如月はラウンジで座って幸大を見つめていた。すると立ち上がり幸大の手を取り外に出た。

少し歩き近くの小さな公園にたどり着いた。


「やっぱ夜はこっちも寒いね」


白い息を吐きながら如月は幸大を見た。

幸大は何も言わずにベンチに座り空を見上げた。

それを見た如月は一緒に空を見上げ幸大に告げた。


「私、私ね、省吾に告白されたんだ」


幸大の予想通りに如月は付き合い始めた事を告げ、頷いて聞いていた。やはり終わるのかなと思った幸大の脳裏に今までの思い出が蘇った。

新幹線で如月会い、旅をして省吾に会い楽しい旅をして千里にあった。


「そして、私は色々な体験、人と触れ合い生きる意味を分かった気がした。」


如月が喋って告げた言葉にどんな思いがあるか分かる気がした。そして、如月を見た幸大には如月の背中に翼が見えた、片方だけではなく2枚の翼が見え、あぁ如月は飛立つ為の翼、傷が癒えたんだなと思ったら何故か涙が溢れそれを見た如月は幸大の手を優しく包んだ。


「新井君、私は立ち直れる気がする。だけど旅は続けたい。皆が目的を見つけれまで」


如月はやめる選択をしないで幸大達と旅をすると決意した。もちろん省吾と話し合った結果らしい。

二人は幸大達がまだなのを知っていた。だから見つけるまで付いてくのは当たり前だと、仲間だと。


「ありがとう。」


幸大は如月に感謝の言葉しか出なかった。

こんなにも自分を思ってくれる仲間がいる事を実感し、大切さを知った。幸大にも目的は見つかっていたのかも知れない。

ただ、居なくなるのが寂しくなってしまうから逃げていたのかも知れないと。


その後はホテルに戻り部屋で別れた。

幸大の部屋には省吾が待っていた。省吾は何も無かったかのようにいつもの顔していて幸大に接していた。


「明日はどこいくよ」


「そうだな、明日は、ちょっと皆で話がしたいかな。」


省吾はそれを聞くと頷いてくれた。多分皆も同じ事を考えていたに違いないと思った。


幸大は省吾の背中にも如月と同じく傷が癒えた翼を見た。本当は前から見えていたが目を背けていた。自分だけになったらと考えてしまって、現実から背け認めなかった。だが、如月と省吾は離れずに一緒に飛ぼうと待っててくれる。

本当に嬉しかった。


仲間、大切な仲間、場所が違っても繋がりがあり、信頼があるが時に裏切りがあったりする場合がある。

裏切られた時の傷は深く痛い。だが、この四人なら裏切りはないと確信している。だって一緒に旅をして、笑い合い時には自分達の傷を話合って分かち合って来た。


友達は多くても本当に信頼が置ける人は日本にどれだけいるか。

信頼関係が崩れた人はどれだけいるのか。

人は裏切りが怖いから上辺だけの関係でいつまで保てるか。

そんなのは嫌だ。そんな関係ならいらない。

幸大は明日皆に自分の思いを話そうと決めた。

もしそれで無くなる関係なら仕方ないと覚悟を決め、寝る事にした。 


翌日、ラウンジで四人は揃い外に出てから幸大は三人に話があると言い近くのカフェ店に入り昨日の話を切り出した。

三人は真剣な顔で幸大を見て話を聞いた。

話は長いようで短い。話終えた時には幸大の頬には涙が流れていた。それを千里はそっとハンカチで拭いた。


「皆は見つけたか」


話を切り出したのは省吾。

省吾は自分はこの旅をして、何を得たか話しだした。

自分探しを最初はして付いてきたが、自分には何が足りないとか何が欲しいかと考えて旅をした。そして、省吾は自分を認めてくれる仲間が欲しいと目的が分かりそして、今いる仲間が自分の答えだったと言う。


次に如月も、最初は逃げて旅をした。そして、幸大と出会い目的は違うけどこの人に着いていけば何か分かる気がすると思って着いていき仲間が段々と出来て、今までの辛さがちっぽけに見えて自殺しようとした自分が馬鹿だったと思え、四人で色々回って馬鹿な話をして、私は今まで味わったことない位楽しかった。そして、目的地は信頼出来る人に出会い、いい人は一杯いる事が分かった。これからも頑張れると思った。


千里も家出して、皆と出逢い一緒に旅をさせてくれて、涙しか出なかった。そして、皆と思い出を作りこれからもこの四人なら何かあっても乗り越える事ができると信じてる、それに辛くても生きていける。そして、千里は最後に幸大に言った。


「幸大、私は幸大が好き。」


幸大は固まっていたが、省吾と如月は喜んでいた。

どうしたらいいか幸大は分からなく、しかもそんな話をしてたわけでもない為に困ってしまった、もちろん千里の好意には嬉しかった。


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