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新たな一歩

シャンク『カスティス何の話し合いだった?』


カスティス『聡のことだ。』


ナナミ『聡様のこと?奪還のこと??』


カスティス『それが…殺すことになった。』


それを言うと、皆の顔が強張った。


俺は話していいものなのかと疑問もありながら、上級騎士たちには知っておいてほしいと思い、事細かく話すことにした。


ユイカが聡にやられたこと、聡は殺すことになったが、殺さずにカシュパラゴに連れ戻すということ、悩ましいことを多く話したせいか、全員の顔色は曇りがかっているようだった。


沈黙が続く中、シャンクが話し出す。


シャンク『聡様はお前のこと、ユイカのこと、そして美乃梨様のこと全て忘れている…それでもお前の意思は変わってないんだな?』


カスティス『あぁ、周りが何と言おうと聡を助け出すと決めたんだ。その意志は変わらない。』


ナナミ『まぁーカスティスは言い出したら止まらないタイプだし応援しようよみんな。』


サザルキ『確かにそうだな。』


シャンク『もとから反対する気もないし、もう決まったことだ。みんなでカスティスのサポートをする!』


いい仲間を持つことに俺は感謝が湧いてきた。


心の中で『ありがとう…』そう呟いたのだった。


しかし、聡に通用する術を身につけないければ綺麗事ばかり言っていてもただの理想論になってしまう。


まずは俺自身のスキルアップをしそして、決め手となる技を手に入れる必要がある。


今の俺では聡と互角に渡り合うことは難しいだろう。


あの力は四大騎士様達に匹敵する力…間違いない…


シャンク『聡様と剣を交えるとして、話を聞く限り今のお前じゃ勝算はかなり低い。ユイカのあの技は強大な力を感じた。あれくらい、いや、あれ以上の技、もしくは…』


その言葉の後、シャンクは黙り込んでしまった。


カスティス『な、なぁシャンク。もしくはなんなんだよ?』


シャンク『剣に覚悟をかけた…次は…』


リンゼル『剣に自分の命を捧ぐこと。』


カスティス『リンゼル様!?』


そこにリンゼル様がお越しになっていた。


リンゼル様はマリヤ様の意向に従うと言っていたものの、俺の力にまだ疑問を持っていたように感じていた。


ナナミ『リンゼル様お疲れ様でしたぁ。』


サザルキ『リンゼル様!いつもお世話になっております!』


シャンク『リンゼル様、カスティスが聡様と戦闘になった場合、やはりあの力以外道はないのでしょうか…』


リンゼル『カスティス、先程のお前の覚悟は間違いのないものだ。そしてマリヤ様がお決めになったことをとやかく言うつもりもない。だが、お前は俺たち四大騎士には剣術、力では到底敵わない。』


カスティス『はい…承知しております…』


リンゼル『そこをどうやって乗り越えるつもりだ。』


カスティス『それは…』


俺はリンゼル様の言ったことに対して言葉が詰まる。


その通りなのだ。


剣の声のままに、自分の感情のままに行動したものの、どうやって聡に勝てる力を手に入れるかはわからないところだった。


リンゼル『その様子じゃ特に考えはないようだな。まったく…カスティス、ついてこい!』


カスティス『え…あ、はい!』


俺はリンゼル様の後について行った。


シャンク『なるほど。ちょっとこれはまずいことになったなぁ。』


ナナミ『なんでまずいのシャンク?』


シャンク『もしかしたらカスティス、もう帰ってこないかもしれない。』


サザルキ『もう帰ってこないって、なんで帰ってこないんだ?』


シャンク『それは…死ぬかもしれないということだ。』


『!?』


俺は新たな試練に直面する。


リンゼル様の跡をついて行くこと数分、街へ辿り着いた。


街は騎士達の努力の甲斐あってだいぶ落ち着きを取り戻していた。


騎士長『リンゼル様!カスティス様!お疲れ様でございます!街の被害は大きくあるものの、皆の頑張りもあり、完全復旧にはそう時間はかからないかと思われます。』


リンゼル『そうか、犠牲者はいるか?』


騎士長『100〜200人ほど…』


カスティス『そんなに…』


リンゼル『そうか…我々の失態だ、四大騎士としてあるまじき判断だった…申し訳ない…』


カシュパラゴの中で、騎士のトップに君臨するリンゼル様が頭を下げて謝る姿は騎士の鏡としか言いようがない。


四大騎士様が皆に慕われる理由は、このお姿を見れば全てわかると改めて感じた。


騎士長『リ、リンゼル様!頭をお上げください!私たち下々の騎士は、四大騎士様の仰せのままに勤めさせていただきます。どんな状況になったとしても、不服に思う者は誰一人としておりいません。私たちは、四大騎士様を心から尊敬しております。』


カスティス『リンゼル様…』


リンゼル様は頭を上げ、騎士長に指示を出した後に再び歩き出した。


その背中には街を守ろうとしてこの世を去った騎士や街の人々への罪悪感、そしてその悲劇を起こした者への怒りに満ち溢れているように見えた。


街の少し外れた場所まで来ると、地面に何かの紋章のようなものをつけた蓋が被さっていた。


リンゼル様はその蓋へ複雑な呪文を掛けると何かが解き放たれたような、空気が揺れる感覚が俺を通り過ぎると同時に蓋が開かれる。


蓋より先はハシゴが掛かっており、地下へ続いているようだ。


リンゼル様が地下へと降りていく後に俺もそれについて行く。


下に降れば下るほど光は無くなり、真っ暗闇だ。


そうしてハシゴを降り続け、最下層へとたどり着いた。


リンゼル『リゾリューション。ここに来るのは久々だなぁ。』


リンゼル様の剣が輝きを放ち、地下を明るく照らす。


地下は通路になっているようだが、灯りはなく、真っ暗になっている。


カスティス『リンゼル様、ここは一体…』


リンゼル『まぁ、ついて来いカスティス。』


俺は言われるがままリンゼル様の後をついて行く。


10分ほど歩いただろうか。


通路の途中に鉄の壁が道を塞いでいた。


この壁のせいで先に進むことはできそうにない。


カスティス『リンゼル様、これ以上は進めないかと…』


リンゼル『カスティス、壁のところに穴があるだろ。』


リンゼル様に言われたところを確認すると、確かにそこには数センチほどの穴が空いていた。


だいたい俺の剣の幅ぐらいだろうか。


カスティス『はい!あります!』


リンゼル『よし、そこにお前の剣を差し込め。そして覚悟を言葉にしてみろ。』


俺は言われるがまま剣をその穴に差し込み覚悟を唱える。


カスティス『リゾリューション…!?』


俺のその言葉で鉄の壁に人1人通れるくらいの通路が開かれた。


カスティス『リンゼル様…これは一体…』


リンゼル『この先は1人しか進むことができないようになっている。進めカスティス。』


リンゼル様に言われた通路は先が見えない鉄に囲まれた通路だ。


カスティス『この先には一体何があるのですか…』


リンゼル『それはお前が行って確かめて来い。ただ一つ言っておく!今の時点でお前は俺たち四大騎士よりも遥かに弱い!それを超えて行くには何が必要なのか、それを常に考えろ…いいなカスティス。』


カスティス『はっ!』


この先には一体何が待っているのだろうか…


不安でしかない…だけど、


聡を連れ戻す唯一の手段であることは間違いない。


必ず俺の思い、この剣をあいつに届かせて見せる!


俺は細く真っ暗な道を一歩、また一歩と歩き出した。


リンゼル『必ず帰って来い…カスティス…』

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