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#006「気掛り」

――しもぅた。傘があらへん。……止みそうにあらへんし、コンビニで買うて帰るか。あっ、蕨くんや。

  *

「おぅい!」

「誰だ、あのダサい女は、と思ったら茶屋町か。まぁ、ちょうど良い。傘を貸せ」

「何や。蕨くんも持ってへんのかいな」

「何だよ、使えねぇ。走るしかねぇじゃねぇか。ほらよ」

「ちょっと、待ちぃよ。どういうことなん? 何で、ブレザー貸してくれるん? パーカーにフードがあるから? ねぇ!」

  *

「この、お馬鹿さん!」

「いったぁ」

「いってぇな。記憶障害を起こしたら、どうする?」

「軽く小突いただけよ、大袈裟ね」

「うぅ。無鉄砲な誰かさんのおかげで、泣きっ面に蜂やわ」

「俺のせいかよ」

「どっちもどっちよ。風邪を引くとアレだから、さっさとお風呂に入りなさい」

「はぁい」

「やれやれ。とんだ厄日だよ、まったく」

  *

「茉莉さん」

「何かしら? ――ちゃんと温まったんでしょうね?」

「蕨くんの名前って、芸名なん? ――すっかり、冷えが取れたわ」

「芸名みたいだけど、本名よ。それが、どうかしたの?」

「いえ。大したことやないんで」

「そう。――あら。お帰り、芳郎くん」

  *

――滲んで読まれへんようになっとるけど、明らかに蕨ではないんよねぇ。


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