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#041「連日、お祭り騒ぎ」

――一月は行く、二月は逃げる、三月は去るとは、よぅ言うたもんやけど、ホンマにあっちゅう間に過ぎていったんよ。

  *

「恵方巻、完食成功!」

「北北西を向いて太巻きを黙って食べる姿は、ちょっと滑稽だわね」

「変わった風習ですよね」

「噂には聞いてたが、実際に体験してみるのは初めてだ」

「こっちではマイナーな行事なんやっけ?」

「知らない人が多いな」

「豆撒きや柊鰯はポピュラーなんだけどねぇ」

「僕も茜さんに言われてから、存在を思い出しましたからねぇ」

「全国展開してるコンビニやスーパーでは、便乗商品が並んでるけどな。ほら、こういうのだ」

「あらまぁ。ロールケーキが真っ黒や」

  *

「その両手の紙袋は何なん?」

「今日は何の日だと思ってるんだ?」

「知った上で訊いてるんよ。それにしても、凄い量やね」

「これは全部、高校の女子から渡されたものだ。事務所にも、まだ同じくらい置いてある」

「見た目だけはえぇモンなぁ、蕨くん。この見掛け倒し」

「誰が見掛け倒しだ。それより大型掃除機は、どこだ?」

「ん? あぁ、芳郎くんなら、半蔵門くんのトコやで」

「何だよ、タイミングが悪い奴だな。開封とチョコレートの処理を頼もうと思ってたのにさぁ」

「こんだけギョウサンあったら、ひとりでは、よぅ食べ切られんわなぁ。うちも食べてえぇ?」

「好きにして良いぞ。ただ、手紙やメッセージ・カードは俺に渡してくれ。場合によっては返事を出す」

「あっ、そういうトコは律儀なんやね」

「余計な恨みを買いたくないからな」

「ホワイト・デーには、三倍にして返すん?」

「さすがに、これだけ多いと三倍は無理だ。三割増しくらいだな。――それより。ちゃんと贈ってやれよ、本命」

「わかってるって。ココや職場で朝に配った義理とは別に、葉山さん用のを準備してあるんやから」

「それなら良いんだ。アレだけじゃ、葉山が落胆するだろうからな」

  *

「これと違う」

「またかよ。大阪ではどうか知らないが、こっちではコレが雛霰だ」

「ちゃうねん、ちゃうねん。こんなポン菓子みたいなんやなくて、醤油や塩で揚げた真ん丸いお菓子やねん」

「まったく。角餅と丸餅に、汁粉と善哉。桜餅に、素甘に、竹輪麩。コレは違う、アレも違うと言いやがって」

「だって、ホンマにちゃうんやもん」

「うるせぇ。ナマモノのシール貼って、着払いで大阪に送りつけるぞ」

  *

――このあとは茉莉さんが蕨くんを鉄拳制裁して、うちは配達されずに済んだから安心してな。……えっ? ホワイト・デーにお返しは貰えたんかって? ウフフ。そこは、ご想像にお任せするわ。


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