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残酷な真実

シャンク含め3人はリガムルを捜索する。


サザルキ『シャンク!当てもなく探すのは非効率すぎるんじゃないか!?』


ナナミ『シャンクーそれはサザルキの言うとおりだよー、流石に目的を持って探さないと無理だよー』


シャンク『わかっている!だけど、この状況ではあいつは間違いなく裏切ってる!…』


もう100%に近い確率でリガムルの裏切りは見えてきてしまっていた。


いつも冷静に物事を判断、選択しているシャンクが動揺を隠せていない。


リガムルとの絆が深い分、捜索が余計に混乱していた。


当てもなくリガムルを探すシャンクを見てサザルキがシャンクの行く先に先回りをし、そして…


ベシッ!


シャンクの頬に平手打ちをした。


サザルキ『シャンク!しっかりしろ!お前が冷静じゃなくてどうする!?』


シャンクは立ち止まり、数秒微動だにしなかった。


少し経ってサザルキの胸ぐらを掴み、


シャンク『あいつは!!…あいつは俺と約束したんだ…必ずいつかマリヤ様の側近となり、命をかけてこのカシュパラゴ、マリヤ様、人々を守り抜くと…なんで…なんでだよリガムル…』


シャンクはサザルキの胸ぐらから手を離し、跪き、涙を止められずにいた。


そんなシャンクの肩に手をかけサザルキが語り始めた。


サザルキ『お前さっき言ったじゃないか、俺たちもそう。あいつとは長い付き合いだし、戦友であり、親友だ…だからこそあいつを正してやらないと。だろ?シャンク?…お前がその役をやらなくて誰がやるんだよ?』


ナナミ『シャンク…』


シャンクは少しの間動けずにいたが、サザルキのその言葉によって正気を取り戻し始めた。


涙を拭き、立ち上がる。


シャンク『正してやらないと…だよな…』


サザルキ『そうだ…』


ナナミ『みんなでリガムルを探しだそ』


シャンクの顔に迷いはなくなっていた。


シャンク『2人とも取り乱して悪かったな。もう一度リガムルを探し出す案を考える。とりあえずシドマに通ずる森に向かおう。』


シャンク、サザルキ、ナナミの3人はシドマに通じる道がある【呪われし森】へと向かう。


走り続けて20分で森の入り口へと辿り着いた。


ナナミ『ここっていつ来ても嫌な雰囲気だよね〜、寒気がする感じ〜、あれ?見回りの騎士たちは??』


この森の入り口には、シドマからの侵入を防ぐために騎士が何名か見回りをしている。


さらに奥にはマリヤ様の力を込めた結界が何重にも張られ、結界の奥もシドマに通ずる道は絶たれている。


シドマと繋がっていると言われているが、実質的には繋がってないも同然だ。


騎士が見回りをしているにはしているけど、まずシドマから侵入するのは不可能に近い。


サザルキ『いつもならこの辺に数人は居るはずなのにな。』


シャンク『おい…あれを見ろ…』


そう言ってシャンクが指を刺したそこには、騎士達の無残な死体が転がっていた。


ナナミ『ひどいなぁ』


騎士は10人以上が殺されていた。


サザルキが騎士達の亡骸を確認したところ、殺されてまだ間もないということがわかった。


サザルキ『近くにいるな…』


シャンク『2人とも剣を構えろ…』


そう言って剣を構えた時だった。


キーッン!


『ほぉ、やっぱりカシュパラゴの上級騎士は反応がいいな』


サザルキが急な攻撃を剣で防いだ。


だがそれに続くように何者かがナナミに斬りかかってきた。


キンッキンッキンッカーッン!


ナナミ『急に攻撃してくると危ないよー』


『僕の剣を防ぎ切るんだぁ、さっきの騎士たちとはレベルが違うようだね』


3人の前にカシュパラゴの騎士ではない者が2人立っていた。


シャンク『騎士達をやったのはお前らか?』


『先に手を出してきたのは向こうだからな。仕方なく斬ったまでだ。』


『そうそう。正当防衛ってやつだね。』


サザルキ『許さないぞお前達…』


3人の中で怒りが込み上がってきていた。


ただ、怒りの中に冷静さを忘れていないシャンクが話を淡々と進めていく。


シャンク『何処の回し者だ。』


それを聞くと向こうの2人は顔を見合わせコソコソと何かを話し始めた。話が終わったのか、またこちらを向く。


『あんまりその辺の話はするなと言われているが、どうせお前らもそこの奴らと同じになるから教えといてやるよ。』


『僕達はシドマから来たラファスとルドワード』


ラファスとルドワードといえば、シドマの上級騎士。


カシュパラゴは上級騎士に相当する力を持ち合わせていたとしてもマリヤ様、四大騎士様、側近達によって厳選された6名と人数が定められている。


それに対しシドマは上級騎士に人数を定めていない。

したがって、多くの上級騎士がいると言われている。


その中でも特に強者と言われている者たちが、カシュパラゴの話に上がってくる。


その強者の中にラファスとルドワードは入っていた。


ナナミ『まったく厄介な方々がお越しになったもんだねー』


サザルキ『ラファスとルドワード…本気で行くしかなさそうだな。』


ナナミとサザルキが剣を構えると同時に、向こうの2人も剣を構える。


そしてこれから戦闘が始まろうとした時だった。


『ラファス、ルドワード、待て…なるべく戦いは避けろと言われただろ。』


そう言って奥から現れたのは…


シャンク『やっぱりお前か…リガムル…』


やはりサヤの読み通りだった。


信じたくない事実が目の前に現れた。


リガムル『シャンク、お前はやっぱり感の鋭いやつだなぁ。昔と変わらないよそこは。』


シャンク『リガムル!なんでカシュパラゴを…俺たちを裏切ったんだよ!?』


リガムル『裏切ってない裏切ってない!元々俺はシドマの騎士だ。最初から今まで何も変わってないよ。』


サザルキ『お前俺たちと乗り越えてきた訓練の日々は何だったんだ!』


ナナミ『リガムルー私あんまり気にしない方だけど、これはショックだなぁー』


リガムル『サザルキにナナミ、俺はシドマの騎士ではあるが、お前達との思い出に嘘はないぞ。あの訓練辛かったよなぁーうんうん、あー懐かしい。』


リガムルはシドマの騎士ではあるようだが、俺たちに対しての仲間意識は失われていないようだ。


ルドワード『リガムル、やり合わないならさっさとシドマに戻るぞ。』


ラファス『そーそー、面倒なことになる前に帰るよ。』


リガムル『そうだな。お前ら今まで黙ってて悪かった、俺は一旦シドマに戻らせてもらう。もしかしたらもう会うことはないのかもしれないが…それはそれで寂しくなるな…』


そう言ってリガムル達が立ち去ろうとした時だった。


キーッン!


リガムル『おいおいシャンク、何の真似だよ?』


シャンク『お前のせいでマセル様の意識が戻らないんだぞ…』


シャンクがリガムルに斬りかかり、リガムルはそれを剣で防いだ。


そこへラファスとルドワードも応戦する。


キンキーッン!


ナナミとサザルキが剣を防ぐ。


ラファス『君がナナミちゃんだね。良い剣筋だ。それに可愛い顔してるなぁ。殺すには勿体ないね。』


ナナミ『私が殺されるの??あなたの間違いじゃななくて??』


ルドワード『俺の力のある剣を2回も止めるとは…やるじゃないか。』


サザルキ『力のある剣か…それじゃあ大したことないんだな…』


シャンク『助かった2人とも…リガムル…お前生きて帰れると思うなよ…』


リガムル『まったく冷静なのに熱い男だなぁシャンクは。向こうも本気なようだし、逃げてもコイツらはスピードがある。戦うしかなさそうだな。』


ラファス『それじゃあ僕はナナミちゃんを』


ルドワード『俺はあいつか』


リガムル『やりたくはないがシャンク…俺の相手はお前だな。』


シャンク『準備はいいな2人とも。』


サザルキ『あぁもちろんだ。』


ナナミ『いつでも大丈夫だよー』


シャンク『殺しにいくつもりで戦うんだ…いくぞ…』


シドマ、カシュパラゴの上級騎士同士の戦いが始まる。


それぞれが散り、剣を交え始めた。


そしてシャンクもリガムルに斬りかかる。


キンキンキンキーッン!


リガムル『おーシャンク!やっぱりお前の剣はすごいなー!訓練をしてた時と同じだ!』


シャンク『余裕をみてる場合じゃないぞリガムル!』


キーッン!


剣をぶつけ合い両者が距離を取る。


シャンク『リガムル悪いな…俺はカシュパラゴを裏切ったお前でさえ過去の思い出を消しきれない…大切な戦友なんだ…お前を殺しにかかる時間は短い方がいい…resolutionリゾリューション!』


シャンクが覚悟を口にし、剣が赤く光を放った。


この剣の輝きは、上級騎士となり特別な訓練を重ねたものにしか与えられない技。


リガムルが見たことのない特別なものとシャンクは思っていた。


だけどそれは間違っているらしい。

シャンクのその剣を見て、リガムルは笑みを浮かべていたのだ。


シャンク『お前…何がおかしいんだ』


リガムル『いやいや、カシュパラゴの秘技を目にすることができたし、まさかずっと訓練を共にしてきた仲間がそれを使ってると思ったらなんだか嬉しくてさ』


シャンク『仲間…か…今は敵同士だけどな。リガムル、俺はお前を正す。その正すということは、死を意味する…いいな…』


そしてシャンクが剣を構える。


リガムル『死…ね、まぁシャンクらしいな。正してもらうのは嬉しいけど、お前のレベルだと俺は倒せないかもしれないぞ。』


シャンクはリガムルの実力がわかっている。

2人は訓練を共にし、そして朝から晩まで2人きりで稽古をつけていた。来る日もくる日も剣を交え力尽きるまで剣技を磨いてきた。

シャンクはリガムルの実力を誰よりもわかっている…そのはずだった…


リガムル『destructionディーストラクション


リガムルが放った言葉により、剣が黒々しくよどめいている。


その剣を見てシャンクは驚きを隠せずにいた。


リガムル『開いた口が塞がらないとはこのことだな。シャンク、お前だけ使えると思ったか?俺もお前と同じようなものが使えるんだぜ』


シャンク『使えるってお前…それは…』


リガムル『そう、俺はシドマ上級騎士の1人。剣もあの2人に引を取らないと思った方がいいな。』


リガムルは聡が使ったものと同じような剣を持っていた。


きっとあの黒々しいよどめきは、カシュパラゴの上級騎士が会得できる技と同じもの。


その技が使える奴の実力は、今まで見てきたものとはまるで違うものだと感じとれた。


リガムルの未知の実力をこれからシャンクは知ることとになる…



その頃ナナミは、森の中でラファスと剣を交えていた。


キンキン!キーッン!


ラファス『ナナミちゃんは珍しい剣の振り方をするね。どこでそんな振り方を教わったのかな?いやぁか弱そうに見えてこの素早くて独特な剣筋僕は好きだなー。』


ナナミ『あなた私のことナナミちゃんって言うのはやめてもらえないかな?知り合いでもないのに気持ち悪いよー、それに私は誰にも剣の振り方は教わってないよ。ただ自分の振りたいようにやってるだけ。』


キンキンキンッ!


こんなたわいもない話をしながらも目にも止まらない速さで2人は斬り合っていた。


ナナミ『resolutionリゾリューション


その言葉によってナナミの剣は紫色に光り出した。


ラファス『おーナナミちゃんの剣はそんな感じに光を出すんだね。綺麗なもんだ。』


そしてナナミはそのまま技を繰り出していく。


ナナミ『だからその呼び方気持ち悪いってー、chivalryシバルリー


ナナミが剣をラファスに向かって一振りすると、ナナミの背後が紫に光を放ち、そこから騎士の形をしたモヤのような物体が5体現れてラファスに攻撃し始めた。


キンキンキンッキンッキンッキンッキン!


ラファス『なになにこの騎士達は!5対1は卑怯じゃないナナミちゃーん!』


そう言いながらもラファスは全ての攻撃を上手く交わしていく。あの騎士達の攻撃を素早く交わすラファスはやはりただものではないようだ。

そしてラファスは隙をつきモヤのような騎士に攻撃を加える。


ボフゥーン


ラファス『な!?斬っても切れない!?』


ラファスの剣は騎士を通り抜け当たらない。


ナナミ『その騎士達、普通の攻撃は当たらないよー。まぁ基本的に私を倒さないと消えないからあなたは死ぬまでずっと攻撃を受け続けることになるんだけどねー』


ラファス『なるほど、基本的ね…そしたらちょっと本気出しちゃおっかなぁ…destructionディーストラクション


その言葉によってラファスの剣が黒々しくよどみだした。


ナナミ『へぇーシドマの覚悟はそんな汚い色になるんだね〜嫌な色。』


ラファス『そう?僕はこの全てを黒くするこの感じが好きなんだけどねー。まぁとりあえずこれでやっつけちゃおっかな!Jet black stormジェットブラックストーム!』


ラファスの一振りによって黒い竜巻が起こり、モヤの騎士達を渦の中に取り込んでいく。竜巻は騎士どころか森の木々も巻き込む大きなものとなっていた。ナナミもすかさずその場を離れる。


ナナミ『こんな大きな竜巻出したら自然が壊れちゃうよ?環境は大切にしないとー。』


ラファス『ごめんごめんナナミちゃん。でも僕は君を殺さなきゃならないんだ。許してね。』


数秒起こった後、竜巻は姿を消した。


竜巻が通った後は、道が作られたかのように山肌が露わになっている。凄まじい威力だ。


そして問題なのは、普通の攻撃では倒すことのできないナナミのモヤのような騎士達が姿を消したということ。つまり倒されたということになる。


ナナミ『私の騎士達が消されたなんて…今まで一度も倒されたことがないのにどうして…』


ラファス『今までの相手よりよっぽど強いと思うけど。まぁ考えるに光の力を使ってるんだったら、光とは真逆の力、つまり闇の力で攻撃を加えれば、倒すことは可能ってことだよね。』


ナナミのchivalryシバルリーはかなり手強い技。普通の相手であれば負けはまずないに等しい。

しかし、闇の魔法やシドマの力によって倒されてしまうことが発覚した。


ナナミ『chivalryシバルリーって消すことができるんだ…それは困ったなぁ。』


ラファス『ナナミちゃんの困った顔も可愛いなぁ。そんな顔されたら早く殺したくなっちゃうよー!』


そういうとラファスはナナミに斬りかかってきた。


キンキンキンッ!キンキンキーッン!


剣のスピード、力であれば2人に差はほとんどないと言えるだろう。だけど先程のラファスの技はかなり強大なパワーを持っている。発動されナナミが取り込まれた場合は負け、つまり死ぬ可能性が高い。


ナナミ『あなたってほんと気持ち悪よね、とりあえず私と騎士達で戦おっかな。chivalryシバルリー!』


技の発動によってまたモヤのような騎士が現れラファスに攻撃を始めた。


ラファス『そう何回も同じ技が僕に効くと思ったの?』


騎士が5人でラファスを攻撃するも、攻撃は一度も当たらずに。


バスッ!スゥゥゥン…


ナナミ『うそ…私の騎士達は斬っても消えないはず…』


ラファスは騎士達の攻撃を交わしながら隙を見て一人一人を斬っていく。すると先程倒せなかったはずの騎士達が一斬りで姿を消していった。


ラファス『やっぱりかぁ。剣の力を発動していれば、斬るだけでも倒せるってことだね。倒せるなら大したことないよナナミちゃん。』


今まで倒されることのなかったナナミの技。


ナナミは動揺していた。


ナナミ『今までの敵とは少し違うってことだね…』


ラファス『さぁナナミちゃんどうするー?今まで通用していた技が使えないよー、まぁ時間をかけるよりも早く殺しちゃった方がいいかな…Jet black stormジェットブラックストーム!』


あの技が来た。ナナミはすかさず回避するも、ラファスは、ナナミの避ける方向を読んでいた。


ラファス『そっちにいくと思ったよナナミちゃん!』


ナナミ『え!?…これはまずい状況だね…』


ズゥゥゥゥゴォォォォォ!!…



その頃サザルキは森を抜け、草原地帯で戦闘を繰り広げていた。


ズゥゥゥゥゴォォォォォ!!…


サザルキ『な、なんだあの竜巻は!?』


ルドワード『よそ見してる暇があるのか!?』


キーッン!!


ルドワード『お前の相手は俺だぞサザルキ!俺にお前の強さをもっと見せてくれ!』


キンキンキン!キーッン!!


サザルキ『力のある剣だ…だがこれくらいでは俺は倒せない。』


ルドワード『なんだと…』


サザルキ『そろそろ本気を見せてやるか…resolutionリゾリューション


覚悟の言葉によりサザルキの剣は緑の光を放つ。


ルドワード『ほぉ、それがお前たち上級騎士に与えられる力。なかなか強そうじゃないか。だが、俺の方が強いぞ…destructionディーストラクション!』


ルドワードの剣も黒々しいどよめきを放ち始めた。


サザルキ『お前らの…邪悪な力だな。だが、それよりも俺は強い!いくぞ!』


サザルキが勢いよくルドワードに斬りかかり、真の力を発揮した者同士の戦いが始まった。


サザルキはシャンクやナナミと違って繊細な剣筋は持ち合わせていない。その代わりにあの2人にない怪力を武器としている。彼の一振りにかかる力は計り知れないものだ。


キンキンキンキンッ!ドーッン!


そのためサザルキの剣をまともに受け止められる上級騎士は1人もいないし、あの四大騎士様ですら防ぐ時は両手を使っていた。


しかし、その剣にルドワードは互角にやり合っている。


奴が強者と呼ばれる所以はここにあるのだろう。


サザルキ『俺の剣をしのぐとは大したものだな。』


ルドワード『サザルキ、お前の剣はかなり防ぐのに力がいるよ。こんなのうちの四大騎士様達以来だ。だけどな、まだまだこんなもんじゃないよな?』


サザルキ『なに…』


ルドワード『だから…お前の本気を見せてみろって言ってんだよー!!!』


キンキンキンッ!キンッ!!ドンドーッン!!


ルドワードがサザルキを攻める。サザルキの力は確かに恐ろしいほど強いが、ルドワードの力はそれに匹敵しているように感じる。


2人の交戦によってじひびきが発生していた。


ルドワード『おらおらおらおら!サザルキ!!どうしたよ!本気でやりあおうぜ!?』


ルドワードの力のある斬りかかりにサザルキは防ぐことで精一杯になっていた。


キーッン!!


2人は距離を取る。


ルドワード『おいおいサザルキ、まさか本気じゃないよな?確かにお前は俺と互角の力を持っている。俺の剣を防ぐのはお前で2人目だよ!お前と剣を交えるとワクワクする!…だけどなサザルキ、このまま防いでるだけだと、お前に勝ち目はないぞ。』


サザルキ『お前の力確かに認める。だが、負けることはない。この命に変えてもな!!』


サザルキが再びルドワードに剣を向け走り出した。


するとルドワードは、剣を頭の上にかかげる。すると闇の力は強くなり、そしてルドワードに向かってくるサザルキに攻撃を放つ。


ルドワード『aspiration loseアスプレイションルーズ!!』


ルドワードは地面に自らの剣を突き刺した。


すると剣先の地面が黒々しい色を出しながら地割れを起こし始めた。


ガァァァァァァゴゴゴォォォォォォォォ!!!!


スゴォォォォォォォォンンン!!!


サザルキ『な!?』


すかさずサザルキはその場から離れる。


技が放たれた場所は地割れの影響で地形が変わってしまった。


この地割れに巻き込まれれば命はないだろう。


ルドワード『俺の技は他の奴らと違ってまぁ力技ってやつだな。チマチマと繰り出す技なんぞ使わん方がマシだ。』


力自慢の奴の技にサザルキも焦りを覚え始める。


この技を出されてしまうと、サザルキの剣はルドワードに届かない。2人に力の差はそこまでない。2人とも人並外れたパワーを兼ね備えている。だが、その剣が届かないのであれば、力があろうがなかろうがそれは関係がなくなってしまう。


ルドワード『さぁ!サザルキ!お前の本気の技も見せてくれ!俺に一撃喰らわせてみろ!』


ルドワードの誘いにサザルキは剣を強く握りなおす。

サザルキは硬く硬く剣を握り直したのだ。


ただ…


ルドワード『ん?』


サザルキが力強く剣を振るう。


ルドワード『サザルキ、力では互角!俺たちに決着は訪れない!』


サザルキ『やってみないとわからないだろ!!』


サザルキは力の限り剣を振るい続けた。


サザルキ『うぉぉぉー!!!』


その一心不乱に剣を振るう姿を見てルドワードは何かに気づくのだった。


ルドワード『サザルキお前まさか…技を持ってないのか?』


キーッン!


再び2人は距離を取る。


サザルキは少しの間口を閉ざし、力無い声で話し始めた。


サザルキ『…俺に…技など必要ない。』


自分のスキルを開示したその姿を見てルドワードは目を丸くしてゲラゲラと笑っていた。


ルドワード『やっぱりそうだったのか!いつまでたっても技を出さないからそうだと思ったよ!!なんだお前技が一つも使えないのか!』


サザルキは力もスピードも剣技も騎士トップクラスの実力を持っている。上級騎士に選ばれて当然の男だ。


しかし…彼だけは技を出すことが出来なかった。


ルドワード『悪いなサザルキ…俺の勝ちだ。』


サザルキ『まだ…まだだ…まだ!』


バサッ!…


サザルキが気を抜いた瞬間、


サザルキ『カッハ!…』


ルドワードに大きく、そして深く斬りつけられた。


胸のあたりから大量の血液が流れ出しサザルキは倒れこむ。


彼の意識は少しづつ薄れていった。


『お、俺としたことが…暗くて、寒い…俺が戦いで死ぬ…なんてな…』


『サザルキ、諦めるな…』


『この声…兄貴…』


死を覚悟した薄れゆく意識の中でサザルキが聞いたのは、亡き兄の声だった。

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