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昼休憩。
亜美が校舎の屋上の端に立ってる。
その部分のフェンスだけが壊れていて、外側に行ける。
たまに、秋の強い風が吹く。
亜美の身体が揺れる。
亜美は泣いてる。
怖いよね。
当たり前だよ。
誰だって、そんなところに立ちたくない。
危ないよ。
もしかしたら、落ちるかもしれない。
「もっとよ」
あたしの後ろから、声がした。
栞里の声。
楽しそうな声。
あたしは全然、楽しくない。
中学のときは楽しかった。
亜美と2人で仲良しで、楽しかったのに。
高校に入って、亜美と同じクラスになったって、喜んだのに。
何故?
何故、こんなことになってるの?
「もっと退がりなさいよ、ブス」
今度は友紀の声。
もちろん、栞里と友紀はキレイだ。
あたしと亜美よりは美人。
家も、お金持ち。
でも、こんなことをしても良いってことにはならない。
「もう、やめようよ」
何回、その言葉が喉まで上がってきたか。
なのに言えない。
どうしても言えない。




