第一部 翼が消えた少年
よくある事だ。
それは日本だけしゃなく全世界でいつでも起きる出来事。
例えば、不慮の事故、学生達の喧嘩やイジメに、子供が何を発言しても聞いて貰えない。
何かあれば、よくある事だと、話も聞かずに大人は結論を出してしまう。
大人は何でもよくある事だと一言で終わらせてしまう.....
だが、違う....
聞いて欲しかった。
耳を傾けて欲しかった。
優しくされたかった。
............................
この街が嫌いだった、毎日同じ景色に同じ時間で動く人。
自分は学生、毎日バス停でバスを待ち乗り込んで学校に行き勉学に励む、これは大人が勝手に作った社会に出る為の構成プログラム、働きアリ製造計画。
休まず学校に行けば皆勤賞だが、休んでも大丈夫。
社会に出れば何かあっても休めない、風邪で休めば職場の雰囲気が悪くなったりする、、、
いわゆる休ませない為、学生のうちから皆勤賞貰わせ休まない事は良いことだと洗脳する為の儀式。
何が勉強だ、何が部活だ。
ただ家畜同然で調教されてるだけじゃないか。
そう毎日思いながらバスに乗って学校に行ってはバイトを繰り返してる俺。
俺は 新井幸大 17歳 岩手県で生まれ、ごく一般の家庭に生まれ普通に育ったわけでは無く小さい頃に両親は不慮の事故で他界、小さい俺は親戚をたらい回され最後は施設行きが決まってた。
小さい俺は何度もよくある事だと大人達に言われ続け施設行きが親戚が集まり会議見たいな物が行われた。この時は最後に引き取られた家の大人に「今日、親戚が集まるから、そこで施設行くと言いなさい。」と皆が集まる前に言われた。
俺は空を眺めながら何故両親は置いて行ったのか尋ねたが返事は無く、視界が歪んで見えない位涙が溢れた。
「あら、そこで何してるの?風邪引いちゃうよ?」
小さい俺に誰かが話しかけてきた。
俺は涙を裾で拭きその人を見た、その人は女性で物静かそうな雰囲気の女性だった。
女性は何故か隣に座り俺に話をして来た。昔のことなので何を話したかは分からなかった、ただ俺は頷くだけだった気がする。
そして、親戚会議に呼ばれあの時に大人に言われた言葉を繰り返し喋った。声が段々震えて、でも泣いちゃいけないと頑張り言葉を繰り返した直後、何かに暖かく包まれた。
「大丈夫。大丈夫だから。」
小さい俺を優しく抱いて頭を撫でながら言葉を掛けてくれた人を見た、その人はさっき俺に話しかけてきた女性だった。
俺は大きな声で生まれて初めて泣いた。
「凛ちゃん、その子をどうするんだい」
「.......」
「聞いてるのかい」
「誰ですか、こんな、、こんな小さい子に言わせたのは」
その女性は俺を優しく抱きながら周りの親戚と言い争っていた。大人達は女性に「無理だ」とか「やめなさい」と言っていた気がするが女性も一歩も引かずに口論していた。
「私がこの子を引き取ります、それでは」
その後は女性に抱っこされ車に連れてかれ助手席に優しく置かれ、車は発進した。
「私がこれから貴方の世話をするからね」
運転しながら女性は俺に話しかけてきた。
俺はまた同じく回されると思った、一時間位走った。
周りの景色はあまり街灯がなくビル店なども無かった。
田んぼがいっぱいありTHE田舎だった。
着いた先は一軒家ではなく、アパートで部屋に入ると1LDKで部屋が一つにリビングダイニングがある一般的の間取りのアパート。
部屋は物が散乱とかなく全てが綺麗に整理整頓され服は衣装ケースに、本は本棚とちゃんと並べられていた。
それから女性と新しい生活が始まった。
遠慮がちな俺は徐々に女性に心を開いていったが、女性には致命傷的な事があった。それは料理である。
女性は料理が出来なく幼稚園に仕事帰りに迎えに来てそのまま外食かコンビニ弁当などが毎日、そこで新井幸大は家事スキルを習得して小学生になった頃から家事を一人で出来るようになっていた。
.......................
それから、何年も経ち無事に高校生になり通っていた。
「おい、起きなよ」
「........」
「おーい」ユサユサ
「んにゃ、おはよ、コウちゃん」
今起こした女性は新井幸大を拾ってくれた女性
新井 凛 38歳 独身
幸大を拾ったのが4歳の頃でそれから13年女性一人で育ててくれた恩人。あの時は24歳でよく引き取ったものだと関心する。
現在は岩手県北上市在住で学生の俺はアルバイトをしながらお金を貯め一つの計画を立てていた。
それはちゃんとこの世界を見て今までの景色より綺麗に見えるからと凛さんが言っていた。それで俺は本当に綺麗に見えるかが確認したくなり凛さんにお願いして、アルバイトをした。
凛さんは子供の言うことだからとか言わないでちゃんと話を聞いてくれて一緒に考えてくれて本当に優しい人だと日々感謝していた。たまに彼氏とか結婚しないのは俺のせいではと思って罪悪感がでる。以前に凛さんに言ったら怒られた記憶がある。
だからそれ以上は何も言わなかった。
起こした後はキッチンに立ち二人分の朝食にお弁当を凛さんに作っていたら眠そうに凛さんが居間のテーブルがある場所に座ったのでコーヒーを幸大はカップに注ぎ凛さんの居るテーブルに置いてキッチンに戻り食事を作った。
「ふぁ〜、いつもありがとうね、コウちゃん」
凛さんは昔から新井幸大をコウちゃんと呼ぶ、それは今もこれからも変わらないだろう。
朝食が並び一緒に食事をするが凛さんは出勤時間が学生より遅い為食べ終えると幸大は支度して、行ってきますと凛さん言って玄関を出る。そうそう、食器の洗い物(朝)だけは担当なので心配はない。
「ぅっ..寒いっ」
四季は秋から冬に変わろうとしてる11月、雪が降ればバスでの登校だが基本はチャリ通である。
お気に入りの音楽をスマホから流しBluetoothで繋いだイヤホンから流れ出し幸大の一日は始まりを告げるのであった。
読んでいただきありがとうございます。
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