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「あなたたちに罰を与えます。あたしの罪を償うために。亜美のために」
栞里と友紀の顔は真っ青で、その瞳は恐怖でいっぱいに見開かれていた。
過去の罪が、こんな形で自分たちを捕らえようとは思ってもみなかった。
2人にとっては、もう終わったことだったから。
上手く切り抜けたはずだったから。
「あ、来たんだ」
奈央が急に、2人の間の空間を見つめた。
そこには何も無い。
「亜美、どうして欲しい? 栞里と友紀をどうして欲しい? どうすれば、あたしを許してくれる?」
何も無い空間に、奈央が話しかけた。
その後で、しきりに頷いている。
「そう。そうね。栞里と友紀は、よく亜美のことを『ブス』って言ってたわね。それが1番、イヤだったのね。分かったわ、そうするわ。今から、やるわ」
奈央がブツブツと喋っている。
「これから、あなたたちの」
奈央が今度は、2人に話しかけた。
「顔を、めちゃくちゃにします」