表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
贖罪  作者: もんじろう
3/14

3

 いやだ、いやだ。


 こんなことしたくない。


 絶対に、したくない。


 やめて。


 お願い、やめて。


 でも、あたしの口は開かない。


 喉まで出かかった言葉は結局、出てこない。


 あたしの両手が、震えてる亜美の前まで来た。


「ほら、ドーンって」


「ドーンって」


 2人の声。


 怯える亜美の懇願する眼が、あたしの眼と合った。


(やめて。助けて、奈央)


 実際には亜美は何も言わなかったけど、あたしには亜美の心の声が聞こえた。


 ダメだ。


 やっぱり、こんなことはダメ。


「やめて!」ってハッキリ言って、亜美を助けるのよ!


 あたしの両手が。


 栞里と友紀に肘を掴まれて、押された両手が。


 亜美の身体に、ほんの少し触れた。


 その瞬間。


 強風が吹いた。


 亜美の身体が、グラグラと揺れて。


「イヤーーーッ!!」


 あたしは眼が覚めた。


 夢だった。


 最近、あのときの夢ばかり見る。


 あれから、6年も経ってるのに。


 アパートの、あたしの部屋。


 闇の中で、枕元の時計を確認すると、夜中の2時。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ