表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/45

#009「コテコテ」

「茜ちゃん、よね?」

「ひょっとして、蘭ちゃん?」

「ご名答」

「いやぁ、久し振りやねぇ。蘭ちゃんも、こっちに勤めてるん?」

「そうなんよ。光菱東都で銀行員してるんよ。茜ちゃんは?」

「うちは、小さなデザイン会社のイラストレーター」

「そうなんや。絵を描くのが好きやったもんなぁ。ところで、これから何か用事ある?」

「特に無いわ。あとは、家に帰るだけやから」

「それやったら、ちょっと付き合うてよ。今から萌ちゃんの家に行くトコやねん」

「萌ちゃんって、苦楽園さん?」

「他に誰が居るんよ。あの子、もう結婚してて、今は日暮里さんなんよ」

「へぇ、そうなん。知らんかったわ」

「クラス会に顔出さへんかったら、何も知らんわな。先月にあったばっかしやねんけど、ハガキは見たん?」

「ちょうど引越し前のゴタゴタがあった時期やから、よぅ見んまま、ほかしてしもたかも」

「まぁ、行かんで正解やったかもしれんな」

  *

――彼女の名前は菊水山蘭。うちとは高校時代の同級生。在学中は、苦楽園萌と三人で仲良うやってた、と思う。たまに仲違いしたこともあったかな? まぁ、今となっては、えぇ思い出やけど。

  *

「菖蒲ちゃんは、どうしてるん?」

「あぁ、花園さん? 彼女は葺合さんって人と結婚して、子育てに励んでるわ」

「へぇ。明菜ちゃんは? 茨木さんやったかな」

「今は、芦屋さんよ。先月会うたときには、大きなお腹しとってな。双子が入ってるんやって言うとったわ」

「ベビー・ラッシュやね」

「順番は間違えんといて欲しいところやけどね。覚えてる? 芥川さん」

「あぁ、華子さんやね。あんまし、えぇ噂は聞かんかったけど、どないしたん?」

「彼女ね。……ちょっと耳貸して」

「ナンボで?」

「えぇから、タダで貸し」

「フンフン。……苅藻さんになるまえに、子供が産まれたと」

「そうなんよ。しかも、どうやら最近、離婚したらしくて」

「色々あるもんやねぇ」

「ホンマにね。あたしたちだけよ? 未開封新品なのは」

「そんな工業製品みたいに言うたら、同じような品物がギョウサンあるみたいやないの。一点物よ、うちら」

「せやな。言いかたが悪かったわ。――ここよ。このマンションの十階」

「はぁ。これはまた、お高いマンションやね」

「単位はメートル? それとも円?」

「どっちもや」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ