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全身に汗をかいてる。
ああ。
また、思い出してしまった。
亜美。
亜美。
あの後、亜美は屋上から落ちた。
即死だった。
そこから先はボーッとなって、あまり覚えていない。
栞里と友紀に連れられて、屋上から逃げた。
それから、2人に「このことは誰にも言うな」と口止めされた。
2人は、亜美を押したのは、あたしで、もしも事件になったら巻き込まれるのがイヤだと言った。
よく言う。
あなたたちが押したじゃない!
あたしは知ってるのよ!
でも。
あたしはまた…亜美がイジメられていたときと同じで…何もしなかった。
警察に捕まるのが怖かった。
あたしは2人と口裏を合わせて、教師や警察の事情聴取には、屋上に居なかったと証言した。
幸い、亜美が落ちたところを誰も見ていなかった。
最初の3日間は何も喉を通らなかったし、一睡も出来なかった。
でも、次第に、このままバレずに隠し続けられるのじゃないかと思い始めて、少しずつ落ち着いてきた。