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戦友たち

【お前は命をかけられるか…】


『あたりまえだ!』


【そうか、ただ、お前は何のために命をかけるんだ?】


『それは!…それは…俺は…何のために…だ…』


【命をかけるだけの価値があるのか?】


『それは…あるだろ…きっと…』


【その中途半端なお前の覚悟で命を落とすことになる人たちが何人いるんだろうな】


『俺が守る!みんなをな!』


【ほぉ、じゃあお前の後ろで串刺しになってる女は守れたのか?】


俺は奴が指差している後ろを振り向く。


『えっ…ユ、ユイカ…なんで…』


そこには何本もの剣が身体に刺さり、苦しんでいるユイカの姿があった。


『あ、あんたを信じた私が悪いのよ…カッ!…』


【お前の覚悟で人が死ぬんだ。一人、また一人とな…】


『な、なんだ…何がどうなって…』


【お前の命、覚悟で、人一人を救えるかどうかが決まってくる…そのことを知っていけ…いいな、カスティス…】


『あ、あ…アアァァぁぁぁぁぁ!!』



『スティス…カスティスさ…ま…』


『カスティス様!』


カスティス『はっ!…俺は…あっ!イッテテテテェ…』


女治癒師『カスティス様お目覚めになられましたね。何かにうなされている様でしたので。大丈夫ですか?』


カスティス『だ、大丈夫です。それよりルキはどこに?』


女治癒師『ルキ様は、マリヤ様のもとへ向かわれましたよ。』


カスティス『マ、マリヤ様のもとに!?なんで!?あっ!イッテェ。』


女治癒師『無理はなさらないでください。まだ傷は治りきってません。何やら大事な話があるとかで。』


何かやらかしたのか?

ルキに関して色々考えていると、そこへユイカがやってきた。


ユイカ『その感じを見ると問題なさそうね。それなら安心したわ。』


カスティス『ユ、ユイカ…よかった…』


俺は涙が止まらなくなった。


ユイカは何がなんだかわからず戸惑っていた。


ユイカ『え!?な、何!?どうしたのよ!ほら!このハンカチ使っていいから!何があったのよ!?』


俺はユイカに夢の話をしようと思ったが、すでにそのことは忘れてしまっていた。


自分でもよくわかっていなかったが、涙が止まらなかった。


カスティス『なんでかユイカを見たら涙が止まらなくなって、いやぁ驚いたなぁ。』


ユイカ『こっちの方が驚いたわよ!なんなのよ一体!気持ち悪いわね!』


カスティス『おいおい、気持ち悪いってなんだよ!気持ち悪いって!?あっ!イッテェ!』


女治癒師『カスティス様!いい加減にしてください!これでは治るものも治りませんよ!』


カスティス『あ…すみません。』


怒られてしまったことを深く反省しているところへリガムルがやってきた。


リガムル『ユイカにカスティス、怪我の方はどうだ?』


カスティス『おーリガムル、さっきは色々と助かったよ、ありがとう。怪我の方はこの有り様だな。』


リガルム『まぁ、この怪我じゃ当分治療に専念だな。』


ユイカ『私の方はまったく問題ないわ。かすり傷程度。ありがとねリガムル。』


リガムル『お、おう。っていうかユイカ、お前雰囲気変わったか?いつものおちゃらけてる感じがなくなったというか…どうした?』


ユイカ『あんたたちアタシにどんなイメージ持ってんのよ!、まぁ聡を救い出すためにはアタシ自身変わっていくしかないって思ったというか、覚悟したというか。』


リガムル『へーそうなのかぁ。まぁ、お前も大人になったってことなんだな。』


ユイカ『うるさい!』


こんなたわいもない話をして笑うのはいつぶりだろうか。

ここ最近は戦闘が多く気を張っていたこともあり、なんだかとても気持ちが楽になった。


ユイカ『カスティス!あんたも笑いすぎ!笑顔が気持ち悪いのよ!』


カスティス『うるせーよ!』


そんな会話をしているとルキが治癒室へ帰ってきた。


ルキ『おいカスティス…ちゃんと休んでたんだろうなぁ…』


カスティス『は、はい!ルキ様に言われた通り休んでおりました!は、はい!』


ルキ『ならよろしい。次すぐにこんな怪我したら治さないからな…いいなー!?』


カスティス『は、はいー!!!』


ユイカ『それでルキ、あんたなんでマリヤ様のもとへ行ってたのよ?』


ユイカがそう聞くと、ルキは真面目な顔をして俺らに言った。


ルキ『それなんだけど…俺、マリヤ様の側近に任命されたんだ。』


それを聞いた俺たちは、時が止まったかのような空気になる。


リガムル『それ…本当なのか?…』


ルキは首を縦に振り話し出す。


ルキ『だけどそれはミチル様が不在の時だけの話!ずっとってわけじゃないよ!』


カスティス『にしてもすげーよそれは!ミチル様の後を任されるってのは相当なことだ。ルキ、お前俺たちの中でもズバ抜けて出世していったな。』


ユイカ『治癒班の総司令ってのは名ばかりじゃないってことか。流石ねルキ。』


ルキ『まぁ、俺はお前達みたいに剣の才能には恵まれなかったが、別の道でお前達に引けを取らない才能へたどり着いたってとこかな。』


リガムル『確かにお前ホント剣の才能はなかったもんな。』


ルキ『黙ってろ!本当のことだけど!』


張り詰めてた空気は一気に弾け飛んだように笑いに包まれた。


俺たちが騎士を目指していたあの時、この5人…いや、4人であの辛い訓練を笑顔で乗り越えてきたのだ。


今思えば懐かしい。


そんなことを思っていると、そこへシルス様がやってきた。


シルス『カスティスにユイカ、怪我の方はどうだ?』


カスティス『シルス様!ご心配おかけしてしまい申し訳ありません。私が力不足なばっかりに…』


ユイカ『いえ!私の身勝手な行動による責任です!なんなりと処分をお与えください!シルス様!大変申し訳ありませんでした!』


シルス『ユイカ、お前がやったことは許されることではないぞ、わかっているのか。』


ユイカ『申し訳ありません…』


シルス『お前ももちろんだが、カスティスのような仲間の命も危険にさらしてしまった。これは戦場においてもっともやってはいけないことだ。』


ユイカ『…』


シルス『今回はなんとか上層部にも処分を軽めにしてくれと頼んだが、もう次はないと思え。いいな。』


ユイカ『お気遣い感謝致します。誠に申し訳ありませんでした。次からは勝手な行動を起こさないよう肝に銘じさせて頂きます…』


カスティス『今回は私も勝手な行動をとりました。二人に処分を下してくださいシルス様…』


ユイカ『何言ってんのよ!私の責任なんだからアンタが一緒に受ける必要ないわ!』


カスティス『いいや、二人の責任だ。しっかりと俺は受けるぞ。そんなに気にするな。』


ユイカ『カスティス…』


シルス『まぁいい。そしてユイカ、お前はあの力に気付くことはできたのか?』


ユイカ『はい!完全ではありませんが、剣の声を聞かせて頂きました!』


シルス『よし、それなら安心だな。2人の処分として下されたことは…騎士ミリアの教育だ。』


カスティス『ミ、ミリアですか!?どうしてミリアを?』


シルス『カスティス、ユイカ、お前達2人には聡様奪還の任務についてもらう。』


カスティス『!?』


ユイカ『!?』


シルス『だが、この任務はあまりに危険が大きすぎる。メインで動くのは私とマセルの2人。その時にお前たち2人を含めた上級騎士、そして新人騎士としてはズバ抜けて優秀なミリアに我々のサポートをしてもらいたい。だからミリアに教育をして欲しいのだ。』


カスティス『そうでしたか…』


シルス『2人ともやってくれるな?』


カスティス『っは!』


ユイカ『っは!』


シルス『そうと決まれば、カスティスの怪我の回復を見て、身体が治り次第始めてくれ。いいな。』


カスティス『シルス様!俺なら大丈夫です!すぐにでも!』


と言いかけたが、俺を見つめる怖い顔をした奴が隣に立っていたので俺は休むことにした。


ユイカ『私だけでも先に指導を始めても大丈夫なのではないでしょうか?』


シルス『お前も大変だったろう。今は無理をせずに少し身体を休ませろ。』


ユイカ『シルス様…かしこまりました。お気遣いに感謝致します。』


シルス『リガムル!お前はマセルの元で訓練を受けて来い!いいな!』


リガムル『っは!』


シルス『ルキ、二人を頼んだぞ。』


ルキ『承知いたしました。二人の身体はお任せください。』


そうしてシルス様が部屋から出て行った。


四大騎士の1人であるシルス様が俺やユイカを気にかけてくださることは当たり前のことではない。


この御恩は聡を無事に取り戻し、恩返しさせて頂く。

そう俺は心の中で決心した。


ユイカ『そうと決まれば1日でも早く怪我治しなよ!カスティス!』


カスティス『あぁ、早く治してミリアを特訓しよう!』


これから騎士ミリアの更なる成長劇が始まる。

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